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【完結済・第6章まで加筆修正完了】アキの異世界旅行記 ~旅先でなぜか変なフラグ立ってトラブルに巻き込まれて···ホント困ってます~  作者: ぷちきゅう
第12章 帰省するぞー!?

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12-19.意識の共有

 子どもたちが立ち直らせてボクとハルが食堂に向かうと、すでにリオたちは着いていた。

 

「ごめんごめん。ちょっとハルと話してたら遅くなっちゃったよ」

 

「おう!オレたちもさっき来たばかりだからなー。ほとんど待ってないぞー」

 

「そうですわ。私たちもつい先ほど来たばかりですからね。さて!それでは夕食にしましょうか。今日はたっぷりと動きましたからね。たくさんご用意いたしましたので存分に味わって下さいまし」

 

「「「「いっただっきまーす!」」」」

 

「うん!!おいしいわぁ~!!こんなおいしい料理が食べれるなんて、いつもとは別の涙が出てきそうよ~!」

 

「そうだね!姉ちゃん!ぼくも涙が出そうだよ~!」

 

「···リオ?あなた、家ではどんな料理をしてるんですの?」

 

「普通だぞー?たまーに失敗(・・・・・・)するんだけどなー」

 

「···アンタ、それ本気で言ってる?『たまー』の頻度が半端ないんだけど?」

 

「そんな事ないぞー!?···あー、でもそうなのかなー?」

 

「アンタの『たまー』は確実に食べれない(・・・・・・・・)ものでしょ!?9割以上とんでもないのよ!?」

 

「···やっぱりそうですのね?ナナさんは料理は厳しいんですの?」

 

「あたしは包丁の扱いが苦手なので、おそらくリオを血まみれにすると思うんですよ」

 

「それは素晴らしいですわね!是非とも挑戦された方がいいですわ!」

 

「アイリもおれが血まみれになってもいいのかぁー···」

 

「血まみれにならないように防御魔法を張ればいいだけですわよ?それに体の中が血まみれになるより外側が血まみれのほうが回復魔法をかけやすいですわよ?」

 

「···なんだか恐ろしい会話してるね。ボクが料理を教えたんですけど、なぜか珍妙な料理になっちゃうんですよ。先日はキャンプで子どもたちと一緒に料理したら毒物料理になりましたし」

 

「···それは別の意味での才能なんでしょうかね?もはやドジやおっちょこちょいでは済まないですわよ?···でも、どんな料理か興味はありますわ!兄さんもそう思うでしょう?」

 

「そうだな!確かに普通の食材からどんな化け物料理ができるのか見てみたいな!さっそく明日の昼に試してもらうぞ。オルとネータも来るからな!」

 

「ちょっとーーー!?そんな理由でオレは料理させられるのかーー!?」

 

「リオ!ここは汚名返上のチャンスだよ!大成功させて驚かせようよ!」

 

「うーん···。アキがそう言うならやってみるぞー」

 

「···アキ?言った責任はとってもらうわよ?」

 

「···ボクの命まで関わってきそうだなぁ〜」

 

 

 ということで、『シェフ リオ』を開くことになったよ。あとでこっそりとアイリさんが、『失敗しても代わりの昼食は手配しておきますわ。成功しても失敗してもネタにしてからかってやりますので、安心してくださいね!』ってフォローしてくれたよ。

 

 ···これでボクの命の危険は回避できたね!

 

 

 さて、夕食を終えてから今日の試合を振り返ることにしたんだ。そこで、驚きの事実が発覚したんだ。

 

 

「さて、それではちょっとした反省会っぽい事をしましょうか?ちょっと聞いてて辛いかもしれませんが、今後の役に立つと思いますわ」

 

「はい。おれたちも聞きたいです。よろしくお願いします」

 

「うむ。どうやら前を向いて進もうとしているな?では、まずは素晴らしかったことからだな!最高の強みはやはり連携力だな!ここまでの息のあったコンビネーションは見たことがない。まるで多数の手段を持つ1人を相手にしているようだったぞ」

 

「それについて私が感じた事は、やはりフユくんとナツちゃんには魔力以外に『意識の共有』もできていると考えて間違いなさそうですわ」

 

「「···意識の、共有?」」

 

「そうですわ。通常は合図をするなりして連携を取るのですが、あなたたちはそれがまったくないですわ。まるで次にどう動くから自分はこう動くという事を共有して、全員が瞬時に承認してくれているのですわ。おそらく無意識でやってるのでしょうけど、こんな連携はあなたたち以外でこの世界でできる人はいないと思いますわ」

 

「そう言われると、フユとナツと組んで戦うと、自然とわたしがどんな魔法を撃ち込んだらいいか思いつくし、撃つ直前でみんな離れてくれるわね」

 

「ぼくもどのタイミングで攻撃するかや魔法を使うかがわかるよ。姉ちゃんの魔法が撃ち込まれる瞬間もすぐに気づくし」

 

「おれもそうだね。みんながどう動くのかがわかってるから、わざとオトリになったり攻撃の支援したりしてるね」

 

「···あんまり意識してなかったよ。お兄ちゃんとナツにそんな力があったんだね」

 

「ですので、フユくんとナツちゃんが気絶した後のリナちゃんやケンくんの動きは全然違ってましたわ。単独では確かにそこそこ強いでしょうけども、意識を共有して連携した際の力は極端に高くなるのだと思われますわ」

 

「逆に言えば連携が切れたら一気に戦力が落ちてしまって各個撃破されて終わり、という事だな。オレが相手して気になった点はそこだな」

 

「···そういうことだったのか~。それでおれ一人よりもナツたちと一緒にやった方が戦いやすかったんだね」

 

「···うん。双子だったからかな?と思ってたけどね」

 

「フユとナツのおかげなのね!···でも、そうしたら意識の共有が切れた時の事も考えないといけないわね」

 

「そうだね。ぼくと姉ちゃんだけでもそこそこ連携できるけど、ちょっと不安だからね」

 

「ふふふ、スゴイですわね。もう次の課題を見つけてしまいましたか。リナちゃんとケンくんの言う通りですわ。その場合は単独でも戦闘を継続するか、いったん退いてフユくんとナツちゃんを回復させるかですわね。よろしければ私の創作魔法である常時回復魔法をお教えいたしますが、いかがですか?兄さんみたいな強烈な一撃で倒されない限りはなんとかなると思いますわよ?」

 

「「「「教えて下さい!よろしくお願いします!!」」」」

 

「ははは!今のは意識の共有ではないな!みんなまったく同じ思いだったという事だな!まったく、共有がなくても息ピッタリとは恐れ入ったよ!今後の成長が楽しみだぞ!」

 

 

 反省会は終了した。他にも個人的なアドバイスはあったし、武器の使い方や応用、常時回復魔法については明日にする事になったよ。

 

 しかし、『意識の共有』かぁ~。確か神狼族は一族で狩りをする戦闘種族だって話で、何かを共有する固有の創作魔法があるんだけど、てっきりハルと同じ魔力共有をしていたからそれだけだ(・・・・・)と思ってたんだよ。

 

 けれども、フユとナツにはそれ以外の共有もあったなんて気づきもしなかったなぁ~。てっきり双子だから連携が得意だとばかり思ってたんだよ。それがリナとケンにまで共有されているとは考えもしなかったね。リナとケンも、アイリさんから指摘されるまでまったく気づいていなかったぐらいだ。

 

 そして、意識の共有の欠点も今回で判明した。子どもたちの最大の強みは連携力だ。これをいかに維持するかが今後の課題となったね。

 

 本当にカーネさんとアイリさんには感謝だよ!ボクたちでの教育でカバーできなかった事を指導してくれる人がいなかったからね。今回の試合は子どもたちにとってもいい成長材料になったよ。

 

 そうボク自身も振り返って、今日はもう休むことにしたよ。おやすみなさーい!

 

 ···明日はリオの料理披露の事をすっかり忘れてハルと一緒に寝入ってしまったボクだった。

 双子だから連携が得意というのは最初から考えてましたが、それを固有能力によって極限まで強化されたものと思いついたのはこの時でしたね。

 アイリさんが気づかなかったら作者も気づいてませんでした。

 共有能力が思わぬ方向で威力を発揮しました。このあたりはキャラが勝手に考えてくれるので、書いてる作者自身が1番驚いてます。


 本当に本作ではキャラに作者が助けられてる事が多いです。


 さて次回予告ですが、リオくんの料理がみんなに振る舞われます。ある意味ロシアンルーレット的な料理の数々に怯える様子をお楽しみ下さい!

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