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【完結済・第6章まで加筆修正完了】アキの異世界旅行記 ~旅先でなぜか変なフラグ立ってトラブルに巻き込まれて···ホント困ってます~  作者: ぷちきゅう
第12章 帰省するぞー!?

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12-15.集落は楽しんでいただけたかな? ⇒ もう帰る!!

 本日と明日は朝と夜に1話ずつ投稿しますよ!

 青竜の集落に着いたボクたちは、ナナの実家で1泊する事になった。明日は集落を『見学』という名の、リナとケンへのアピール合戦が行われるようだ。

 

 ナナの言い分はもっともだよ。まだ6歳の子どもに跡取りになれって言われても困るよね。でも、まとめ役の跡継ぎがいなかったらどうなっちゃうんだろう?

 

 

「別に誰でもいいのよ。今はうちのパパがやってるけど、パパの前は別の一家がやってたわけだし」

 

「···それじゃ、別にケンじゃなくてもいいんだね?」

 

「そうよ。うちの一族はそのあたりは全くこだわらないのよ。···むしろ押し付け合いみたいなものよ」

 

「···あ~、なるほどね。元の世界でも似たような事あるわ。みんなやりたくないからケンに押し付けようって事か。大の大人が子どもに押し付けようって、ちょっと考え方が汚いなぁ~。」

 

「多少はパパのメンツがあるから、しばらくは様子見するけど、一線を超えそうならすぐに転移をお願いしたいわね。悪いけどいいかしら?」

 

「ボクはいいよ。結果的にリナとケンを守ることになるからね。リオもいい?」

 

「いいぞー。もし実力行使に出てきた場合は、リナとケンにも手加減無用って言っておくからなー。そう意味ではオレは末っ子でよかったぞー」

 

「···それは違うと思うよ」

 

「ハル?どうして?」

 

「···あの3兄弟は狩りしか頭にない。外の世界も知らないから絶望的」

 

「···あー、もしかしたらうちの集落の連中が押し寄せてくる可能性があるのかー。やっぱこの前滅ぼすべきだったなー」

 

「リオ、ちょっと考えが過激すぎ。でも、もしそうなったらうちも協力するよ。子どもたちの未来を守るのも親の務めだからね」

 

「アキー!ありがとなー!次は一緒に滅ぼしてやるぞー!!」

 

「···考え方が大魔王と同じになってる。···少し、頭冷やそうか?」

 

「ハ、ハルさん?その言葉はかなり怖いのでホドホドにして···」

 

 

 親同士で万が一のプランの打ち合わせをしていると、ムートさんとティアさんが子どもたちをもてなしていたよ。

 

 

「みんなかわいいなぁーー!かわいいなぁーー!ほらほらーー今日獲れたての魚だぞー!遠慮なしに食べていいんだぞー!!」

 

「たくさん食べて大きくなるのよ~~!ねえねえ!何が好きなのかしら~?」

 

「あ、いや、その、あ、ありがとうございます。え?この魚まるごと?ど、どうすればいいの、ぼく?」

 

「あ、あの~?ありがたいんですけど、わたしたち魚まるごとってのはちょっと···」

 

「パパに肉焼きセットで焼いてもらう?さすがにおれたちもこれはちょっと厳しいし」

 

「そうだね。お願いしようかな?アキパパ!おさかな焼いてもらえる~?」

 

「いいよ~!ムートさん、さすがにこの子たちに生魚はちょっと厳しいので、こちらでちょっと手を加えさせてもらいますね」

 

「おお!すまんね。そこまで考えが至っておらなんだわ。···これはマイナス印象になってしまったなぁー。次の策を考えないと!」

 

「パパ?いい加減にしてよね?この子たちは人の町で住んでるんだから、集落のやり方は厳しいわよ?竜モードで過ごすのもほとんどないんだからね」

 

「むむむ?なかなか難しいな。人の里に出ることがほとんどないので、そのあたりはよくわからんからなぁ~。買い出し担当ならある程度わかるんだろうがなぁ~」

 

「あんまりグイグイいったら引いてしまうわよ?この子たちの好きにさせてあげなさいよ」

 

「ううむ···。なかなか孫と接するというのは難しいのだな」

 

「···そういうことじゃないとおもうけどなぁ~。ただ単に世間知らずなだけだとあたしは思うんだけどなぁ~」

 

 

 孫との接し方に悩んでしまうムートさんとティアさんを置いておいて、ボクは肉焼きセットで焼き魚と、魚の切り身の炙りをしてあげたら喜んでもらえたね。

 

 まぁね?文化が全く違うからどっちにも合わせることが難しいんだよね。リナとケンも人族と同じ生活してるから、簡単には馴染めないだろうからね。

 

 外の世界を知らないと、そのあたりがわからないからなぁ~。···これは明日の午前中に転移発動かな?

 

 今日はリオ一家は竜の姿でまとまって寝て、うちの一家は大型テントを1つ張って寝ることにしたんだ。

 

 

 グロー歴514年8月10日 曇

 

「おはよう!目覚めはどうだい?この木の実のジュースは目覚めにいいよ~!さあさあ!遠慮しないで!!ぐいっといっちゃって!!」

 

「···う~ん?···え~?あ、おはようございます···。ジュース···、ですか?···ぼくに?···あ~、いただきます」

 

「うえ~?な~に~?···こんな朝早くから誰よ~?···まだ陽が昇ってないじゃないのよ~?···わたしはもうちょっと寝たいのにぃ~」

 

 

 早朝から集落の人たちが押しかけてきて勧誘合戦が始まってしまった···。早すぎない!?

 

 

「ささ!起きてくださいね~。早朝の漁をお見せしますよ~!今日は集落の者総出でお二人にとびっきりの海の幸をご馳走しますので、見学に来てください!さあ!さあ!!」

 

「あ、···ハイ。ちょっとまだ寝ボケてるので少し待ってくださいね···」

 

「そんな時間ないですよ!すでに漁に出てるんですから!いい所見逃しちゃいます!私たちが連れていきますから!!移動中に目を覚まして下さいね!!」

 

「···ちょっと強引過ぎない~?見せたいのはわかるけどぉ~。わたしはパスしたいんだけど~」

 

「ダメです!それでは我々のアッピールができないんですよ!!王子と王女にはこの集落の良さを知っていただかないといけないんですから!!」

 

「···ママぁ~?どうしよう?って、まだ起きてないかぁ~。パパには期待してなかったけど、ママもダメだと、ぼくどうしよう?」

 

「大丈夫です!!姫もわかって下さいますから!!さあ!行きましょう!!」

 

 

 これはさすがにマズい。どうもナナとリオが起きないことをいい事に、好き勝手しようとしてるね。

 

 ···もしかして、ナナは薬盛られた?こんなに大騒動になってるのに起きないっておかしいぞ?···リオは別として。

 

 これはうちで止めに入ろう。ハルにも準備してもらったよ。

 

 

「···ちょっと待って。あまりにも強引すぎるよ。さすがに目に余るね」

 

「うん。必死なのはわかるけど、子どもたちを無理やり連れて行くのは感心しないですね。逆効果じゃないかな?」

 

「外野は黙っててくれます!?これはうちの集落のドラゴン族の問題なのですよ!?いくら客人でも許されない行為もあるんですよ?」

 

「···それはムートさんの考えじゃないでしょ?あなたたち集落の人の考えでしょ?大人の事情に子どもたちを巻き込むのを、ボクは見過ごせないんですよ」

 

「それはあなた個人の考え方でしょ?集落では通用しないんだよ!さあ!王子!王女!行きますよ!集落を楽しんでいただきますよ!」

 

「···ごめんなさい。ぼくは行きません。みなさんの気持ちもわかるけど、嫌いになっちゃいます」

 

「わたしもよ。もうちょっとやさしくしてくれないのかしら?こんなんじゃ、この集落にいたくないわ!もう帰る!!」

 

「そんな!我らを見捨てるというのですか!?こんなに真剣にやってるというのに!!止むをえまい!お二人をお連れするぞ!!」

 

「···交渉決裂か。アキ、子どもたちを逃がして。私が時間を稼ぐ」

 

「了解!すぐに戻ってナナとリオを回収するからね!!みんな!ボクのところへ!!」

 

「「アキパパ!ごめんなさい!!」」

 

 

 思ってた以上にマズいことになってしまったなぁ~。まさかここまで強引な勧誘を仕掛けてくるとは思わなかったよ···。そんなにみんなまとめ役になりたくないのかぁ~。

 

 かなりリナとケンの心証悪くなっちゃったし、もう2度とこの集落に来たがらなくなっちゃうだろうなぁ~。このあたりは時間が解決してくれる事を祈ろう。

 

 ボクはまず近くの砂浜へ子供たち4人と一緒に転移した。

 

 

「じゃあ、ボクはハル、リオ、ナナ、ジーンを迎えに行ってくるね。みんな揃ったら変身して長距離転移するから、ここを離れないでね!」

 

「アキパパ、ごめんなさい。こんな事になるなんて···」

 

「ケン?悪いのは集落の人たちだよ?でも、悪意はないと思うんだ。ただ、必死になっててケンの事を考えられなかっただけだとボクは思うんだ。だから、今回は帰ろう。少し時間を置いてからまた来たらいいからね」

 

「···ありがとう、アキパパ」

 

「うん。じゃあ、行ってくるね!」

 

 

 ボクが集落に戻ると、そこにはムートさんとティアさんがいたんだ。集落の人たちは···、いなかった。何があったのかな?

 

 

「アキ、集落の人たちはムートさんが追い返したよ」

 

「アキ殿、今回は大変ご迷惑をおかけした。子どもたちにも怖い思いをさせてしまったなぁー」

 

「いえ、まさかあそこまで必死になるなんて思いもしませんでしたよ」

 

「リナちゃんもケンくんも嫌になってしまったでしょうね···。私たちで止められなかったのもいけなかったわね」

 

「···ケンは『こんな事になってごめんなさい』って言ってましたよ。今回は接し方がマズかっただけだと思います。次はいい歓迎をしてくれたら、二人もわかってくれると思いますよ?」

 

「···そうだな。あまりにも急だったので、みなが混乱してしまったのだろう。すべての責任はわたしだな。また時間をおいてから来てほしい」

 

「そうですね。今回はこれでお暇しますね。リオ!ナナ!起きて!!帰るよ!!」

 

「んあー?どうしたんだー?急にー?」

 

「んん~。···え?アキ?どうしたのよ?」

 

「ちょっと事情が変わったよ。いますぐ帰るから転移した先で話すね!ムートさん、ティアさん!また来ますね!!」

 

 

 次回来る時は事前に連絡してからにしよう。そうじゃないとまた大混乱しそうだよ。

 今回は大人の醜い部分を子どもたちが見てしまいました。

 書いていて作者もちょっと気分悪くなりましたので、読者の皆様もそうなってしまったかもしれませんね。その点につきましてはお詫びします。

 ですが、現実でもこういった状況は悲しいことに多く発生しています。子どもたちの目の前で、模範となるべき大人の行動があまりにも自分勝手で情けなくなるようなことが行われているのを見る機会も増えてるような気がしますね。

 そういう醜い行動を見た子どもたちが成長したときに社会に与える影響は少なくないと思いますね。


 さあ、暗いお話はここまで!次回からは通常の爆笑モードですので、ご安心くださいね!

 さて次回予告ですが、アキくんの超長距離転移でカーネさんとアイリさんのいる領主邸に着いた一行ですが、アイリさんは子どもたちの魔法の実力を見せてもらい、アドバイスをします。

 またリオくんとアイリさんのドツキ漫才がありますよ~!


 次回は本日夜なんですが、作者が1週間遅れのバカンスで出かけております。

 クルージングでフェリーの特別便に乗船しておりますので、電波状況が悪い場合は明日になる可能性もあります。多分大丈夫だと思いますけどね!では、お楽しみに!作者も船旅を楽しんできますね~!

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