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【完結済・第6章まで加筆修正完了】アキの異世界旅行記 ~旅先でなぜか変なフラグ立ってトラブルに巻き込まれて···ホント困ってます~  作者: ぷちきゅう
第12章 帰省するぞー!?

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12-12.初めての船旅

 グロー歴514年8月6日 曇

 

 今日から船旅をするぞ~!

 

 ちなみに昨日は休息日という事で、みんな自由に過ごしてもらったんだ。ボクとハルは一緒にギルドへ報奨金受け取りの手続きをしに行ったよ。

 

 ···とんでもない金額がかけられていたようで、元の身分証のままだと上限を超えるところだったんだ。スマホ決済になっちゃったから上限がなくなったので、ある意味助かったね!

 

 そうそう、このスマホ決済アプリである『モバイルアデリー』だけど、新機能が知らない間に追加されたんだよ。

 

 その名も『振込』。

 

 ···一見地味だけど、今回のようにハルが代表して報奨金を受け取ったりした場合にほかの人への送金はギルドの端末を使用しての分配しかできなかったんだよ。

 

 それが振込で簡単にできちゃうようになったのは楽だね~!もちろん振込手数料は0ジールだ!···某通信販売会社じゃないけど。

 

 ちなみに子どもたちはお小遣い制だよ。いきなり大きなお金は危ないからね。余剰分はボクが預かってるんだ。誰かさんのようにお菓子を大量に買ってしまわないようにするための措置だ。

 

 

「ちょっとー?アキー?もしかして、オレの悪口を思ってないかー?顔に出てるぞー」

 

「えっ!?そ、そんな事ないよ!?し、心外だなぁ~!」

 

「···まー、悪意はなさそうだけどなー」

 

 

 ふぅ~、危ない危ない。ボクってポーカーフェイス苦手なんだよなぁ〜。だから駆け引きって超苦手なんだよなぁ〜。

 

 

 さて、ホテルをチェックアウトして港に向かい、市場で早めの昼食を取ったら、ちょうど乗船開始時間になった。

 

 あれ?この船って、前に乗った船かな?なんだか見覚えがあるんだけど?

 

 そう思ってたら船員さんから声をかけられたんだ。

 

 

「あれ?あんたたちはもしかして以前に幽霊船から救ってくれた英雄さんか!?」

 

「はい?英雄って···。確かに幽霊船から救ったのはボクたちですけど?」

 

「やっぱりそうだったか!覚えてないかもしれないけど、あの時船員だった者だよ!あの時は本当にありがとな!またこうして乗ってくれて安心だよ!はっはっは!」

 

「今回はあんな騒動はゴメンですよ?危険を回避して安全な航海にして下さいね?」

 

「もちろんだ!わざわざ死にに行くつもりもないからな!今度こそ安心できる航海にするからな!」

 

 

 ···フラグが立ったかもしれない。

 

 今回はトラブル体質がフユとナツも増えて3人になったから、エンカウント率も3倍になってるかもしれないんだ。

 

 ···聖水流しながら航海したら回避できるのかな?

 

 船内に入ったら、案内した船員さんもボクたちの顔を覚えていたんだよ。そしたらレストランの無料券を人数分プレゼントしてくれた!どうやら事務長という船の責任者に昇進されたそうで、そういう権限があったようだね。

 

 さて、今回の部屋も前回同様3デッキの船首右舷側の301部屋と、お隣の302の部屋だった。

 

 部屋の中は2段ベッドが2列で、上段ベッドは壁に立てかけられる仕様だ。ベッドの間には折りたたみ式のテーブルがあって、部屋の中でも食事が可能だよ。入口のすぐとなりには水道なしの簡易台所があるんだ。トイレは外の共用トイレだ。

 

 今回は親と子どもで分かれることにしたよ。こういう船旅は時間がたっぷりとあるから、ゆっくりと話ができるからね。

 

 乗船したら探検!ってのが元の世界では定番だったけど、今回はすでに乗った船だから探検は子どもたちだけで行かせたよ。

 

 出港15分前の銅鑼が鳴ったら3デッキの甲板に出て行ってきますの手を振るよ!って子どもたちには伝えておいた。

 

 そうして時間が過ぎて出航時間の午後2時になった。

 

 船首(おもて)船尾(とも)の最後の係船ロープが外されて、アイム島行きの船はレイスを出港したんだ。

 

 

「うわぁ〜!すっご〜い!なんか変わった揺れ方するんだね〜!」

 

「···これはちょっとバランス取るのが難しいね。戦闘になったら厳しそう」

 

「とってもゆっくり進むのね〜。飛んだほうが速いわよね?」

 

「それだと魔力と体力が続かないよ〜。ママは10時間休憩なしで飛んだって言ってたけど、姉ちゃん、やってみる?」

 

「そんなしんどいことやるわけないでしょ!ちょっと思っただけよ!」

 

「みんなはしゃいでるけど、外洋出たら波が高くなって気分が悪くなるかもしれないからね。そうなったら身体強化をかけたらマシになるからね。···さっそくボクはかけてるけど」

 

「パパは船は苦手なんだね?」

 

「そんなことはないよ。元の世界でもよく船旅はしていたんだよ。海と空の港が近い町に住んでたからね。

 気分転換で休みの日に乗りに行ったりもしたぐらいなんだよ。ただ、乗った航路が波の穏やかな海だったからね。外洋に出る航路は薬を飲んで楽しんでたなぁ〜」

 

「···そこまでして旅を楽しむなんて、パパはドMだったんだね」

 

「ナツ!?そうじゃないよ!?それにどこでそんな言葉覚えたの!?」

 

「···企業秘密」

 

「···育て方間違えちゃったのかなぁ〜」

 

 

 そんなやりとりを出港後はしてたんだよね。

 

 さて、出港してから2時間も経ってくると、だんだん暇になってくるものなんだよね。ボクは暇にはならないけど、他のみんなが暇を持て余しだしたんだ。すると、フユとケンがボクたちの部屋にやって来たんだ。

 

 

「パパ、このすまほに入ってるあにめ?ってのが見たいから、承認してくれる?」

 

「いいよ。ボクもリオも、アニメを参考にして創作魔法を創ったりしてたから、参考になるのがあればいいね」

 

「ありがとう、アキパパ!ぼくも何か参考にしてみるね」

 

 まぁ、スマホがあればたいていの暇つぶしはできるからね。何かの参考になればいいけどね。

 

 ちなみにハルもリオもナナもスマホでアニメ見たりマンガを読んでいた。この文化はエーレタニアにはないから、新鮮だろうね。しかも日本のアニメやマンガは世界一のレベルだからね。こうかはばつぐんだ!

 

 

 ハルは···、某世紀末覇王伝説を見てるよ。指先ひとつで瞬殺できるシーンを何度も見返していたよ。···ハルさん?秘孔突いてなにする気です?いくら回復魔法があるからって、子どもたちのお仕置きには過激すぎるよ?

 

 リオは···、ムーオより強すぎる大魔王を倒す冒険譚を夢中になって読んでたよ。そういえば以前にこのマンガの技を再現しちゃったからなぁ〜。でも、このマンガに登場する究極魔法はさすがに創ってほしくないなぁ〜。怖すぎるけど、ムーオには効くのかなぁ〜?

 

 そしてナナは、パンツという概念がない世界で空を飛びながら敵と戦う女の子たちのアニメを見ていたよ。やっぱり空を飛ぶアニメに興味があるんだなぁ〜。飛び方を参考にするのかな?

 

 えっ?ボクは何してるかって?何も考えずにボーっと窓の外を見てるよ。意外とこれも楽しいもんだよ?元の世界では船の位置情報を表示するアプリがあって、それを見ながら景色を眺めると、『あの船はそんな遠いところへ行くんだ〜』って思ったりできるからオススメだよ!

 

 

 みんなそれぞれのんびりとくつろいでいると、夕食の時間になったので、レストランへ行ったんだ。

 

 まぁ、海上ということもあって、保存食ばっかりの料理だったよ。これも旅の醍醐味の一つだね。

 

 子どもたちも『船だとこんな食事なんだ〜。船員さんって大変だね』って言ってたよ。

 

 そうやって気遣う心を持っているのはいい事だよ。このまま闇落ちせずに健やかに成長してほしいね!

 長時間の船旅は過ごし方に工夫をしないと苦痛になりかねません。

 作者も最初はず~っとベッドに横になってボ~っと過ごし、それ以外の時間はレストランでマズくて高い食事をして大浴場にさっと入ってまたベッドで過ごすという、大変もったいない時間を過ごしていました。


 今はスマホのアプリを使ってアキくんと同様に行きかう船の情報を見ていろいろ思いをはせたり、質が大幅に上がったレストランでのんびりと食事をして、船室やパブリックスペースから外を眺めながらジュースや缶チューハイとおつまみを楽しみながら小説を執筆したりして、非日常の優雅なひと時を過ごすようになりましたね!

 太平洋や日本海で荒れてる時に執筆したらもれなく船酔いしてしまいますが(笑)!


 さて次回予告ですが、エンカウント率が3倍は伊達ではなかった!今回も前回の船旅で遭遇した超大型魔獣が引き寄せられてしまい、アキくんたちは相手をせざるを得なくなってしまいます。


 さっそく子どもたち魔法戦隊が本領を発揮しますので、お楽しみに!

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