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【完結済・第6章まで加筆修正完了】アキの異世界旅行記 ~旅先でなぜか変なフラグ立ってトラブルに巻き込まれて···ホント困ってます~  作者: ぷちきゅう
第1章 トラブルを道づれ?世は情け?な旅の始まり 〜なんでこんな目に···〜

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1-5.ツーデン劇団

「キミたち、ありがとう!少し事情を聞きたいのだけど、いいかい?」



 劇団長から声をかけられた。確かに何があったか知ってもらわないといけないしね。



「ボクはアキって言います。こっちはリオです。初めまして、劇団長さん」


「初めまして。私が劇団の責任者でタクトと言います。今回はニーナが世話になったみたいで、ありがとう」


「いえ、たまたま大通りでぶつかってしまいまして。どうやら追われてるようだったので、勝手ながら逃げるのをお手伝いした次第です」


「そうでしたか!いやはや、ご存知かもしれないけど、当劇団は有名になりすぎてしまって、これまでにも身代金目的の誘拐未遂が何度かあったのですよ。だからニーナに何度も複数人で行動するように言っておいたんですが、見ての通り変装すればバレない!と言って聞かず···。ご迷惑をおかけしましたなぁ」


「そうだったんですか。有名になりすぎるのも困りものですね」


「そうなんですよ。そうそう食事とかニーナが言ってましたな!当然お礼をさせて下さい。上演終了後に打ち上げを兼ねた夕食会をいつもやってるので、せっかくだから観劇していくといいよ」



 なんと、有名な劇団の演劇を見せてもらえるなんて!やっぱり人助けはするもんだね!まぁ、お礼が目当てになってはいけないから、そこは気をつけなくちゃ。



「ありがとうございます!お言葉に甘えさせていただきますね」



 案内された席はなんと最前列だった!めっちゃ舞台が近いよ。リオはボクの頭の上で見ることになった。重いかな?と思ったけど、そこはリオの魔法で軽くしてるっぽいね。


 そういえば演目名聞いてなかったなぁ。どんなお話だろう?

 


「リオ?この演劇の名前って聞いた?」


「いやー、何も聞いてなかったなぁー。まぁ、始まってからのお楽しみってことでいいんじゃないかー?」


「それもそうだね!どんな内容なのかな?」



 しばらくしてから魔道具の明かりが暗くなりだした。上演の開始だね!演劇なんて見たことないから楽しみだよ〜!


 

『皆さま、本日は遠方よりお越しいただきまして、誠にありがとうございます!大変お待たせいたしました!ただいまより、当劇団の最新作!『大魔王ムーオ討伐活劇 〜英雄たちの軌跡〜』を上演いたします!どうぞ最後までお楽しみ下さい!』



 なんと、リオの活躍の話だよ!リオから直接話は聞いたけど、これはものすごい楽しみだぞ〜!


 お題目を聞いて興奮するボク、一方のリオは···、嫌〜な予感しまくりで、なんともいえないような顔をしていたみたいだよ。頭の上にいるから見えないしね。



 最初はリオから聞いた話とは違って、『永き時をかけて徐々に悪意が貯まり、大魔王が誕生してしまった』となっていた。


 確か魔法研究所での事故だから、恐らくこの変更は真実を伝えたくないためのカモフラージュなんだろうね。


 事故で世界滅亡の危機になっただなんて、絶対に隠そうとするし。もしかしたらリオも真実は知らされてないんじゃないかな?


 こういったお話は『真実を伝える』ではなくて『いかに都合の良い事を伝えるか』だから、かなり手が加えられて美化されてそうだよね。



 場面が変わった。舞台の前方に4人と1匹の白銀の竜が出てきたよ!2人着ぐるみっぽいのに入って動いてるよ!結構凝ってるなぁ!


 そして4人の中にニーナがいた!見た感じだと魔法使いなのかな?白いローブに杖と腰には剣が下げられている。遠近両方ともにある程度は対応できるタイプの整調者(ピースメーカー)の方を演じてるんだね!


 どうやらこれは討伐隊結成の時のシーンみたいだね。リーダー格っぽい人が決意表明しているよ。



『我々は!今ここに!かつての忌まわしき外の理の者どもの侵攻を阻止した時と同じく!世界中の人々の協力を得た!必ずや!大魔王を討滅し!この世界に希望の光を!』


『『『おおおーーーっ!』』』



 スゴいスゴい!大迫力だよ!かっこいいなぁ〜。



 その後は大魔王の空中庭園へ乗り込むところだ。さっきの着ぐるみではない、大きな白銀の竜の背に4人を乗せて、飛んでるように観せている。


 裏方さんの頑張りが映えるシーンだね!


 一般魔法なのかな?スポットライトとか演出が見ごたえあるよ。



 そして、リオと大魔王の最終決戦のシーンだ。こちらは2人がかりの着ぐるみが大魔王と戦っている。リオ役の2人、息ぴったりだね!演出がスゴくて魅入られてしまうね。


 そして最後の激突だ!当然リオ渾身のブレスによって、大魔王は倒されたことになっており、舞台上のリオは仲間に告げることなく去って行った。


 まぁ、真実はボクとリオしか知らないんだけどね。


 最後にリオ役の人が去る際にこんなセリフを言ってたよ。



『なんとか大魔王を倒すことができたな。しかし、また復活か別の者が大魔王となって立ちはだかるかもしれない。私はこれから世界中をめぐり、そういった悪の芽をできる限り摘むとしよう!さらばだ!仲間たちよ!ともに戦えたことを嬉しく思う!』



『これを持ちまして、当劇団最新作、『大魔王ムーオ討伐活劇 〜英雄たちの軌跡〜』を終了いたします!最後までご清聴、また多大なご声援ありがとうございました!またお目にかかれる日を劇団員一同、こころからお待ちしております!それでは皆さま!さようなら〜!』



 観客全員がスタンディングオーベーションしてたね。いや、確かに大迫力でものすごい見ごたえあったよ!人気出て当然だね!



 観客の皆さんが出ていって、劇場のテント内にはボクとリオだけになった。そういえば上演中のリオ、ものすごくおとなしかったね。



「リオ!凄かったね!直接聞いた内容とはちょっと違ったけど、面白かったね〜」


「············」


「···リオ?どうしたの?」


 頭の上から下ろしたリオ。『へんじがない。ただのマスコットのようだ』って違う!!リオが全く動こうとしない。どうしたんだ?


 

「なんで···、なんでそんな話になってるんだ?誰だよ!?この話書いたヤツは!?カーネも!アイリも!そしてオレも!あんな事!ひとっつも言ってないぞ!!どーなってんだよぉー!?」



 どうやら相当に美化されてしまったようだね。ある意味黒歴史化されてしまったのかぁ。恥ずかしくて顔がめっちゃ真っ赤になっていた。



「リオ。わかってると思うけど、それをこの後の夕食会で言っちゃダメだよ。絶対にライターさんから質問攻めにあうし、話がさらに変わっちゃうからね。この劇はそういうもので、フィクションなんだと割り切ってしまおうね〜」

「うう〜っ!!」



 まぁ、確かにあんなキザなセリフをリオは絶対に言わないからね。解せぬのはわかるけど、ここは割り切ってもらわないと。



「さあ、この後は夕食会だよ!リオお待ちかねのごちそうをいただこうよ!」


「うう〜っ!!」



 こりゃしばらく引きずりそうだね。

 ありがとうございました!

 作者は劇団員ではないですが(笑)


 本文中でも書きましたが、こういったお話は『真実を伝える』ではなくて『いかに都合の良い事を伝えるか』となるものです。

 しかし、観劇している人たちはその事に全く気付いていません。


 これは現実のニュースでも一緒ですし、SNSの投稿記事も一緒なんですよね~。

 ですので、その情報が『真実なのか?または意図して作られたのか?』の判断はあなた自身に委ねられているのです。


 ···って、まじめな話をしましたね。

 安心して下さい!このお話はお笑いなので、肩の力と腹の力を抜いてお気軽に腹筋崩壊していただければと思います。

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