12-2.握手会参加券を賭けたバトルロイヤル!!
すいません!ファミレスで執筆してたら投稿忘れてましたぁ〜!orz
決してトラブったわけではありませんのでご安心ください。
ハンティング家の屋敷でリオの家族にリナとケンを紹介したその夜、ボクたちの家族も一緒に夕食に呼ばれたけども、やっぱり生肉ドーーーン!!だったよ。
見たこともない大きさの生肉を提供されて、リナとケンですらドン引きしていたよ···。もしかしたら、リオの失敗作の料理のほうがマシと思ってるかもしれないね。
うちのフユとナツも困惑していた。ボクだって最初はそうだったんだよ?
さて、こんな事もあろうかと!肉焼きセットを持ってきておいたのだ!!
···っていうか、普段から無限収納カバンに入ってるから、わざわざ用意することもないんだけどね。
まずは生肉の塊を適当なサイズに切り分けつつ、肉焼きセットにかけていった。
相変わらず脳内にあのBGMが大音量で流れ、曲が終わってから一呼吸おいてこう叫ぶんだ!!
「ウルトラ上手に!焼けましたぁ~!!」
「パパ、すっご~い!おいしそうだよ!」
「···じゅるり。ナツも早く食べたい」
「アキパパ!ぼくたちの分も焼いて~!」
「アキパパ!わたしも!!」
「はい、どうぞ~!おいしく召し上がれ~!」
「「「「うんま~い!!」」」」
子どもたちは大満足の様子だ。まぁ、竜モードなら生肉でも問題ないんだろうけど、普段はずっと人型で生活してるからそっちに慣れちゃってるってのもあるしね。
···もしかしたら、リオが某シェフ並みに料理がとんでもないのは、料理という概念があんまりないドラゴン族だからなのかな?ナナなんか包丁握ったら血を見る大惨事らしいし。
ある程度食事が進むと、ハンティング家の皆さんがリナとケンに対して質問攻めをしてきた!
「リナちゃん?リオは家だとどうだい?ちゃんとしてるのかな?」
「う~ん···。魔法を教えてくれたり魔法を使ったりする時はちゃんとしててかっこいいんだけどね···。料理とかはダメな時が多くて、いつもママに怒られてる」
「リオは昔からドジだったからなー。全く変わってないなー。ところで、リナちゃんもケンくんも強い方なのかなー?」
「う〜ん、どうだろうね?アクロにはぼくたちのような子どもっていなかったからね。単独で魔獣をなんとか倒せる程度かな?4人連携したらある程度の強さの魔獣だったら倒せるんだけど、これって強いになるのかなぁ〜?」
「そうなのかー!?だったら十分強いに入るぞー!いっぺん勝負してみないかー?」
「えっ!?勝てるとは思えないんだけど···」
「別に勝たなくてもいいよ〜。どれぐらい強いのか『試す』だけだからね〜」
「おいーー!うちの子に勝負しかけるなーー!!」
···リオは実家でも心が休まらないね。まぁ、ある程度は覚悟してたけども、リナとケンのかわいさにみんなメロメロになっちゃったから、予想をはるか斜め上をいっちゃったね。ボクも想定外だけど。
すると、カトルさんがとんでもないことを言い出したんだ!
「安心しろ。明日はかわいいかわいいかわいいかわいい孫の手形兼握手会参加券を賭けたバトルロイヤルを急遽開催することになったからな!そこで思う存分手合わせしたらいい」
「はぁーーー!?親父ぃーーー!!血迷ったなーー!!」
「何を言うか!こんなかわいいかわいい孫を集落のみなに自慢できるのだぞ!?」
「···あー、もはや話が通じないぞー。みんなー!今すぐ帰るぞー!!」
「そうはいかんぞ!!孫の自慢ぐらいさせろ!親孝行できんのかぁーー!!」
「バトルロイヤルが親孝行なわけあるかーーー!!」
「···パパ?ぼくたちが勝てばいいの?」
「ケン!?確かにそうだけどなー。こんなアホな事に付き合う必要はないぞー!」
「···さっきパパは『本気で魔法放っていい』って言ったよね?ちょっと試してみてもいいかな?あんまりそういう機会なかったし」
「リナまでーーー!?ホントにいいのかー!?」
「はぁ〜〜。まさかこの子たちから言い出しちゃうなんてね。白銀竜の特性も受け継いじゃったようね。リオ、この子たちの好きにさせましょ。ヤバかったらあたしと変身したアンタでなんとかできるでしょ?」
「ナナまでー!?···わかったぞー。ただし、リナとケンに指1本触れた時点で回復魔法が効かないぐらいの消し炭にするからなー!」
結局押し切られちゃったね。まぁ、うちの家族もフォローに入るよ。フユとナツも含めた4人のコンビネーションはボクたち大人でも侮れないからね。
それにしても、意外とリオって過保護なんだよね~。親として子どもを守るのは当然ではあるけど。
グロー歴514年8月1日 晴れ
毎度毎度レジストに来るたびにバトルロイヤルに巻き込まれてしまうボクたち。今回は『リナとケンの手形兼握手会参加券』を賭けた戦いになったよ。
もうなんでも理由はいいんだなぁ。
今回も集落の中央広場には大勢の竜が集まっていて、ボクたちがやって来たら、みんな頭の上に『!!』とハートマークが飛んでいたよ。
今回の看板は『リナちゃん・ケンくん手形兼握手会会場』で、その上に『整理券の配布は終了しました』って貼ってあった。
···バトルロイヤルの文字ないのにやるの?整理券ってどういう事?わけがわからないよ。···そもそも理解しちゃいけないのかもしれないけど。
『りーな!りーな!』『けーん!けーん!』
···前回みたいな殺気はなかったけども、それとは全く違う異様な雰囲気だったよ。
···なんていうのかな?熱狂的なアイドルの追っかけみたいなものかな?何か撃ち落とせるような、バズーカ砲みたいなレンズ付きのカメラが、三脚で立ててずらりと並んで構えている感じ?
もうすでにコールまで決まっちゃってるし。···ホント、この集落の竜たちって濃すぎるわぁ〜。
若干子どもたちが雰囲気に飲まれてるけど、リオから『手加減はいらないから、全力全開で親戚込みで全員あの世に送ってやれー!もう手遅れだからなー!』って思いっきり煽ってたよ。···ボクもそうした方がいいと思えるようになってきたよ。
今回もカトルさんが開会のあいさつをするみたいだね。ただ、このあいさつがこれまでとは全然違ったんだ!
「皆のもの!!今日はうちのかわいいかわいいかわいいかわいいィーーー!!孫の手形兼握手会によく参加してくれた!今回はリオの家族かアキさん家族の誰かを倒したら権利が与えられる!!ただし!!孫のリナとケンは『参った』を言わせた時点で権利を与えるが、ケガさせた時点で『死』あるのみ!!」
「「「「うぉおおーー!!りーな!けーん!」」」」
···毎度毎度皆さん懲りないなぁ〜。これまでボクたちに勝ったことないのにね。
今回は子どもたちから『まずはおれたち4人連携でいけるとこまでやってみる!』とのことなので任せることにして、後半戦はボクとリオで変身して殲滅することにしたよ。
さて、子どもたちはどこまでやれるかな?開始の銅鑼が鳴った!
「じゃあ、みんな!いつものパターンで攻めるよ!」
「了解!まずはわたしからね〜〜!!フルパワーよ!!いっけぇ〜〜!!」
まずはナナがフルパワーで氷属性の『リナ、オリジナルの貫通型』ドラゴンキャノンを放った!!まさかいきなりリナが魔法攻撃をしてくるとは思っておらず、全体の3割ぐらい、射線上にいたドラゴンが巻き込まれ、カチンコチンに氷漬けにされた!貫通型だから肉壁が全く効果ないので、後方のドラゴンは何が起こったのかさえ気付かずに氷漬けにされてたよ。
リナの、あまりにも強力な魔法攻撃に驚いているところで、フユとナツが集団に突っ込んでいった!身構えている状況なら自殺行為だけど、リナに注意が向いている今なら殲滅が可能だから有効な手段だ!
フユが大声を上げながらボク同様に雷属性を付与した魔力剣鈍器モードで、目の前のドラゴンをめった斬りにしていく。ヘイトをフユに集中させた状態でナツが同じく雷属性を付与した魔力剣鈍器モードでバックアタックをしかけていく。
前方からフユ、後方からナツが攻めてきて集団はパニックに陥った!若干冷静だったドラゴンは上空に上がるが、すでに上空にはケンが待機しており、ケンに気づいていないドラゴンは、まさか頭上から攻撃が来るとは思ってなかった!
「はっ!」
「えっ!?ぐぁっ!!」
ケンが魔力剣を思いっきりドラゴンの鼻にぶち当てて撃ち落としていったよ。さらには魔力剣をハルみたいに弾丸にして鼻にピンポイントで撃っていった!
地上ではフユとナツが同時で集団から離れた瞬間にリナの魔法を当てたりと、完全に子どもたちのやりたい放題のまま、バトルは続いたんだ。
···全くなんのコミュニケーションを取らずに連携するって凄すぎない?双子だから連携取りやすいってのもあるんだろうけど、ニュ〇タイプでしょ?完全に。
どんどん中央広場には目を回して気絶したドラゴンや氷漬けになって身動きが取れないドラゴンが積み重なっていったよ。
···もう7割近く倒しちゃってるんだけど?これはボクたちの出番はないかな?
4人連携による蹂躙が始まりました(笑)!
これが子どもたちの本当の実力です。お互いの長所短所を完全に把握し、状況に応じて柔軟に対応しています。ホント、とんでもない子どもたちになっちゃいましたね~。
さて次回予告ですが、このままだと親としての威厳が保てない!と、別の危機感を抱いたアキくんたちが子どもたちとバトンタッチしてバトルロイヤルに自ら挑もうとします。
まぁ、子どもたちは威厳なんて関係なく尊敬してるんですけどね。まったく気づいてない親たちの焦りをじっくりとお届けします。
明日からはGW後半戦!本作も6日まで朝と夜に1話ずつ投稿しますので、お出かけ先や自宅に引きこもってる方、作者のように『仕事ですが何か?』ってな方もお時間のある時に本作をお楽しみ下さいね~!




