11-10.神様からのお祝い そして家族旅行に出発だ〜!
本日2話目の投稿です。今日はここから読み始めたんだ!という方は朝に1話投稿してますので、先にそちらをご覧くださいね!
グロー歴514年7月27日 雨
さあ!来週からみんなで家族旅行に出かけるぞ~!
なんと!2家族8人という大所帯だよ!しかも全員それなりに力があるからね。道中魔獣が出ても対処は可能だし、もし出たら子どもたちに全任せしちゃう方針だよ。
なんせ、経験が全くと言っていいほどないからね。ボクたちが監督するし、最悪ボクが回復魔法使うから大丈夫でしょう。
さて、旅行のコースだけど、まずはレジストに行ってリナとケンをハンティング家の皆さんに紹介するんだ。···バトルロイヤルが始まる前に出るつもりだけど、脱出できるかなぁ~?
次はナナの実家のアイム島だ。転移でも行けるけど、今回も往路だけ船を使うことにしている。船に乗る経験もしてもらう予定だ。···幽霊船とあの巨大魔獣は勘弁してほしいけど。
その後はカイジへ長距離転移してカーネさんとアイリさんに面会だ。ボクはよく会うんだけど、子どもたちを連れて行くのは初めてなんだよね~。
その次は王都リスタへ行って、反時計回りに大陸を回り、ピムエム皇国にも行くよ!パスさんも結婚したようで、お子さんもいるんだよ。次期皇帝だね!
そして、ウェーバー大陸へ船で渡るんだ。今回は渡って終わりかな?学園の夏休みが72日しかないから、ギリギリかもしれないね。行く場所しか決めてないからなぁ~。
···結構先まで予定組んだけど、フラグ立ってないよね?ボクの能力も受け継いだフユとナツもいるから3倍危険度が増した可能性もあるけど···。
その時だ。玄関に誰か来たみたいだよ?
『こんにちは~!お届け物でーす!』
「は~い!ちょっと待っててくださいね~!」
ん~?お届け物?頼んだ覚えはないけど?もしかしてギルドからハルの仕事関係の荷物かな?
「え~っと、アキさんですね?こちらがお荷物で~す!」
「ああ、どうもご苦労様です。確かに受け取りましたよ」
ちょっとだけ重い『段ボール箱』だった。···んっ?···段ボール箱!?エーレタニアには存在しないぞ!?なんで!?
送り状の送り主欄には『謎の流浪の遊び人 エレ』って書かれていた。···もしかして神様?吟遊詩人から遊び人に転職したんです?賢者でも目指すつもりなの?
リオたちの家族も呼んで、うちのリビングで中身を確認すると···、7台のスマホが入っており、うち4つは子ども用だった。それと小さなポシェットと魔力剣が4つずつ入っていた。
そして紙が3枚入っており、うち1枚には
『お子様ご誕生おめでとうございます。遅くなりましたが、ささやかなお祝い品をお送りいたします。今後の旅で大いに活躍すると思いますので有効にご使用下さい。
とても元気なお子様のようで大変ほほえましく見ております。しかし、多少心配な面もあると思われますので、親御さんにもこちらの品をお持ちいただいて、遠くからでも安心して見守っていただけるようにいたしました。
これからもお子様の健やかなる成長を願っております』
···やっぱり、貴様!見ているな!?
どうやら神様からのプレゼントのようだね。2枚目は『納品書』だったよ。···律儀なんだかなんだか。ちなみに請求書はなかったよ。
まずは親用の、ボクと同じスマホが3台と子ども用のスマホ4台だった。そして子供たち用の容量制限付きの収納ポシェット、そして『切れ味制限付き』の魔力剣だ。子どもに持たせても問題はなさそうだね。
3枚目は取説だった。子ども用スマホは元の世界と同じく機能制限付きだったけど、ネットもできないここではあんまり意味がないよ。SNSったって、ちーむッス!しか使えないし。
ただ、ボクの元の世界のデータがクラウドで保存されてるらしく、アニメを見ることもできるようだけど、親の承認が必要になっていたんだ。
この承認は親のどちらかがすればいいみたいで、通知が来るようだね。
ただ···、承認画面の承認ボタンが『承ッ!!認ッ!!!!』ってビックリマーク多すぎ!!
なにも某勇者王の合体変身や究極物理攻撃するわけじゃないんだから、あのアニメみたいにそこまで気合い入れなくても···。
親用にはボクが使っているアプリに加えて地図アプリに『迷子捜索機能』が追加されていて、どこに誰がいるか?まで表示できるようになっていたよ。そしてボクのスマホも知らないうちにアプデされていた。
容量制限付きポシェットは無限に入らないけど、それでもこの家の一部屋がまるっと入るぐらいの容量はあるみたいだ。
そして魔力剣。切れ味制限付きって書いてあって、通常使用では常に鈍器モード、対魔獣戦や誰かに襲われたりした場合に限って切れ味制限解除という安心機能付きだったよ。
···ちょっとチート過ぎる気もしないでもないけど。まぁ神様公認だし、いっか!
「「「「やったー!神様からのプレゼントだー!!」」」」
まぁ、子供たちは喜ぶよね~。···なんだか『某あしながおじさん』っぽいような気がするのはボクだけ?···あっ、ボクだけだわ。知ってるのは。
その後、夕方まで使い方を教えたらすぐに使えるようになっちゃったよ。飲み込み早いなぁ~。
魔力剣なんか、某宇宙戦争っぽく使ってたね。魔力の色は、フユは濃い青、ナツは緑、リナは黄色、ケンは紫だったね。
ちなみに段ボール箱は中身を全部取り出したら真上に飛んでいって消えてしまった···。某かくれんぼゲームの5作目の段ボール箱仕様かよ···。
そんな事をしてたら夕方になったので、ボクお手製の夕食をみんなに食べてもらったよ。
ちなみに今日は『何の肉かわからないけど、ビーフシチューっぽく作ったよくわからないシチュー』なんだけど、お肉がトロトロでおいしかった。
子供たちとナナは大喜びだったよ。···リオ?やっぱり料理苦手なんだなぁ~。まるで成長していない···。
グロー歴514年7月35日 晴れ
持ち物はすべて家族ごとに無限収納バッグに入れて、さあ出発だ!
まずは門から町の外に出て、ナナとケンが青竜に戻って乗せてもらうことになった。ケンにとっては長距離飛行の訓練でもあるんだよ。
ボクたちはナナに、子どもたちはケンに乗って飛び立ったんだ。
「気持ちいいわ〜!ケン!?もっと高く、速く飛んで!」
「姉ちゃん!?無理言わないでよ!?そんな事したらすぐに疲れちゃうよ~」
「リナー!そんな事言うなら自分で飛べー!今から飛ぶ訓練するぞー!まずは人型で飛んでみせろー!」
「ちょっと、パパ!?えっ!?ま、待ってぇ~!」
いきなりリオはケンのところへ飛んで、リナを空中に放りだした!
おおぅ···。獅子は千尋の谷に突き落とすって言うけど、こっちだと『竜は空中に突き落とす』になるのかな?
リナは必死に翼を展開してぎこちなく飛び始めたよ。その斜め下をリオが同じ速度で飛んでいた。
リナからすればちょうど死角になってるんだよ。だからリナ自身は、『助けがない』と思って必死だった。リオのあの位置なら、リナに何かあってもすぐに助けれるね。よく考えてるよ。
結局は20分で力尽きちゃった。すぐにリオが助けに入ってケンに乗せてたよ。
「リオ、お疲れ。どうだった?」
「まー、20分飛べれば合格だなー。オレも30分が限界だしなー。ただ、一直線しか飛んでないから、急旋回とかもやらないと戦いでは厳しいなぁー。これは次の課題だなー」
まぁ、白銀竜だから戦闘向けの飛行しかやらないもんね。それでも自由に飛べたら有利だけどね。
そうしてボクたちはリーク砂漠の手前で昼休憩して、夕方前にはレジストに着いたんだ。
···さてと、今回はバトルロイヤル前に出るぞ!と気合い入れたんだけど、そうは問屋が卸さなかったんだ。
第11章 完
『···ははは。···懐かしいなぁ~。子育ては大変だって本当に思い知ったけど、子どもが成長していくのを見るのは楽しかったなぁ~。···特にうちとリオの子はちょっと特殊だったから、いろいろ手を焼いたんだよね。···そして、本当に立派に成長してこの後大活躍してくれるんだ。···活躍ぶりを見てると、本当に誇らしくなってくるね』
第11章はこのお話で完結なんですが、この10話の間のお話を番外編として明日投稿します。
本当は10話に入れたかったんですが、1話あたりが長くなりすぎちゃうので、その部分だけ抜き出したんですね。このお話もなかなか面白いですよ~!
さて次回予告ですが、番外編として子どもたちがアクロの町にあるシーケンスダンジョンに挑みます!
前回はアキくんとリオくんが酷い目にあってしまったので隠してたんですね~。それがハルちゃんにバレてしまい、せっかくだから連れて行こう!となったのです。
子どもたちは数々のトラップを潜り抜けることができるのでしょうか?
明日で第11章完結なので、朝に番外編、昼にネタバレ集、夜に設定資料集を投稿します。
お楽しみに~!




