11-7.暴れん坊4人組 成長の軌跡 その3 ~子どもたち、お気に入りの武器を決める~
本日も朝と夜に1話ずつ投稿しますよ~!
グロー歴509年3月14日 晴れ
「やあっ!たあっ!」
「···はっ、···ふっ」
「えいっ!とおっ!」
「はあ、はあ、ちょっときゅうけい!やっぱりわたしはぶきにがてだわ~」
「···うん、お疲れ。リナ以外は短剣の扱いが良くなってきた。そろそろ別の武器を使ってみようか」
「やったー!いまのおれならながいけんもつかえるきがする!」
「ぼくもけんがつかえるきがするよ!」
「···わたしはパスかな〜。つかえるきがしないよ~」
「···ナツはこれがたのしい。でも、ほかはつかえるかな?」
「···使う使わないに関わらずちょっとはやるよ。そうしないと、相手がその武器を使ってきた時に相手しやすくなるから」
「おー!そういうことかー!」
「そうだね。ぼくもほかのぶきのほうがいいかもしれないね」
「···え〜〜?しんどそう〜」
「···ま、いろいろためすのもおもしろそうかな?」
ハルの武術はまず、短剣からスタートした。まずは軽めの武器から始めて、身体をどう使って武器を使うのか、そして少しずつ身体を鍛えていったんだ。
4ヶ月弱で身体強化なしで短剣を振るえるようになったよ。やっぱり早いなぁ~。
ある程度こなせたので、今日は他の武器を使ってもらった。順番は片手剣、両手持ちの大剣、杖、槍、斧、鎚、弓、長弓、魔道具の銃だ。
銃以外はそれなりに鍛えてないと扱えない。ヘタしたらケガしちゃうからね。
さて、結果はどうかな?
「やっぱりおれはりょうてでつかえるけんだな!」
「···ナツはさいしょのたんけんでいい」
「ぼくはかたてでつかえるけんがいいけど、このゆみってうつぶきもおもしろそうかな?」
「う〜ん、わたしはつえかな〜?まほうにむいてそう!」
フユは大剣、ナツは短剣、リナちゃんは杖、ケンは片手剣と弓かぁ。ケンの弓はショートボウかな?みんな自分に合った武器を探し出せたみたいだね!
まぁ、まだ幼いんだから、今後成長するにしたがって趣向も変わるだろうしね。
こうして魔法・武器、そしてボクの学業を叩き込まれた4人は目覚ましい成長を遂げたんだよ。
···えっ!?ボクの授業の様子は見せないのかって?···別にいいけど、勉強するところって地味だよ?面白くもないからカットさせてもらうよ。
簡単に言えば、文字については物の名前を実際に書くのと、なんでもいいからその日あったことの日記を書くようにしたんだ。算数は和差積商の順で教えたんだ。積はもちろん九九だね!
あとは筆算の仕方・分数・小数・面積・体積、そして小学生レベルが終わったら数学に入り、負の概念・関数・方程式・平方根・指数までできちゃったんだよ。
理科は自然科学だね。天気・簡単な物理・動植物・温泉地だから化学もね!もちろんボクの専門分野である電気もだ。社会はお金の使い方、ルールなどだ。···これについてはボクも知らないところがあったから、リオやハル、ナナにも助けてもらったね!
そして訓練の息抜きついでに、リオの魔法とハルの武術の使い方について実際に見てもらう目的で、ハルの魔獣退治にも同行させたんだ。
グロー歴509年4月7日 晴れ
「すっごーい!ママつよーい!ああやってまじゅうをたおすんだね!」
「···めでおえなかった。ママはやすぎる」
「···パパっていつもいえじゃだらしなくてママにおこられてばっかりなのに、まほうをつかうところはかっこいい!とってもきれい!」
「パパってすごかったんだな~。まほういがいでもたいじゅつもすごいんだね!むかし『ぴーすめーかー』で、せかいをすくったっていってたのはほんとうだったんだ」
「お前らなー···。パパはかっこいいんだぞー!魔法で魔獣をそれなりに倒せるんだからなー!···家の事は言うなよー」
「···なんか恥ずかしいな。···ずっと見られててちょっと集中が削がれた」
「それでも難なく倒しちゃうハルはかっこいいよ。最高だね!」
「···アキ、子どもたちの前で惚気るのは禁止」
「あっ!ごめんね~。つい思ったことが口に出ちゃったよ。
さて、どうだったかな?みんなが教わった武術や武器の扱い方、そして魔法はこうやって使うんだ。正しい使い方を知っていれば仲間を助けることもできるし、自分自身の身を守ることもできるんだ。
逆に間違った使い方をしてしまえば仲間どころか、無関係な人まで巻き込んでしまうんだ。自分自身の力をどう使うかは自分次第なんだよ。
だから、使う時はちゃんと考えてからにするんだよ。みんな、いいね?」
「「「「はい!!」」」」
「うん!いい返事だね。さあ、今日のハルママのお仕事はこれで終わりだから、帰ってうちで夕ご飯食べていってね!」
「やったー!きょうはアキパパのごはんだ~!」
「きのうもパパのごはんはしっぱいだったから、ぼく、きょうはうれしいなぁ~!」
「···リオ?またやっちゃったの?」
「···今回は何が間違ってたのかがわからないんだなー。塩が入ってた袋の底がちょっと破れててこぼれてたから、あんまり入れてないんだけど、なんであんなに塩辛くなったのかなー?」
「こぼれた分が全部鍋に入っちゃったんだね···。あ~、これは料理技術の問題じゃないからボクでは対処できんなぁ~」
「アキ!?そんな簡単にサジ投げないで!あたしたちの家族の一大事なのよ!?」
「じゃあ、ナナが料理する?いつもボクが教えようとすると逃げるけど」
「···あたしが包丁握ると血を見るわよ?食材じゃなくて」
「···リオと大して変わらないんじゃ?」
とまあ、こんな感じで実戦ではどう使うか?を見せてあげたんだ。いつも4人で組手やったり、リオやハルに相手してもらうだけじゃ単調になっちゃうしね。
···えっ!?庭ってそんなに広いのかって!?ボクがある程度の魔法を防ぐ結界魔法を使ってるんだよ。防音魔法の応用だよ。
そして、この後ついに恐れていた事件が実際に起こってしまったんだ···。
グロー歴509年4月17日 曇
今日もボクは学園で授業を行っていた。今日は物理だね。ベクトルの概念と力の合成をやったんだ。これは実戦でも大いに役立つからね!学生さんも興味津々だったよ!
そんな時だ。ボクのスマホに通知が入ったんだ。···こんな時間に?休憩時間は知ってるはずなんだけど、何かあったのかな?
授業中だったけど、みんなに問題を出して考えてもらっている間にチラッと通知の内容をみたら、ちーむッス!のチャットで、ハルからだったんだ。
『子どもたちが勝手に町を出て魔獣退治に行ってしまった。現在捜索中』
「···ええっ!?」
つい叫んじゃった···。みんなボクの方を見ちゃったけど、すぐに平静を装ってその場を切り抜けた。
···今からボクが帰っても出来ることは少ない。ハルが動いたのなら、リオとナナも動く。今は3人に任せよう。
···やっぱり、こうなったかぁ~。
子どもたちのお気に入りの武器が決まりました。ハルちゃんは一応すべての武器の取扱いができます。本文中でハルちゃんが言った通り、相手の武器の特性を知る事は非常に有利だからですね。
そしてリオくんの料理ですが、成功確率は1割程度です(笑)。もともとドジっ子だったので料理もかなりの確率で失敗してしまうんです。でも、頑張って作ろうとしてるのでイヤイヤながら食べてるんですね。
ちなみにナナちゃんは料理すると本当に血を見てしまうんですが、そのエピソードはかなり先で紹介しますね。
さて次回予告ですが、子どもたちが勝手に魔獣退治に行ってしまいました。果たして無事なんでしょうか!?親たちは大捜索を開始するんですが···
次回は本日夜に投稿します。お楽しみに~!




