11-5.暴れん坊4人組 成長の軌跡 その1 ~訓練開始の回想~
ゴールデンウィーク中は30日~2日を除いて朝と夜に1話ずつ投稿しますよ~!
期間中に暇だなぁ~と思われた方はもう一度本作を読み返していただけたら嬉しいですね~。
今日で4人の現時点での実力は把握できた。あとは経験を積む事で1人前になれるかな?とは思うんだ。
しかしわずか6歳半、元の世界だと7歳半という小学1年生ぐらいなのに一般の冒険者以上の力と魔法と学力を持っているってのはさすがに早すぎるよね?
まぁ、実戦経験がないから戦場ではあんまり役に立たない可能性が高いけどね。実戦はこれから旅すればイヤというほど経験できるし、誰しもそうだったからね!
そんな結果を夜に自室で日記に書いていると、ふと過去の日記を読み返してみようと思ったんだ。4人の成長の軌跡をね。スマホの日記帳アプリにはしおり機能もあったから、印象深い日にはしおりを設定していたんだよ。久々に見返してみるか!写真も添付しているからアルバムを見返すような感じもするしね!
グロー歴508年12月21日 晴れ
今日から学校は3週間の冬休みに入っている。この世界では年末年始は特に関係ないのに『里帰り週間』という行事らしい。帰省ラッシュを思い浮かべちゃうね!
ボクは家でゆっくりと子どもたちと遊ぶことにしようと思ってたんだけど、先に来期の授業の資料作成をしてからでいいかな?と考えて午前中だけ自室で作業していたんだ。
子どもたちは物心がついてきた。自分で『こうしたい!』『ああしたい!』って口にするようになってきたよ。とっても元気に育ってくれてうれしかったね~!
···ただ、そのうれしさにちょっぴり陰りが出てきたのが今日だったんだよ。
ドンドンドンドン!!タッタッタッタ!!カンカンカンッ!!
···ん?何の音だ?屋根からしてるぞ?また大きな鳥でもやってきたのかなぁ~?庭でバーベキューすると、いいにおいに釣られて大型の鳥がやってくることが稀にあったんだけど、昨日はやってないんだけどなぁ~?
···しばらくしたら静かになった。···ホントなんだったんだろう?すると、ボクの部屋のドアがノックされたんだ。
「は~い!入っていいよ~」
「···アキ、作業中ゴメンね。···ちょっとリビングに来てもらっていい?」
「···ハル?どうしたの?」
「···ちょっと私がどう判断していいかわからないんだ。···アキにも見てほしい」
「わかったよ。ちょっとだけ待っててね」
いったい何があったのかな?とりあえず行ってみるか。
そうしてリビングに行ったら、テーブルに棒切れを置いてフユとナツがアザだらけでイスに座っていた。···何があったんだ!?
「···ハル?これって何があったの?」
「···二人で屋根の上で棒切れで遊んでいた」
「···は!?ど、どうやって上ったの!?」
「···どうも身体強化がもう使えるみたい。倍率は低そうだけど、簡単にジャンプして屋根のへりに捕まってそこから上ったみたい」
「···マジ?もう使えちゃうの?フユ、ナツ?さっきは何やってたの?怒らないから正直に話してくれるかな?」
「このまえ、こうえんにさんぽしたでしょ?いいぼうきれをみつけたからふりまわしたくなっちゃったんだ」
「···ナツも。おにいちゃんがぼうきれふりまわしていて、おもしろそうだったからいっしょにあそんだんだ」
「···まぁ、そこはわかったよ。チャンバラごっこはボクも子どもの頃やった事あったしね。でも、なんで屋根の上でやったの?危ないよ?」
「なんかね?ぼうきれふりまわしてたら、ちからがわいてきたの!それでとんだらやねのはしっこにとどいたんだ!だからのぼってみた!」
「···おにいちゃんとあそんでたら、ナツもちからがわいてきた。···おにいちゃんがとんだらやねにとどいたから、ナツもやってみたんだ」
「···ハル、どうも無意識で身体強化魔法を使っちゃってるね。ちょっとこれはさすがにマズいね」
「···うん。これはさすがにマズい。下手したら身体がダメになってしまう。···ちょっと早過ぎるけど、訓練を始めたほうがこの子たちのためになりそう」
「ボクも同意見だよ。魔法はリオに任せちゃおうか?リオの方が魔法を教えるの上手だしね」
「···武術は私が教えるよ。棒を剣替わりに振り回せるんだから、使い方を教えれるし」
「じゃあ、ボクは勉強を教えることにするよ。休日はボクが勉強を教えて、ボクが仕事の日はハルとリオで武術と魔法を教えてあげて」
「···うん。仕事の日以外だったらいいよ。···もしかすると私たちより強くなっちゃうかもね」
「あ~、そういえばハルも物心ついた時には既に剣を握ってたって言ってたね。ふふっ!こういうところはハルに似ちゃったね!」
「···今なら師匠の気持ちがわかるような気がするね」
というわけでボクは二人に回復魔法を使って、その足でリオの家に行ったんだ。魔法を教えてもらえるよう頼みに行ったら···
「ちょっとーー!?リナ!!今!魔法使ったなー!?」
「まほ~?ってなに~?なんかひがぼ~ってでたけど?」
「それが魔法だーー!!オレが使うところ見たことあるだろーー!?危ないからやめなさーーい!!」
「ねえちゃん、すっご~い!なんかてからでたね。まほ~ってぼくもつかえるかなぁ~?」
「···ちょっとリオ!?さすがにこれはマズいわ!せっかくもらったこの家が燃やされちゃうわ!!」
「確かになー。まさか物心ついてすぐで創作魔法使えるとは思わなかったぞー···。これは使い方を教えないと命の危険があるなー」
「そうね。ちょっと早過ぎる気もしないでもないけど、やらないとダメね!アキと協力してなんとかしましょうか」
···リオのところはリナちゃんが魔法を初めて使っちゃったのかぁ~。···なんでこんなタイミングで?うちの子と合わせなくてもいいのにね。
困惑しているリオとナナ、それになんで怒られてるのか全くわかっていないリナちゃんと、自分も魔法が使えるのかワクワクしているケンくんってとこかな?
ちょうどいいや。リオと共同して子どもたちを教育する事について話できそうだよ。
「···話は聞かせてもらったよ。ボクのところも大変な事になっちゃったからリオに相談しに来たんだよ」
「アキ!?ちょうどよかったぞー!リナが炎魔法を家の中で使って危うく火事になりそうだったんだよー!」
「うちも二人とも身体強化を無意識に使って屋根に上ったよ」
「···マジで?アキのところも早過ぎるぞー!まー、神狼族ってこともあるんだろうけどなー」
「うん。リオのところも思いっきり魔力とか受け継いじゃってるよね?そこでお願いなんだけど、うちの子にも魔法を教えてほしいんだよ。替わりにうちはボクが学業を、ハルが武術を教えるって事でどう?」
「おー、そうだなー。特にケンは武術に向いてるかもしれないんだよなー。ハルが教えてくれるなら安心だぞー!こっちからもお願いできるかー?」
「もちろん!···でも、ボクたちが教えたらとんでもなく強くなっちゃうかもね?」
「あー、かもしれんなぁー。大きくなったら旅に出ようって考えてたけど、案外早くなりそうだぞー」
「そうかもね。まぁ、子どもの才能を開花してあげるのも親の務めだし、これも子育ての次の段階だろうね!」
「おう!じゃあいつから始めるんだー?早いほうがいいけどなー」
「今日の昼からにしようか?リオ、魔法をお願いできる?今日の昼と夜はごちそうするよ?」
「よし!その条件で受けるぞー!メシは頼んだぞー!」
「やったー!!今日はアキの料理が2食も食べれるわ!!3日連続ハズレ料理だったから、今日こそはおいしくいただけるわぁ~(泣)!!」
「···リオは料理の勉強も必要かもしれないね?子どもたちと一緒に受ける?」
「えーーー!?そ、それはぁー···。頑張ってるんだけどなぁー」
ははは!そうだったそうだった!この日から始めたんだよね~。
ホントにビックリしたよなぁ~。でも、この時からはじめて正解だったんだ。自分自身でわからないほどのありあまった力の制御ができないってのは本当に危険だからね。
ボクが今務めているアンペル学園のアピアさんが言ってた『力には正しい使い方がある』っていう大事なことを、ここで伝えられたのはよかったよ。···今はボクの先生の先輩になってるけどね!
ちょっと子どもたちのセリフが読みづらいかもしれませんが、物心ついた3歳児なので許してあげてくださいね。
子は親を見て育つといいますが、本作でも子どもたちは親をよく見ています。普段何気ない所作とかもじっくりと観察されていたので、リオくん一家ではもう魔法が使えるし、アキくん一家ではハルちゃんを見て身体強化をしちゃいました。今後は正しい使い方を教えていくことになります。
さて次回予告ですが、リオくんは魔法を、ハルちゃんは武器の扱いについて教育を開始します。
いきなり魔法が暴発しかけたりハプニングがありますが果たしてどうなるのやら···。
次回は本日夜あたりに投稿します。お楽しみに~!




