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【完結済・第6章まで加筆修正完了】アキの異世界旅行記 ~旅先でなぜか変なフラグ立ってトラブルに巻き込まれて···ホント困ってます~  作者: ぷちきゅう
第11章 嵐を呼ぶ幼児たち!涙目になる親たち!

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11-4.暴れん坊4人組の試練 後編

 ···次の試験はナツかな?ナツは卒なくこなしそうな気がするけどね。

 

 

「じゃあ、次はナツ」

 

「···え〜?めんどくさいなぁ〜。···わかったよ」

 

 

 不満を口にしながらもしっかりと構えている。おそらく4人の中で一番成績がいいのはナツだろうね。

 

 フィアーボアの次の群れは7体。ちょっと多いけど、今のナツなら問題ないだろう。

 

 どうやら魔獣を視認したようだね。まずはアウトレンジからの射撃をするようだ。魔力の練り上げは問題ない。あとはどういった魔法を選択するか?だね。

 

 ナツは近くの木の上に飛んで、狙撃体勢に入った。そして、放ったのはアキも得意な土魔法のロックキャノンだ。

 

 ただし、ナツの弾はだいぶ小さい。速度と貫通力を重視しているね。

 

 そして、まずは1発撃った。

 

 しかも、狙ったのは一番うしろの魔獣だ。驚いた魔獣は一斉に後ろを振り向いた。そのスキをナツは見逃さなかった。

 

 今度は一番前を狙った。魔獣は大混乱に陥った。そのスキをさらに見逃さず、狙撃を続けていった。

 

 ···うん。文句ないね。私と全く同じ方法だった。戻ってきたナツは自慢げだった。

 

 

「···これでナツの試験は終わりって事でいい?」

 

「···うん。文句の付け所はないね」

 

「ええ〜!これって後の方が有利じゃないの!?おれもナツと同じ戦法にしとけばよかったぁ〜!」

 

「···それは違う。今日は同じ魔獣だったけど、実際には多くの種類が出てくることもある。状況によってはそれまでの戦法が使えない場合もある。いかに自分にとって有利な状況に持っていくのかが大事」

 

「う〜。じゃあ、いろんな戦い方を勉強する!」

 

「···うん。それが大事。最後はケン」

 

「うん!」

 

 

 さて、ケンはどう戦うかな?次の群れは6体。ケンの実力からすれば問題ないぐらいだ。

 

 ケンはまず、水魔法で魔獣の足元にぬかるみを作った。足をとられて身動きがとれなくなってしまった魔獣に対して速攻で片付けようと、翼を大きく広げて敵へ突っ込んでいき、一閃した。

 

 ヒットアンドアウェー戦法で魔獣の戦力をじわじわと削いでいった。

 

  ···うん。ケンらしい戦い方だね。自由に空を飛べる自分の長所を存分に活かしている。自分の実力をよく把握している証拠だ。

 

 魔獣の行動の自由を奪ったのも見事だ。自分に対して有利な状況を作り出している。十分合格点だね。

 

 

「···お見事。よく自分自身の実力を把握していたね」

 

「うん。姉ちゃんとフユがいい手本になってくれたおかげだよ。ぼくが最初だったらうまくいかなかったと思うよ」

 

「···そう。周りから学んでいくのも大切なこと。今日はここまでだね。みんなお疲れさま。帰ってリオパパの昼食を食べようね」

 

「···わたし、それが一番の試練だと思う」

 

「姉ちゃんの言う通りかな〜。今日は当たりだといいけど···」

 

「おれは楽しみだけどなぁ〜。一応は食べれるもの(・・・・・・)なんだし」

 

「···お兄ちゃんは味オンチだからそういう事が言える」

 

 

 そう言って私たちは家に帰ったんだ。

 

 今日はリオの家で昼食をいただくことになっていたんだ。

 

 

「おー!お帰りー!魔獣とやりあって疲れただろー?今日の昼はオレ特製のパスタ(?)だぞー!」

 

「···あの〜、パパ?パスタはいいけど、具は?見当たらないんだけど?」

 

「おー、それなー。思った以上にパスタが多くなっちゃってなー。底の方にあると思うぞー」

 

「···パパ?ぼくいつも言ってるでしょ?ちゃんと分量はかってよぉ〜。···これは今日はハズレ確定かなぁ?」

 

「まぁ、量が結構あるから食べごたえあるんじゃないかな?いっただっきまーす!···ん?なんだ?この味は···?食べれるけど···」

 

「···ハズレだった。なんでこんなに甘い(・・)の?」

 

「···えっ!?おっかしいなー?···あれ!?砂糖と塩を間違えたかー!?」

 

「ちょっとーー!?アンターー!!何度間違えたら気が済むんじゃーー!!」

 

「わーー!ナナ、ごめんよー!こんなはずじゃ!こんなはずじゃなかったのにぃー!今日は大成功だー!って思ってたのにぃー!」

 

 

 ···今日は午後からリオの魔法の試験だったけど、それどころじゃなくなっちゃったみたい。

 

 ま、慌てる状況じゃないし、明日でいいかな?アキも休みだし。

 

 

  グロー歴512年6月14日 雨

 

 今日はボクが休みだから、子どもたちの世話はボクとリオが担当ね。ハルとナナは久々にコンビ組んで日帰り魔獣退治に出かけるんだって。

 

 ···正直なところ、収入はボクよりもハルの方が上なんだよ。ハルはギルドが手を焼いてしまうような、かなり高難易度の依頼ばかり受けて、しかもすべて成功しちゃうもんだから、報酬が非常に高いんだよ。

 

 ボク自身も結構な高収入なんだよ!?この世界にない知識を教えているから希少価値高いしね!

 

 ···でも、やっぱり生命の危険が高い仕事のほうが報酬がいいのは当たり前だから仕方ないか。

 

 

 今日はホントはゆっくりとくつろぐつもりだったんだけどね。昨日リオが作った昼食が失敗作でナナが荒れちゃったから、今日に変更になったんだ。

 

 ということで、ボクもリオと一緒に試験することにしたんだ。

 

 

「それじゃ、準備はいい?」

 

「あの〜、パパ?今日は雨なんだけど、こんな天気でやるの?」

 

「うん。もちろん!」

 

「···濡れちゃうし、風邪ひいちゃう。パパはそういうプレイがお好きって事で」

 

「ちょっと、ナツ!?そういう事じゃないよ!?」

 

「アキパパはたま〜に何考えてるのかわからないから想定できないわぁ〜」

 

「でも、ちゃんとぼくたちの事考えてくれてるよ?何かあると思うけど···」

 

 

 散々な言われようだなぁ〜。今日はココじゃないんだけど。さて、気分は乗ってないようだけども行くよ!

 

 

「じゃあ、みんなボクにつかまってね!転移するよ〜!」

 

 

 そうしてやって来たのは魔法訓練でおなじみのリーク砂漠だった。雨?そんなものはここにはないから安心だね!

 

 

「えっ!?また砂漠〜!?暑いんだけど!?肌が焼けるぅ〜!」

 

「アキパパ!どうしてこんなところに!?」

 

 

 ふふふ、リナとケンは驚いてるな!一方、うちのフユとナツは呆然としていた。

 

 

「では、これからみんなには魔法のみでリオを相手してもらいます。魔力が尽きるまでね!見ての通り誰もいないし、壊せるものもないから、気にせずにやっちゃっていいよ〜!」

 

「リナとケンは竜気も使いこなせよー。でないと熱中症になるからなー」

 

「ホントに砂漠に連れて来られちゃったわ···。わたし生きて帰れるのかしら?」

 

「姉ちゃん!そんな事言う前に竜気を展開しないと!暑すぎるって!!」

 

「パパぁ〜。ちょっと暑すぎるよ〜」

 

「···なんでパパは平気な顔してるの?汗もかいてないし」

 

「ボク?エアコン魔法使ってるからだよ。砂漠だと魔力消費量が多いけどね」

 

「そんな魔法があるの!?パパ、教えてよ!」

 

「···ここに連れてくる前に教えておくべきだったのでは?」

 

「まぁ、その通りだけどね。ちょっと理屈が難しいから厳しいかもしれないよ?それより、ボクとも魔力共有しているんだから、今回はボクがかけてあげるね」

 

「···お!涼しい!どうやってこんな事ができるんだろう?」

 

「···これはいいね。難しくても習得したい魔法だよ」

 

「じゃあ、帰ったら理屈を教えるけど、できるとは限らないからがっかりしないでね。そうそう、二人とも魔力共有は切ってね。じゃないとボクの魔力使ったら帰れなくなるからね!切ってもエアコン魔法はしばらく継続するからね」

 

 

 ···4人の魔法はすごかった。リナとケンはリオの最強魔法のドラゴンキャノンを撃っちゃったし、しかもリナはリオと同じく属性をさらに付与していたよ。相手してたリオは時折冷や汗かいてたね。

 

 うちのフユは名前のせいなのか、氷系魔法が得意なようなんだ。それで自分を冷やす工夫をしたらいいんだけど、自分ができる冷やし方以外があるって知って好奇心が起きちゃったようだね。

 

 ナツは炎系の魔法を得意としているようだ。特に威力の大きい爆発系魔法を好んで使ってたよ。···元の世界の某小説にあった、1日1発しか撃てない頭のおかしい爆裂娘みたいに奇怪な行動をとらないだけいいかな?

 

 4人とも手加減や遠慮なしに魔法を思う存分ぶっ放しまくって気持ちよさそうにしていたよ。···そう言えば今まで本気で全力で撃たせた事が数少なかったからなぁ~。ストレス溜まってたのかなぁ~?

 

 

「···リオ、どう思う?この年でここまでできちゃうって、ちょっと怖くなってきたんだけど···」

 

「うーん、できるに越したことはないんだけどなー。ちょっと早すぎる気がするなー。あとは使いどころさんだなー。経験がほとんどないから、状況によってどの魔法を選択したらいいかを自分自身で経験させないと、自分自身がケガしちゃうぞー」

 

「確かにね。いくら勉強しても、使いどころがわからなかったら宝の持ち腐れだしね。あとは実戦経験かぁ~。回復魔法使えるから多少の戦闘は大丈夫だろうけどね」

 

「昨日ハルが言ってただろー?連携プレーはできても単独だとかなり危険だってなー。これからは理論じゃなくて実戦を重視するかー」

 

「ボクとしては、それは旅の途中で勉強ってことでいいと思うよ?いい経験になると思うし、ボクたちがついてるからサポートできるしね!」

 

 

 うん、4人の実力は把握したよ。あとはどんどん経験してもらおうね!

 ハルちゃんの試練の後編、リオくんの魔法訓練の様子をお届けしました。

 もうリナちゃんとケンくんはリオくんの最強魔法であるドラゴンキャノンを撃てちゃうってのが恐ろしいですね~。


 そしてリオくんのビックリ料理が登場しましたが、今後はもっと凄まじい料理が出てきます(笑)。どうしてこうなった!?


 さて次回予告ですが、時をさらに遡って子どもたちが物心ついた3歳の時のお話です。訓練開始のきっかけや、子どもたちがどういう思いなのかを4回に分けてお届けします。


 明日からゴールデンウィークですね!本作も暦通り土日祝は朝と夜に1話ずつ投稿します。ちなみに作者はお仕事です。みんなが働いてる日に休んでお出かけするんです。

 ゴールデンウイークも本作をお楽しみに〜!

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