10-18.もしかして、気づいてなかったのかなー?
本日は日曜なので朝と夜に1話ずつ投稿しますね!
新整調者のテリーさんはハルの知り合いだった。って事は、この人は暗殺者って事?確かに適任とは言えないような気がするけど···
「改めまして、私はテリー。そちらのハルと同じく『里』出身の暗殺者です。まぁ、整調者に任命された以上、『お仕事』は休業ですがね。先代様のご武勇は存じております。ここで一度にお会いできるなんて光栄の極みですね」
「そう言ってもらえるとありがたいな。どうやらこちらの紹介は不要のようだね?じゃあ、早速我々が得た情報を提供しよう。今後の活動の参考にしてくれ」
カーネさんとアイリさんがテリーさんに情報を提供した。今回の整調者はムーオの企みを暴くのが目的のようだね。
実力行使に出ていない以上、少数で対応しようって事かな?だから隠密行動が得意な人なんだね。
でも、テリーさんって雰囲気があんまり良くないんだよ。裏切りそうな気もするんだよね。
「ハル?テリーさんってどういう人なの?」
「···私が師匠のすべての技と知識を習得するまでで里では最強だった。実力は保証できるね。···1回私を暗殺しようとしたけども、返り討ちにしてからは襲ってこなくなったね」
「···ハルを襲ったんだ。ボクの敵だね?」
「···もう過去の話。今は大丈夫だよ。···アキだったら絶対に勝てないね」
「···やっぱりそうかぁ〜」
「···それに整調者になってどんな力を貸与されたかがわからないから、今の私でも勝てるかは怪しい」
「そう言えばそうだったね。まぁ、信じるしかないかぁ~」
そんな話をしていたら、テリーさんがこっちにやってきたんだ。
「やあ、ハル。元気そうで良かったよ。冒険者稼業は順調かい?」
「···順調。そしてこのアキと結婚して人生も順調」
「···え?結婚した?そうかぁ~。おめでとう」
「···ありがとう。これから大変だね」
「そうだね~。まぁ、慌てるような話じゃなさそうだからね。のんびりと仕事をさせてもらいますよ」
「···そう、気をつけて」
···なんだかあっさりとしてるなぁ~。まぁ、ハルもそんなにしゃべる方じゃないからこんなものかな?すると、今度はボクにも話しかけられたんだ。
「キミがハルの夫なんだね?あんまりしゃべらないから苦労してるんじゃないかい?」
「···初めまして。ハルの夫のアキです。苦労なんかしてませんよ。毎日楽しく暮らしてますから。ご心配は無用ですよ」
「おお、これは失礼したね。気を悪くしないでくれ。しかし、ハルは雰囲気が昔と全然違ったから驚いたよ。とてもいい関係になってるようだね。同郷の者としても嬉しいよ」
「そう言ってもらえると嬉しいですね。今後もよろしくお願いしますね」
まぁ、普通の対応をしたと思うよ?ちょっとぎこちないのは勘弁してね?相性が合わなさそうだし。
その日は領主邸で1泊することになった。
夕食はテリーさんを除くメンバーで大騒ぎになったよ。テリーさんは情報交換後にすぐ出て行っちゃったからね。
やっぱりリオは全員からいじられていた。その様子は漫才っぽかったから、見てて面白かったよ!リオは不機嫌だったけどね!
そして夜はボクとハル、リオとナナでそれぞれ一部屋ずつ一緒に寝たんだ。
今日も色々あって濃かったなぁ~!ボクがエーレタニアに来てから毎日が濃密過ぎるから大変だよ〜。
でもね?本当に充実した毎日を過ごしているんだ。トラブルは勘弁してほしいけどね!
さて、明日はいったんアクロに帰って一息つこう!3日ほどのんびりとくつろいでから王都に行ってみようね。それじゃ、おやすみなさーい!
···ってこの時はのんびりしようと思ってたけど、考えもしなかった事態がこの後に起こったんだよ。
グロー歴505年3月23日 晴れ
おはよう!今日もいい天気だね〜!
今日の朝もハルと抱き合って気持ちよく眠れたよ。もうハルなしじゃ眠れなくなっちゃったんじゃないかな?そんな体質になったような気がするよ!
さて、今日はアクロに帰ってくつろぐぞ~!昼から温泉三昧だ!ってこの時は思ってたんだ。
「···ん〜。アキ、おはよう」
「うん、おはよう。今日もいい天気だよ」
「···そうだね。今日はアクロだったね」
「うん!いろいろ疲れただろうから、3日ほどのんびり温泉に入ろうね~!」
そう言って、着替えてから食堂へ向かったんだ。
そして、ここでとんでもない事が発覚した!!
「おはようございます。皆さん早いですね?」
「おはようございますわ、アキさんも早い方ですわよ。リオに合わせてると大変でしょう?」
「ははは、まぁ、そこはナナがあの手この手で起こしてますよ。アイリさんからもらったリオの取説を、よくナナが見てましたからね」
「お役に立ってるようで何よりですわ!」
「おー、おはよう!昨日はありがとな!オレとネータはこの後すぐに出発するんでな!今のうちに礼を言わせてもらうぜ」
「オルさん、気を付けて旅をして下さいね!昨日教えたちーむッス!を活用して下さいね」
「あれはスゴイね。アイリたちとも連絡取れるもんね~。こちらこそありがとね~」
「ネータさんもお気をつけて!いつでも気軽に連絡して下さいね!」
「うん!あっ、そうだ。出かける前にちょっと気づいた事を教えておくね~」
「え?気づいた事ですか?ちーむッス!の事ですか?」
「いいえ〜。···ハルちゃんなんだけど、微弱な魔力反応が2つおなかにあるの。双子ちゃんっぽいね~。こんな時から魔力持ってるなんて強い子だよ~」
ネータさんの発言の意味が、最初は理解できなかった。
···え?···今、なんて?···双子ちゃん?···ハルのおなかに?···そ、それってまさか!!に、妊娠しちゃったぁ~~~~!!??
あまりの衝撃にボクは頭が真っ白になった!!
いや、嬉しいことなんだよ!?イベントの成果が出たって事だからね!?で、でも!!え、ええ〜〜〜!!も、もう、できちゃったぁ~!?
「あれー?固まっちゃったね。もしかして、気づいてなかったのかなー?もしもし〜?」
「こら、ネータ!そういう事はいきなり言うもんじゃないぞ!ナナだって双子ができてるんだから、一緒に言ってあげないと!」
「な、な、なんですってーー!?リオたちにも!?あ、赤ちゃんですってーーー!!」
アイリさんもビックリして大声上げちゃった!!食堂は大混乱になったよ!!ボクたちだけでなく、リオたちまで双子の赤ちゃんができちゃってたなんて!!
「···そうなんだ。···アキとの赤ちゃんができたんだ。···それで、私はどうすればいいの?」
冷静なのか無知なのかよくわかってないハルは通常営業だったよ。そしてボクは大混乱中だ!
「ああ!どうしよう!?大変嬉しいよ!!ハル!ありがとうね!最高の気分なんだけどこのまま旅をするわけにはいかないぞ!?家はあるから大丈夫だけどアクロに産婦人科あるのか!?いや、それ以外にも収入はどうする!?いろいろ買わないといけないものもあるだろうけど何買ったらいいんだ!?ボクも初めてだから何もわからないぞ!?誰か経験あって知ってる人はいないかな!?子どもの名前も決めておかないといけないぞ!ハルと相談してかわいいのとカッコいい名前をつけてあげないといけないぞ!?それからそれから···」
「···アキ?落ち着いて。イアさんと同じになってるよ。···何も今すぐしなきゃいけないことじゃないでしょ?···時間あるから一緒にゆっくりと考えようね」
「···ハ、ハル!?あ、ありがとうね。そうだね!まだ時間あるし、ちょっとずつ考えようか」
さすがハルは冷静だよ。ボクが情けないね。ゆっくりと考えて結論出せばいいか。
そんなドタバタの直後にナナと、まだ寝ボケてるリオが食堂にやって来た。
「おはよう~。朝から大騒ぎして何かあったの?」
「···んあ~?···アキ?···なんかあったのかー?」
「おめでたい話なんだよ!!ボクとハルに双子の赤ちゃんができたんだって!!」
「ええ〜!?良かったじゃない!」
「···おおー!?良かったなー!!」
「それだけじゃないよ!リオとナナにも双子の赤ちゃんができたんだって!!オルさんが気付いて教えてくれたんだよ!!」
そしたら今度はリオとナナまで固まった!!···あ~、さっきのボクってこうだったんだ~。他の人を見るとよくわかるね。
舞台裏の楽屋で出番を待っていた子どもたちの我慢が限界を越えて、もう舞台袖まで来てしまいました(笑)。
なんと!一気にレギュラーメンバーが4人も増えちゃいます!さらに賑やかになりますが、今度はセリフ管理が大変になるという、作者泣かせな状況にリアルで追い込まれてしまいます···。
暴れ始めるのは第11章からですので、もうしばらくお待ち下さいね!
さて次回予告ですが、今後の旅の計画は全て中止となり、出産に向けて方針を決めていきます。
まぁ、魔獣がウヨウヨいる世界ですので、万が一があってはいけませんし、何かあったら舞台袖に待機している4人のお子さんが作者を集団でボコボコにしてしまいますから···。
それでは夕方あたりの更新をお楽しみに〜!




