10-12.幽霊船の正体
まったくと言っていいほど情報がない状態で幽霊船に乗り込む事になってしまったよ···。
仕方ないから、さっさと乗り込んで解決しちゃうか。
···変身してレールガンで跡形もなく吹っ飛ばすって手もあるけどね?お客さんや船員さんにバレちゃうから変身は使えないよ。
さて、甲板にはナナが青竜になっていて、ボクたちは船員さんに『とりあえず乗り込んでみるけど期待はするなよ?』と釘さしておいたんだけど···
「やったぁーー!これで···、これで助かったぞーー!!オレ、帰ったらたらふく酒を飲むんだ···!」
って、変なフラグ立てまくられたうえ、もう解決しちゃった気分に船長さんも含めてなっちゃってたよ···。勝手すぎない?高い成功報酬要求してやる!!
「じゃ、早速行こうか。早く解決して昼寝しようね!」
「···そう簡単にいかないと思うけど?魔獣が出たら退治するだけだし」
「お宝あるといいなー!」
微妙に緊張感がないなか、ボクたちは幽霊船に乗り込んだんだ。
さて、幽霊船の甲板に到着したんだけど、思ったより腐食とかが進んでいないね。ボロボロなところは確かにあるんだけど、つい最近まで現役だったような感じがするんだよね。
「···アキ?まずはどうする?」
「魔獣レーダー見ると、めっちゃ大きな反応があるんだよね···。だからこの船自体が偽装で、本体は船底にいそうな気がするんだよ」
「はー、なるほどなー。だから幽霊船見かけたら生きて帰れないのかー。魔獣のエサになっちゃったんだなー」
「···だったら簡単。さっさと魔獣を倒せばいい」
「う~ん。そうなんだけどね?まぁ、いいか。じゃあ、船底に向かってみようか?途中で小物の魔獣もたくさんいるから気を付けてね!」
「···任務了解」
「···すっかり某アニメにハマっちゃってるなぁ~。あのアニメ、女子に人気高かったからなぁ~」
ということで船底に向かうことにしたんだ。道中···、っていうか、船内は魚系の魔獣が結構いたんだ!···なんで海中じゃないのに魚が浮いてるの?過呼吸にならないの?っていう疑問は通用しないようだ!ボクたちを見つけたとたんに突っ込んできた!!
まずはハルが魔力弾で前方から迫る魔獣を掃討した!通路の横からも襲ってきた魚はボクが魔力剣で、リオは体術で捌いていった!
···ふぅ~~。いきなり襲いかかってきたよ。そんなに大きな船じゃないから、戦闘空間も狭いし、やりづらいなぁ~。
そう思いながら下に降りる階段を探した。通常の船のように1区画で階段があって上下移動できる仕様じゃないので迷いやすいね。さすがに地図アプリのオートマッピング機能で迷うことはないけど。
魔獣は最初の襲撃以降は散発的だったけど、大量に押し寄せてくることはなかった。通路が狭いし、横からいきなり出てくるとビックリするから心臓に悪いよ···。
2デッキ分下に降りると、そこには船底の方から天井に突き刺さっている『何かの壁』があったんだ。···これってなんだろう?でも、これから魔獣の反応があるんだよ?
「···なんだろうね、これ?これから魔獣の反応があるんだけど」
「···なにかの体の一部?···だとしたらかなり巨大だよ?」
「···え~?どうやって倒す?」
「···どうしよう?船内からじゃどうしようもないかな?とりあえず外に出ようか?」
そう言った瞬間!!幽霊船が大きく揺れだした!このデカい魔獣が動き出したのか!?···うわっ!?崩れ始めた!?
「みんな!転移で甲板に逃げるよ!!ボクにつかまって!!」
みんながボクにつかまったらすぐに甲板へ転移した!そしてナナに青竜になってもらって、すぐに飛び立った!
真下にあった幽霊船がゆっくりと沈み始めたんだ···。そして!海中から巨大な『何か』が浮上してきたぞ!?
···そいつはデカいサメみたいな魔獣だった!クジラ以上に大きいぞ!?さっきの突き刺さっていたのって、ヒレだったの!?
「リオ!あれって何か知ってる!?」
「いや!あんなデカい魔獣なんて聞いたことないぞ!?」
「···私も聞いたことないね。ただ、この状況はかなりマズいね。私たちの乗ってきた船にぶつけられたら終わりだよ」
「そうだな···。なら、ボクたちが乗ってきた船から引き離すってどう?倒すことができないなら、注意を引き付けて船から引き離してしまえば逃げれるからね!」
「···そうだね。それしか手段がないね。ここで変身したらアキの正体がバレちゃうし」
「よし!ナナ、いったん船に戻って!状況を説明してから作戦開始だ!」
「わかったわ!」
そしてボクたちは船の甲板にいったん戻って状況を説明したんだ!
「···というわけで、ボクたちがあのデカブツの注意を引き付けますから、その間に全速力でここから離れて下さい!追ってこなくなったらボクたちも戻りますから!」
「わ、わかった!アンタたちも気をつけてな!!お前らぁ!!船が動かせるようになったら急いでこの海域から出るぞ!!」
今回は物分かりが早くて助かったよ。さて、問題はどうやって注意を引き付けるか?だね。とりあえず攻撃して怒らせて引き付けるのが一番なんだけど···。
「あれってどこに攻撃したらいいんだろうね?巨大すぎて効くかどうかもわからないけど···」
「···まずはやってみればいい。ナナ、パターンHで。もう少し近づいて」
「はいな!急旋回するかもしれないから、みんな気を付けてね~!」
ハルが先日サーベルウルフ戦でやったように魔力剣を銃替わりにするみたいだ。さらに!銃剣の銃まで出したよ!?片手に2丁ずつ持って4丁で撃つつもりだ!!
「···フルバースト」
かつてないほどの弾幕をハルは撃ち出した!ボクもボケっとしてないで援護するよ!魔獣のヒレに向かって特大の雷魔法を放ってやった!リオもドラゴンキャノンを1発撃ち込んだ!
ドォーーーン!!って大きな音がした!···効いたかな?そう思っていると、魔獣はコチラへ方向転換してきた!どうやら釣り上げれたようだね!作戦成功だ!!
って思った次の瞬間!!魔獣の顔が海面に出てきたんだ!さっきまで攻撃を受けていたヒレが光りだして、しかも口を大きく開けてる!?なんだかヤバそうだぞ!?
「ナナ!急いで上昇!!何か撃ってくるよ!!」
「···!わかったわ!つかまって!!」
予想通り、魔獣は口から極太のブレスをボクたちに向けて撃ってきた!!なんとか上昇して避けることができたけど、薙ぎ払うように左右にブレスを振ってきた!
あ、危なかったぁ~···。ちょっと判断が遅かったら巻き込まれていたよ···。
「ちょっと!?何なのよ!?あんな魔獣聞いたことないわよ!?どうするの!?」
「とりあえず釣り上げれたから第1目標は達成したよ!あとは船から遠ざかる方向へ飛んで!!ハル、後ろをお願い!撃ってきそうならナナに指示して!!ある程度引き離せたら転移で船に戻るから!!」
「わかったわ!後ろはお願いね!!」
「···任務了解。狙撃しながら引き付けるね」
···これはボクが変身しても勝てないかもしれない。超必殺技使ってギリギリっぽいなぁ~。まさかこんな魔獣までいるとは思わなかったよ。
どうやらこの魔獣のブレスはクーリングタイムが必要みたいで、連発はしてこなかった。撃ち出す時も、ヒレが光り始めるモーションが事前にあるので、比較的推測しやすいって特徴があった。
ただ、どうも飛行型の魔獣を生み出せるようで、ブレスを撃たない間はその飛行型魔獣をボクたちにけしかけてきた!そこはハルとリオがドンドン撃ち落としていったよ。
そして船から30kmぐらい引き離すことができた。···1時間以上戦闘していたのかな?ボクたちはそろそろ疲労で限界が近づいてきた。···もうそろそろいいかな?
「みんな!もう大丈夫そうだから転移で帰るよ!」
「ハァ、ハァ。お、おう!もう限界だぞー!」
「···はぁ、はぁ。···そうだね。ここまで引き付ければだいじょぶかな?」
「···あたしも限界よ~。ただ飛ぶだけじゃないから精神的にもキツイわぁ~!」
「じゃあ、いくよ!!」
そうしてボクたちは転移で乗ってきた船の甲板に戻ってきたんだ。船はまた嵐の中に入っていて、暴風雨になっていたんだ。そんな状況なのに甲板には見張りの船員さんが体にロープを巻き付けて待っていてくれた!!
「帰ってきたな!よくやってくれたよ!!さあ!早く船内へ!!」
「えっ!?待っててくれたんですか!?ありがとうございます!」
こうして幽霊船退治はできなかったけど、正体を暴くことには成功したんだ。···あれってどうしたらいいんだろうね?
海の生き物はクジラのようにサイズが巨大です。某最後の幻想10作目の巨大な敵を思い出した時にこのネタが思い浮かびましたね~。
あと、大魔王以外にもアキくんたちがかなわない敵は出したかったです。世の中、上には上がいるもんですからね。
さて次回予告ですが、なんとかナナちゃんの実家があるアイム島に到着することができたんですが、ナナちゃんはものすごく嫌がってました。その理由は何なのでしょうか?
お楽しみに~!




