10-9.合間にひと狩り行こうぜ!!
昨日は最終前の新幹線が40分遅延して本日午前2時前に帰宅したので、起きるのが遅くなって投稿も遅くなってますが、本日も夜に1話投稿しますね!
今日は午前中に昨日閉まってた市場にやって来た。
海産物系が多いね~!その場で生で食べれる魚とかも売ってたよ。相変わらず何の魚なのかさっぱりだけど。
ボクとリオの無限収納カバンは時間停止機能付きなので、保存食とか関係なく買い込んでおいた。焼き魚もおいしいからね~!
もちろん瓶詰めの保存食も購入したよ。結構安かったからオトクだったね~!
昼は市場で捕れたての海産物の定食を食べたんだ。しょうゆないけど、刺身があったね!塩をちょっとだけかけて食べるんだけど、これまた『何の魚かわからない』けどめっちゃおいしかった!久しぶりの刺身に感動して涙が···!
「アキ、どうしたんだー!?いきなり泣き出してー!?」
「いや、違うんだよ。感動して泣いちゃったんだ···。刺身なんて、元の世界で食べて以来だったからね。しょうゆないのが残念だけど、塩だけでもおいしかったよ!」
「···そういえばアキの料理って変わってるものが多いよね?···あれってアキがいた世界の料理?」
「そうだよ。ただ、調味料とかがこっちだと種類が少ないからね。完全再現はできないけど、それに近い味にしているつもりだよ?ハルはいつも『···おいしい』って言ってくれて嬉しいから、今後も再現していきたいなぁ~って考えてるよ」
「へぇ~!いい事聞いちゃったわね。アキの料理が変わってたのは創作料理じゃなくてアキがいた世界の料理だったのね~。珍しいもの食べさせてもらってるわ!」
「レシピは教えるから、ナナも自分で作れるようになってね。いつまでもボクの料理が食べれるとは思っちゃダメだよ?」
「···今ほどハルがうらやましい!って思った事はないわ。あたし手先が不器用だから、包丁握ってお肉とか魚とかさばけるかしら?以前は血を見るような事態になったけど」
「何事も練習だよ?失敗しても食材が消えるわけじゃないし、リオがおいしく食べてくれるよ!」
「···なんだか今も寒気がしたぞー?これも生命の危機を感じ取ってるのかー?」
こうして市場でゆっくり過ごした後、またまた冒険者ギルドにボクたちはやって来た。なにか新着情報はあるかな?
「ハル、どう?何か新しい情報とかあった?」
「···特にないかな?···ただ、急ぎで魔獣討伐依頼があったね。···かなり強いヤツだよ」
「そうなんだ···。明日1日で片付くなら受けてもいいよ?」
「···うん。そんなに遠くないね。···街道からちょっとだけ外れたところに住み着いたみたいで、街道にたびたび出てくるみたい。ちょっと鈍ってきたからいい相手になりそう」
「じゃあ、明日はみんなで魔獣狩りに行こうか!···で?どんな魔獣なの?」
「···サーベルウルフ。冒険者や商人から武器を取り上げて最高の状態に直して、その武器で襲い掛かってくるんだ。···取り上げた武器の強さによって難易度が極端に跳ね上がるんだよ」
「ナニソレ?魔獣の鍛冶師って事?···思ってたのと違ったなぁ~」
「あー、その魔獣は当たりハズレが大きいからなー。魔法剣とか持ってるハズレ引いたら全滅確定だしなー。よほど実力ないと誰も受けないぞー」
「そういうことね。だからこんなに金額が大きいんだね。100万ジールって···。ハズレ引いた時のリスク考えたら微妙だなぁ~」
「···ま、私には関係ないね。···確実に仕留めるから。···じゃ、受注してくる」
というわけで、ハルの日帰り魔獣退治に出かけることにしたんだ。···絶対ハズレだと思うんだよね~。フラグ立てまくってたような気がするし、ボクもついていくんだし···。
グロー歴505年3月16日 晴れ
おはよー!今日はいい天気になったよ!絶好の狩り日和だね。···若干気が重いけど。
ホテルで朝食を食べた後にお昼の軽食をホテルで用意してもらってから街道へ出発したんだ。
出現位置はここからだいたい1時間ほどピムエム皇国への街道の途中だ。来る時はナナに乗せてもらってたから、歩くのは初めてだね!
ゆっくり歩いて1時間ほど、ボクの魔獣レーダーにかなり大きな反応がする魔獣を発見したんだ!···これって、以前変身して戦ったレックスデラックスの強さの反応なんだけど?
「ハル?ボクたちが以前変身して戦ったレックスデラックスぐらいの強さの魔獣が近くにいるんだけど···。かなりマズいような気がするけど···」
「···それぐらいならだいじょぶ。···ちょっと離れて見ててくれたらいいからね。ナナ、『パターンN』で。まずは長距離狙撃でいけるか試す」
「はいな~!ほいっと!」
そしてハルは木の上にジャンプして飛び乗り、そこから狙撃態勢に入った!
···えっ!?今日は魔力剣を使うの?まさか···!魔力剣で弾丸を作って撃ち込むって事!?そんな事までできちゃうんだ···。考えたことなかったよ。
「···そこ」
まずは1発撃った!そして少し間をおいてからさらに今度はもう2発撃ったんだ!
···どうなったんだ?ハルはまだ降りてこない。まだ狙撃態勢のままだ。緊張の時間が続く。
しばらくすると、魔獣レーダーに動きがあった!ゆっくりとこっちに向かってきてるよ!?狙撃に失敗しちゃった!?
次の瞬間!炎の刃が飛んできた!ただ、それはあさっての方向へ飛んで行ったんだけど、どうなってるんだ?
そしたらハルが飛び降りてきた。
「···ナナ、『パターンL』で。···これで決める」
「いっちゃえー、ハル!」
ナナがハルにバフをかけ直したら、ハルがすぐに魔獣に向かって突っ込んでいった!すると『グアアアア!!』って断末魔が聞こえたんだ!魔獣レーダーの反応が消えたよ。ハルが勝ったんだ!!
そして、ハルは仕留めた魔獣を引きずりながら帰ってきたんだ。
···これがサーベルウルフ?2本足で立ってる獣人っぽいんだけど?でも、魔獣レーダーに反応があったから、魔獣なんだよね?
ハルの手には立派な赤黒い色の剣があった。さっきの炎の刃はこの魔法剣の効果だったみたいだね。
···やっぱり魔法剣持ってたよ。リオがフラグ立てたから、普通の冒険者にとっては全滅確定だったんだね···。おお、コワイコワイ!
だけど、ハルはやっぱり強い!!凄腕冒険者なんだなぁ~って思うよね!強くてかわいくてカッコイイ、ボクの奥さんなんだよ!自慢したくなっちゃうね~!
えっ!?この前のバトルロイヤルでも『ボクの愛妻は凶暴です』って自慢してたじゃないか!って?いいじゃん?言葉にしてないから誰からも嫉妬されないし。
さて、参考にどうやって倒したのか聞いてみよう!···ボクには役立ちそうにないけどね。
「ハル?どうやって倒したの?」
「···まず1発目はわざと注意をこっちに向けるためにあえてサーベルウルフの近くの地面に撃ち込んだ。
···次の2発は体の中心。···遠距離狙撃だから的は大きいほうが当たりやすい。···狙撃性能が上がってるから、当たればほぼ致命傷になる。
···苦し紛れに目標を定めず魔剣を振り回してたけど、当たらなければどうということもない。
···トドメは接近して急所を突いて終了」
「はぁ~···。すごいね!それで、これが倒したサーベルウルフの魔法剣かぁ~。なんかスゴイ業物っぽい雰囲気がするね?」
「···いやー、これは魔法剣じゃないぞー?魔剣だなー。サーベルウルフが修繕したとしてもこんなにはならないぞー?」
「えっ、魔剣?魔法剣とどう違うの?」
「まずは呪われてるって事だなー。持ってるだけだったら大半は問題はないけど、使ったらどんな効果が本人に出るかわからないんだぞー」
「えっ!?ハル、大丈夫なの!?」
「···この剣はだいじょぶ。柄の部分は呪われてないから、持ってるだけなら問題ない」
「···ちょっとこの魔獣の体を調べるぞー。···やっぱり魔玉があったなー。しかもあの時と同じ大きさだぞー。だからこんな剣ができちまうんだろうなー」
「え~!?またムーオの手先だったってこと!?勘弁してほしいよぉ~!」
「オレだって関わりたくないんだぞー!?とりあえずギルドに報告するぞー!」
···も~~!なんで関わりたくないのに関わっちゃうのかなぁ~?整調者じゃないのに···。
刺身に涙するアキくんでした。しょうゆがないのが辛いですね~。あとはわさびも欲しいですよね~!
そして緊急討伐の魔獣はかなり知能が高い魔獣でした。難易度が極端に変わるのは非常に相手しづらいですね。今回は激ヤバレベルでしたが、ハルちゃんはあっさりと討伐しちゃいました。それだけハルちゃんが強すぎるって事なんですけどね。
さて次回予告ですが、ついにエーレタニアでの初の船旅に心ときめくアキくんですが、アキ君自身にトラブルが発生します!
まぁ、作者も同じ事が起こったりもするんですけどね。
次は夜に投稿しますので、しばらくお待ちくださいね!




