9-17.リオ、家事の大変さを知る
本日は土曜なので2話投稿しています。
『開花したぞー!久々の花見はたーのしー!桜見ながら宴会して酔っぱらってるから酔い覚ましにぷちきゅうのおバカな話でもみてやるかー!』ってここから今日見ちゃった方!
朝にも1話投稿してますので、そちらを先に読んでくださいね。
「おはよう~、リオ~!入るよ~!」
玄関はカギがかかっていなかった。不用心だなぁ~。まぁ、二人ともドラゴン族だからちょっとした盗人程度だと太刀打ちできないけどね。来たばかりだから家財もそんなにないし。
でも、今後のことを考えるとカギを閉めるよう教育しないといけないね。
リオたちの家はボクたちの家の間取りを左右対称にしたものだった。玄関入って右がリオたちの個室、左側がリビングだね。
さて、リビングにいないって事は寝室かな?まだ寝てるのかな?
そう思って寝室のドアをノックする。
「リオ~?まだ寝てるの~?もう起きなよ!入るよ~!」
そう断ってから寝室に踏み込むと···、ナナはベッドだったんだけど、リオは床を突き破って頭から刺さって逆さまのまま寝ていたんだ···。
···どうしてこうなったの?リオは気を失ってるのではなく、いびきかいてたから寝てるんだよね?もはや寝相が悪いってレベルじゃないけど···。
状況が全く分からずに戸惑っていると、ナナが起きてきたんだ。
「ふぁ~~···。あれ、アキ?ボーっとしてるけど、どうしたの?」
「···いや、おはよう。···リオが床突き破って頭から刺さってるけど何があったの?」
「···あ~、それね。寝ぼけてあたしの上に乗っかかってきたから投げ飛ばしたのよ。ちょ~っと勢いが強すぎたのかしらね?ベッドの外へ出したつもりだったけども床抜いちゃったわね···。アキ?これって直せる?」
「う~ん···。ホームセンターってこの世界にないよなぁ~?工具と材料あれば簡単な補修程度は元の世界でやったことあるからできると思うんだけど···。今日は雨だし外出たくないから明日以降かな?」
「ごめんなさいね~。そういったこともできないから助かるわぁ~。ちょっと資材を多めに買っといた方がいいかもしれないわね。リオが次に何壊すかわかったもんじゃないし」
「···あの~、いくらナナたちの家になったからって、『壊す前提』はやめてくれない?簡単なDIYぐらいは教えるから自分たちでできる限りやってよね?」
「···前向きに検討します」
「···それってムリダナって事でしょ?···ハァ~、気を付けてね」
初日からこれでは先が思いやられるなぁ~、と思ったらリオが起きだしてきたよ。
「う~ん···。首がイタイぞー。···って、あれ?···どうなってるんだー?···ベッドから落ちてるー?」
「おはよう、リオ。床突き破って寝てたんだよ。起きれそう?引っぱりあげたほうがいい?」
「えっ!?真っ暗なのはまだ早朝で暗いからじゃなかったのかー!?···あー、悪いけど引っぱりあげてくれるかー?」
「はいはい。···よっと!」
「おー、助かったぞー。···しかし、なんでこんな事になってたんだー?」
「寝ぼけてナナの上に乗っかっちゃって、怒ったナナが投げ飛ばしたんだって。···ベッドはツインの方が良かったのかな?」
「夜に起こされるのは勘弁してほしいわね!いくら夫婦だからって、いきなりあれはないわー!···心の準備もいるしぃ~」
「えっ?なんだってー?最後が聞き取りにくかったけどー?」
「な、なんでもないわよ!リオはアキに修理の仕方を教えてもらうのよ!また投げ飛ばすかもしれないし···」
「お、おう。元はと言えばオレの寝相のせいなんだよなー?こればっかはどうにもならんからなぁー。アキ、よろしく頼むぞー」
「今日は雨だから明日以降だね。明日は天気は大丈夫そうだけど、お店ってあるのかなぁ~?それも探しに行こうね!」
床はちょっと厚みのある板だったし、同じサイズで切ってはめて釘を打つ感じだから、おっちょこちょいのリオでもなんとかなりそうだよ。
···床はいいんだけど、次はリオが天井に突き刺さってそうな予感がするよ?某魔法少女が魔女に首パックンされた姿のような状況は嫌だなぁ~。天井の修理はボクでは難しそうだし。
元の世界では建物管理もやってたし、簡単な修理はできるからよかったよ。何でも経験しておくもんだね!こうやって死んでからも使えるしね。
今日はリオたちの家の台所を使って朝食を用意してあげた。もちろん、食器洗いは二人にやらせるよ。
そして食べ終わったらまずは家事のイロハを教え込んでいく事にした。具体的には整理整頓・掃除だね!料理は···、ちょっと後回しだね。
まずは整理整頓だ!ボクの無限収納カバンからリオの私物をリビングにドンドン出していった。それを家のあらゆる収納場所へ入れていくんだ。
この時に『何をどこにしまったか?』をメモしておくのが大事だ。『とりあえず押し込んどけー!!』だと、いざ使う時に『どこにしまったっけー!?』ってなるからね。
「···アキー?なんだか心の中でオレの悪口を言ってないかー?」
「気のせいじゃない?ボクは何も思ってないよ」
アブナイアブナイ···。どうして気づいたんろう?まぁ、なんとかやり過ごせたし、いいか!
話を戻して収納の件なんだけど、そう簡単にはいかなかったんだよ···。
リオの私物って、実はほとんどがお菓子だったんだ!!一応テントや寝袋とかもあるんだけど、ドラゴン族だから服ってズボンや靴下とか下半身の服ばっかりで上半身はほとんどないんだよね。
とりあえず使わない服とかはリオの個室に備え付けられていたタンスに入れておいた。
お菓子はとんでもない量だったので、神様から新規でもらったリオの無限収納カバンに移し替えることにしたんだ。外に出しっぱなしだったら腐っちゃうからね。
一方のナナはほとんど私物はなかったんだ。ハルが持っていたアイテムバッグは容量が少なかったから、そもそも持ち歩けなかったから仕方ないね。
う~ん···。イロハのイでちょっとつまづいてるぞ?この先は大丈夫かな?
次は掃除だね!床はフローリングだから、雑巾がけで十分だった。ただ、雑巾がけって走ってやるやり方だと腰に来るんだよね~。そしたらリオが
「あーーー!めんどくさいぞー!床に落ちてるホコリやゴミをまとめて捨てればいいんだろー!?だったら···、これでどーだー!」
って、風魔法を使って小さな竜巻を魔法で作って床のホコリやゴミを吸い上げてまとめていったんだ!へぇ~、そういう使い方はアリだな~。そう言えば元の世界の体験してもらった時に掃除機についても興味津々に聞いていたんだったよ。
···ところが!初めて使った創作魔法だったのか、途中から調整が効かなくなって、まとまっていたホコリやゴミが部屋中に散らばってしまったんだ。
あ~、最初からやり直しだわ。しかもナナが雑巾がけしたところにもゴミが飛んでしまったので、ナナは激おこぷんぷん丸状態だよ。
「ちょっとーー!?なにしてんのよー!せっかくあたしがキレイにしたのにぃーー!!」
「わー!悪かったよー!こんなはずじゃ、こんなはずじゃなかったのにーー!!」
···こうして四苦八苦しながら午前中を過ごして、昼食はリオたちもうちで摂ることにしたんだ。
「···ナナ、アキにいろいろ教えてもらった?」
「とりあえず掃除はなんとかなりそうかな~。整理整頓の方は、そんなに私物が今のところ少ないから大丈夫だと思うわよ。コツは教えてもらったから、あたしでもできそうかな」
「···そう、よかった。···リオと協力していい生活ができたらいいね」
「···あー、『協力』は厳しいかなぁ~?足引っ張られてばっかりだったからなぁ~」
「···さっきは悪かったぞー。オレもできる限り頑張るからなー。家事って大変なんだなー。今日でよくわかったぞー」
「ははは。まぁ、最初は確かに大変だと思うよ。ただ、快適に過ごすんだったら出来るに越したことないしね。今日教えたことが出来るようになったら大丈夫だよ!ちょっとずつ出来るようになったらいいからね。
ナナもあんまり怒らないようにね。リオは確かにおっちょこちょいだけど、なんとかしようと頑張ってるからね。もし何かあったらボクも手伝うから」
「う~ん、アキってリオをそうやってかばうけど、そういう次元じゃないような気がするんだけどなぁ~。多分アキに手伝ってもらう事が多そうな気がするわ···」
確かにそんな気がボクもするけど、それってフラグになりそうなんだよね。だからあんまり考えないようにしておくよ。
リオくんのおっちょこちょいな面がモロに出てしまった回でした。
家事ができない、料理できない···。本当にリオ家は大丈夫なんでしょうか?
ちなみにナナちゃんは家事はできても料理は非常に危険なので、ナナちゃん自身が拒否しています。
その理由はこの先で明らかになりますが、料理がヤバイのではありません。それ以外の理由です。
ホント、アキくんがお隣さんでよかったね!そうじゃなかったら家庭崩壊してますし(笑)。
さて次回予告ですが、床をぶち抜いてしまったため、アキくんたちはホームセンターではなく、工務店に行って材料と工具を調達します。そして今後の旅について相談しますが、今回は明確な目的をもった旅となることが確定します。その目的とは!?
明日で第9章は完結しますので、朝に1話、昼にネタバレ集、夕方に設定資料集を投稿し、夜からは第10章全20話が始まります!
そう、また1日4回投稿になってしまいました!まぁ、6月あたままで毎日投稿が確定してますので、ご安心ください。今第14章書いてますから。
それではお休みなさいませ。よい夢を~。




