9-16.アクロの別荘(新居)を内覧するよ!
本日は土曜日なので朝と夜に1話ずつ投稿しますね!
アクロの別荘は平屋の庭付き物件だったよ。中はどうなってるのかな?
パスさんからもらったカギで門扉と玄関のドアを開けて中に入ったんだ。
···玄関からして広い。入って右がリビングだったよ。8人がけのテーブルにソファもあるよ。
キッチンカウンターもあったし、台所も結構広いね。食器類も一通り揃ってたよ。これはなかなかいいぞ~!
反対側は8畳ぐらいの個室だった。しかも寝室ヘの扉もついてたよ。一人きりにもなれるね。なんと!寝室にはさらに隣の部屋にもつながってるんだ!
ボク個人とハル個人の部屋から寝室ヘアクセスも出来るってことだよ!これはいいね~。
他にも部屋は3つあったよ。しかも廊下に出なくても隣の部屋同士アクセスできるコネクティングルーム仕様だった。···スゴイね。元の世界のリゾートホテルや最新のフェリーの上級クラスの部屋みたいだよね!って、ここアクロもリゾート地だったよ。
そして個室の反対側、つまりリビングのお隣が温泉仕様のお風呂場だ!!
脱衣所も広いし、洗い場と2つの浴槽も広かったよ!なんと!2種類の温泉が引いてあるんだよ!?ひとつは硫黄泉でもうひとつは···、炭酸塩泉と硫酸塩泉かな?わずかにヌメリがあるね。どちらも3人入っても広々としてたね。気分次第で両方入ったり片方入ったりできるよ。最高通り越して究極だね!!
しかも窓が大きくて、開けるとアクロの温泉街が一望できるんだ!最高のロケーションだよ~!
いいのかなぁ~?こんないい家もらっちゃって?これでまだ安い方らしいけど···。皇国って金持ちだね。後でパスさんにチャットでお礼書き込んでおこうっと。
さて、リビングに戻ってきたら、さっきは気づかなかったけどテーブルの上に薄い本が置いてあった。
···『薄い本』って聞いただけで変な想像した人はまさかいないよね?もちろん家の取説だよ。当たり前でしょ?見えるところに置くわけないじゃないか!
さて取説を読んでみると、何かあった時の連絡先一覧と、家の一般的な使い方と浴槽の清掃方法、そして給湯配管の洗浄作業の予定日一覧が書いてあった。
そう、温泉は不純物を多く含んでいるから定期的に高圧洗浄しないと配管が詰まっちゃうんだよ。特にカルシウム成分が非常に厄介なんだよね~。
ここは硫黄泉だから硫黄の塊が出てくる可能性が高そうだね。···水魔法で高圧洗浄やるのかな?
後は大浴場は常に足元の窓を開けて換気することが注意書きであったよ。硫化水素は毒だし空気より重いので、足元や空の浴槽の底に溜まりやすいから当然だね!
とりあえず内覧は終わった。リオ夫婦はどうだったかな?しばらくしたら二人ともこっちの家にやって来たよ。
「すっげー家だったなー。使いこなせるか自信ないぞー···」
「ホントいい家だわ!ただ···、あたしもリオも家事はまったくダメなのよね~。···大丈夫かしら?」
「慣れたらそんなに難しくないよ。ボクが教えてあげるからね!」
「頼むぞ~、アキ!そうそう、料理もできないから、当分はこっちで食わせてくれよな~!」
「···いいけど、食器洗いはしてもらうよ?ちょっとずつ仕込んでいくからね~」
「お、おう。よろしくお願いするぞー」
「リオ、頑張ってね~!」
「···何言ってるの?ナナもやらなきゃダメ。夫婦で協力することも大事」
「···は〜い。···ハルも言うようになっちゃったわね。これも愛の力?」
ということで、食事だけはボクの家で一緒に食べることにして、リオたちの家には温泉の湯の調整でボクが伺う事になった。
さて、夕食の前に温泉の準備をしておこう!浴槽に溜まるには結構時間かかるからね!今日はリオとナナもうちで入ってくことになったよ。
まずは源泉のみを入れていく。かなり高温のようだね。ちょっとずつ川から引かれた水で冷やしていく。うん、こんなものかな?
それじゃ夕食だ!今日は庭でバーベキューだよ!肉焼きセットを使ってたらふく肉を焼いていったんだ。
庭でバーベキューって、やってみたかったんだよ!これはいいわぁ~。
さて、夕食も終わってリオとナナは食器洗いだ。ボクがやり方を教えてあげると、渋々やっていたよ。
さあ、それでは待望の温泉だぁ~!!
4人一緒に入っても全く問題のない大きさだったよ。ありがたいなぁ~!
「ふぅ〜。最高だわぁ〜。まさか自宅に温泉だなんてね〜。元の世界でも考えられなかった天国がここにあるよ〜。
···もしかして天国かな〜?かわいくてカッコいい奥さんもいるしね〜。って、ボク1回死んでるから本当に天国なのかもね〜」
「···アキは温泉に入るとおっさんくさくなるね。横で聞いてると恥ずかしくなるよ」
「身内だけだからいいじゃん。それに元の世界では本当におっさんだったしね~。ハルはどう?温泉気持ちいいでしょ?」
「···うん、気持ちいいね。なかなか入ることないから新鮮な感覚だよ」
「ボクの奥さんになったからにはお肌スベスベになってもらうからね〜。温泉をしっかり堪能してもらうよ〜。覚悟しといてね~!」
「···お手柔らかにね」
「ナナはどう?なかなかいいでしょ〜?」
「そうね。あたしも入ることは少ないんだけど、アキの言う通りにしたら良いわぁ~。これはいい事知ったわ」
「まー、アキは温泉に関しては情熱がスゲーからなー。じっくりと楽しめるぞー」
「そのようね~。あたしもお肌をスベスベにする方法を教えてもらうわよ~!」
「いいよ~!ふたりまとめてスキンケアは任せろ~!」
結構長いこと入ってたんじゃないかな?もう気分最高!だったので、何度も入っては出て休憩して···、を繰り返したよ。
そして風呂あがりにちょっと飲み物を飲んで涼んだら、リオたちは家に帰っていった。ここからはハルと二人っきりだね。
リビングのソファでゆったりとくつろぎながら楽しく話をした後、寝室で一緒に寝ることにしたよ。
おやすみなさーい!最高の環境だったので気持ちよく眠れそうだよ~。
グロー歴505年3月3日 雨
おはよう!今日もいい天気···ではなく、雨模様だ。あいにくの天気だけど、今日は出かけずにリオの家で家事の仕方を教育するんだ。
ある程度は自分でやらないといけないからね。『ゴミ屋敷』って呼ばれるのは身内だから避けたいってのもあるけど。
まずはハルが起きるまで身動きせず、一緒に抱いたままの状態でいる事にしている。ハルが起きたら抱くのをやめて一緒に起きるんだ。ハルが気持ちよく寝てないとダメだからね。
ただ、ハルは『そんなに気にしなくてもいいんだよ?』って言うけどね?そうはいかないじゃない?レディファーストだよ?
そしてハルが起きたら一緒に朝風呂に行くんだ。温泉は使用量関係なく入り放題だから、湯はかけ流しにしておいたんだ。これは『湯面に浮いてるゴミを追い出す』という衛生的な意味もあるんだよ。
朝風呂はさっと熱めの湯に浸かって眠気を取るのが目的なんだ。長々入ると湯疲れしちゃうからね。これから毎日入れるんだから、こういう気遣いは大事だよ。
朝風呂の後で朝食だ。リオの拠点にいた時と同様、ボク特製の朝食をハルに召し上がってもらってる。
えっ?ハルは料理しないのかって?ボクがいるから別にいいんじゃない?ハルも『おいしい』って喜んでるんだし。リオとナナは別だよ?
朝食後、ハルは家でゆっくりと過ごしつつ、先日神様からもらった魔力剣の使い方を習得すべく、室内で研究するんだって。
ボクはリオたちの家に行って家事の教育をするんだけど···。家の中がとんでもない事になっていたことにこの時は気づいてなかったんだよ···。
本作で初めて絵を投稿してみましたが、うまく反映されてるでしょうか?
Excelで適当に作ったので、縮尺とか考えてませんが、だいたい雰囲気がわかっていただければいいかな?と思います。
本気でやるならAutoCAD使うんですけど、家にないんで無理でした。仕事場で描くわけにもいかんし···。JWCADはクセありすぎて使い勝手が悪いので、使いたくなかったってのもありますが。まぁ、そこまでする必要ないんですけどね。
家は作者が理想とする家そのままです。
しかし!温泉付きの家は利用権と配管の高圧洗浄代が結構高いところがほとんどなので、一般人には手が届きにくいものです。
本作は架空のお話なのでそんな費用は考えなくてもいいし、実際に費用はピムエム皇国持ちです(笑)。
湯舟を2つにしたのは、硫黄泉は赤ちゃんには肌への刺激が強すぎてオススメできないからです。
硫酸塩泉と炭酸塩泉は刺激がほぼないので赤ちゃんでも安心して入ることができるんですね。
さて次回予告ですが、リオくんの家に行くと、アキくんはとんでもない惨状を目の当たりにしてしまいます···。入居初日なのにいったい何が起こったのでしょうか?
あとはリオくんが家事に奮闘します。一人暮らしの時は適当にしていたので、大変な目に遭うのです···。リオくん、頑張れ!
次回は本日夜あたりに投稿しますので、お楽しみに!




