9-1.リオの拠点に戻ってもトラブルがあったよ~
本日の朝に第8章が完結したのでネタバレ集・設定資料集も投稿し、さらに日曜なので本編を2話投稿するマイルールのため、なんと4回目の投稿です!
『こんな投稿ペースで大丈夫か?』『大丈夫だ。問題ない(GW明けまでストックあるし)!』
ということで、ここから第9章全18話をお届けしますね!この章は作者が最高にフルテンションで書いたお話で、今でもお気に入りなんですよ~。是非とも楽しんでいただければ幸いです。
グロー歴505年2月23日 晴れ
おはよう!いい天気になったよ。
今日の予定はパスさんが準備でき次第ホテルの部屋に来てくれるんだ。そして、その場で出国手続きをしてからボクの転移でインシュ山脈を越えて、レオナード王国のリオの拠点に飛ぶんだ。魔力は足りないから蓄魔の腕輪を使って転移に必要な分だけ回復しておいた。
拠点に戻るのはほぼ1年ぶりだね。ボクがエーレタニアに来てもうすぐ1年かぁ~。かな~り濃い毎日だったよ。···トラブルだらけで精神的には疲れた事が多かったけどね。
さて、現在は午前10時。そろそろかな?と思ったらノックされたのでドアに向かい、開けたらなんとエビスさんとヒズさんもいたんだよ!
「えっ?もしかして···お二人もついて来るんですか?」
「いや、私は見送りだよ。転移がどんなものかを見たいというのもあるがね」
「私は陛下と皆様の出国手続きのために参りました。お見送り次第、城に戻って不在となる陛下の仕事の代理をしなければなりませぬので···」
「それは···、お疲れ様です。わざわざお越しいただいてありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそ陛下のわがままを聞いていただき、ありがとうございます。なにせ、言い出したら言う事を聞いていただけませんので···。これで多少胃痛が収まるでしょうから、私からも感謝いたしますよ」
「···苦労されてるんですね、ヒズさん」
「···わかっていただけますか?アキ様は私の良き理解者となっていただけるようで感謝いたします」
「じゃあ、ヒズ!手続きをお願いね。私が留守の間は任せたわよ!」
「仰せの通りに。···これで皆さまの出国手続きは完了いたしました。陛下のお守りをよろしくお願いいたします」
「途中までですが、承りました。ヒズさんも体に気を付けてくださいね」
「お心遣い感謝いたしますよ、アキ様」
「パスよ。気を付けるのだぞ」
「ええ、百も承知よ!さあ、行きましょう!アキくん!よろしくね~」
「はい。それじゃ、行ってきます!」
「ありがとなー。お菓子はゆっくりいただくからなー!」
「···世話になったね。別荘はありがとう」
「大変だったけど、いい思い出になったわ!また会いましょうね!」
「じゃあ、みんな。行くよ~!」
ボクは地図アプリでリオの拠点をタップして『はい』を選択した。その瞬間に景色が変わり、ちょっと薄暗い掘っ立て小屋みたいな景色に変わった。
···懐かしいなぁ。リオの拠点に戻ってきたんだ。
「···ここがリオの拠点ってところ?」
「そうだぞー。おれが整調者になる前から使っていた場所だなー」
「そういえば、リオってレジストから結構離れた場所に一人暮らしだよね?何か理由があったの?」
「あー、そういえば話してなかったなー。知っての通り、オレは一族の中で変わっていて、魔法メインだったから狩りに行けなかったってのは知ってるよなー?
そうなると集落で居場所がなくなってしまうんだよなー。だからちょっと旅に出て一人暮らしをしながら好き勝手に生きようと思ってたどり着いたのがココだったんだなー」
「そういうことだったのかぁ~。リオも苦労したんだね」
「いやー?そんなことなかったなー。気楽に過ごしてたから、むしろ楽しかったぞー!」
「アンタも大変だったみたいね~。あたしも似たような環境だったから共感するわね~」
「へぇ~。ナナもそうなんだ?そういえば青竜の集落ってどこにあるの?」
「この大陸じゃないわよ?海を越えた先にあるアイム島っていうちょっと大きめの円形の島よ。最寄りの港から船だと3日ぐらいかしらね?私で10時間ぐらいかかるわね」
「なるほど~。海を越えないといけないから飛行が得意なんだね」
「そういうことになるわね~。まぁ、戻る気は全くないけどね。理由は···、ちょっと聞かないでくれるとありがたいかな?」
「じゃあ、やめとくね。もしボクたちが行くことがあれば『ナナは最高の相棒を見つけて元気にしてます!』って伝えとくよ」
「ちょっと!?それもやめてほしいんだけど!?」
「···でも、私もナナの故郷って見たいな。機会があったら乗せてってね」
「···あ~、わかったわよ。その時にね」
「うふふ、ナナさんの身の上話は初耳ね。いい情報を得れたわ!もちろん国には報告しないわよ」
「個人情報なんで勘弁して下さいよ~」
···やっぱり二人の時よりも五人になるとわちゃわちゃするね。でも、楽しいなぁ~。こういうのもいいよね。
さて、今日はここで1泊してからアーマチュアの街へ向かおう。ナナが乗せてくれるので、あっという間に着きそうだね!
ちなみにパスさんはカイジの町へ行ってカーネさんとアイリさんと会談するんだって。だからカイジまで一緒なんだ。
今日は久々のキャンプ飯だよ!ギアさんにもらった肉焼きセットで、まずは『何の肉かわからない』串だ!これがおいしいんだよね~。
もちろん、ウルトラ上手に!焼けましたぁ~!3本同時に焼けるから時間がかからなくて便利だね!
肉串の後は鍋だ!ボレンで仕入れた海産物を入れた鍋だよ。やっぱり肉焼きセットで鍋を作ったらおいしさがハンパない!
今回もウルトラ上手に煮込めましたぁ~!ほんのり塩味が効いて、素材のうまみが感じられるね!ホント、いいものいただいちゃったなぁ~。
いやぁ~食った食った!トベルクのホテルでの料理も良かったけど、こういったキャンプ飯もおいしいね。
お腹いっぱいになって、ちょっと雑談してから寝ることにしたんだ。そしたらパスさんがとんでもない提案をしてきたんだよ···。
しかも、それがみんなにとって『人生を変えてしまった』、思いもよらない展開になってしまうとは、この時のボクは思っていなかったんだよ···。
「ボクたちは外でテント張って寝るよ。部屋は女性陣で使ってね!」
「そう言わずに一緒に寝たらいいんじゃない?お互い気の合う仲間だし、キミたちは悪さしないでしょ?」
「するわけないでしょ!?でも、さすがに異性と一緒ってのはちょっと···」
「あら~?アキくんって喜ばないのね?紳士なのはいいことだけど、こんな機会そんなにないわよぉ?遠慮しないで一緒に寝ましょうよ!」
「パスさんはいいかもしれないけど、ハルとナナはダメに決まってるよね!?」
「···別に問題ないけど?むしろ何が問題?」
「別にいいわよ~。問題になるような事にならないんだしね~」
「···えっ!?二人とも、ホントにそれでいいの?」
「···もしかしてアキって、元の世界では独身だったのかしら~?」
「···!た、確かにそうだけど···。それって関係ある!?」
「大いにあるわよ。つまり女性との経験がないって事よね~。まぁ、そういう事をするんじゃなくて、ふとん別で一緒に寝るだけなんだから、まずはそれで慣れていきましょうね~。せっかくの誘いを断る男は嫌われるわよ~」
「···かなり抵抗あるんだけど、わかったよ。一緒に寝るよ」
「わかればよろしい!さて、ハル!今日は楽しい夜になりそうね!」
「···?言ってる意味がよくわからないけど?どういうこと?」
「それもアキと一緒に教えてあげるわよ!」
···なんだろう?宿場町で泊まる時と同じようなトラブルに巻き込まれた感があるぞ?
気の合う仲間同士なんだけど···、なんだか嫌な予感がするのはボクだけ?
ちょっとしたリオくんの過去のお話が出ましたね!実は構想として、本編完結後の番外編でリオくんの過去のお話を書こうかな?とも考えています。まだ書いてないですけどね!本編が先なので···。
そしてナナもワケアリのご様子ですね。この先で里帰りする予定ですので、その時に真相は明らかになりますよ。
そして今回のトラブルは身内が引き起こしました!このパターンは初めてですね~!
なんと、狭いリオくんの拠点で男女5人で寝ることになってしまいました!
さて次回予告ですが、一緒に寝ることになった5人ですが、どういった並びで寝るかで大モメになります!当然とんでもないトラブルが起こってしまい、アキくんは元の世界も含めた人生の中で最大の危機を迎えてしまうのです···。
絶体絶命のピンチを迎えてしまったアキくんはどうなってしまうのでしょうか!?
明日から29日までは平日なので1日1話、21時過ぎあたりに投稿します。
お楽しみに~!




