7-19.今日も魔獣漁に出かけるぞー!
こちらが本日投稿分になり、第7章完結です。
早朝に1話投稿してますので、お昼休憩だからここから見ちゃった!という方は1つ戻ってから読んで下さいね!
グロー歴505年2月16日 晴れ
今日で魔獣漁2日目。さて、今日はどこのスポットにお邪魔しようかな?
昨日は町から近い2か所のスポットで大漁だったので、今回は少しだけ沖に出漁だ~!
完全に釣り気分で魔獣討伐に出かけてしまったよ。思っていた以上に効果的だったのは嬉しい悲鳴だ。
ただ、この方法って普通の魚にも被害が出ちゃうんだよね。でも町の人によると、結局魔獣たちが食べちゃうから大して変わらんよ!って言ってくれたのが救いだったよ。
さて、漁スポットに到着した。今日も先攻はボクだ。昨日と同じ規模でアーク放電を放ってやる。
そしてすぐさまリオが炎の矢を海面に打ち込んで終了~。じゃあ、次のスポットへ移動だ!って思ったら、魔獣レーダーから警報通知がやってきた!
大物が海中から海面に向けて移動してきているようだ。ようやくボスとのご対面だね!
さて、ここでボスとの対決方法だけど、さっきとほとんど変わらない。雷魔法を撃ち込んで、すぐさま炎の矢を放って水素爆発を起こさせる。
しびれて弱っているところをハルが魔力弾を撃ち込むけど、おそらくその程度ではくたばらないだろうから、ボクとリオの魔法で追撃するって作戦だ。
···万が一それでも退治できなかったら変身して一気に叩く!ただし、その場合は変身前に転移して別の場所で変身してから元の場所に飛んで戻るっていう事をしないと身バレしちゃうからね。
だから、ここからは攻撃はリオにお任せする。ボクまで参加しちゃうと転移ができないからね。
ドパーーン!!ってボスの巨大なイカが登場した!若干黄色味がかってるなぁ。3回攻撃してきそうな気がするよ。
「リオ!作戦通りでお願いね!」
「おうよ!いっくぞーー!!」
まずは先制攻撃だ!リオの昨日開発したばかりのライトニングキャノンをぶつけてやった!やっぱり海の魔獣には雷属性は特効だね!ボスの状態を確認する前にリオは炎の矢を放ってボクたちは急速離脱する!
ズドーーーン!!
昨日と同程度の大爆発が起きた!これで生きているっていうのも信じられないんだけどね。この世界の魔獣ってとんでもない生命力だよ。
やったか!?っていうフラグは建てないよ!生きているという前提で次の攻撃の準備に移る。
水煙が晴れると、大ダメージを与えてはいるが、生きていたよ!ただ、体の至る所で再生が始まっているようだ。しかもかなり速いぞ!
「リオ!ハル!集中砲火して!!」
「おうよ!これでどーだー!!」
「···うん!フルバースト!」
二人の魔法攻撃が浴びせられているけど、さっきの爆発の威力にはどうしても劣ってしまうなぁ。再生の速度を帳消しにしている程度だよ。
···やっぱり変身した方がいいかぁ~。おそらくこうなるだろうなぁ~とは思っていたけど、思った時点でフラグ建ってたか。しょうがないね。アリバイ工作を始めるとしますか。
「リオ、やっぱり変身しよう!一気に決めるよ!」
「おう!じゃあまずは転移だなー!アキ、よろしく!!」
「うん!じゃあハル、ナナ。ちょっとだけこの場をお願いするよ!」
「···わかった。変身楽しみにしてるね」
「どんなかんじになるのかしらね~。ここはしばらく大丈夫よ。頼んだわ!」
というわけで転移した先は先日までキャンプしていたところだ。ここなら誰もいないから変身を見られることはないね。
「じゃあ、いくよ!リオ!」
「おうよ!せーの!!」
「「インテグレーション!!」」
瞬間的にまぶしく光った後、白銀竜の着ぐるみを着たボクはすぐに転移で元の場所に戻った。
「···おお、これが合体魔法か。···ちょっとかわいいね」
「···なんで着ぐるみなのかしらね?でも、見た目はともかくとんでもない魔力を纏っているわね。恐ろしいぐらいだわ···」
···やっぱり最初に見るとそういう感想になっちゃうよね。仕方ないじゃん!そういう仕様なんだから!
気を取り直して、ボスのイカはボクを敵とみなして睨みつけている。
まずは雷魔法を体に纏い、コロナ放電レベルまで電圧を一気に上げて体中が青白く輝きだした。
魔力剣を5mの長さで切れ味MAXまで魔力を込める。剣の光が紅色に変わり、さらに雷魔法を纏わせてバチバチ放電し始めた。
準備が完了し、ボクは一気に急降下!まずは大上段から剣を振り下ろして真っ二つを試みるが、残っていた6本の足をまとめて防御してきた!
足は全て切り落とせたけど、本体にはギリギリ届かなかった。攻撃モーションが終了したところでイカはスミを吐いてきた!
マズイ!と思ったらリオが物理防御の障壁を目の前に張ってくれて難を逃れた。助かったよ、リオ!
いったん離脱し、体勢を立て直す。イカはその間、再生に注力してこちらを攻撃してくることはなかった。
切った足の再生が速い!さっきの防御では切れて使用できなかった足4本がもう再生完了していた。
これじゃあイタチごっこだよ···。こっちは時間制限あるってのに、悠長な攻撃は意味がない!だからと言って超必殺技は悪手だしなぁ~。
···だったら、突撃してみるか。突撃して体に穴を開けてやってからみじん切りにしてやればいいか!
「リオ、今から突撃して体に大穴開けちゃおう!そしてみじん切りにしちゃおうか」
『おう!アキは料理が上手いからなー!おいしく調理してやれー』
「ご期待に添える料理になるかはわからないけどね。じゃあ、いっくぞーー!!」
ボクは魔力剣をバリアバッシュの形状にした。ただ、今回は先端を銛のように尖らせて最初から貫通目的で展開する!
そして、突撃の体勢をとってから一気にイカへ突っ込んでいった!!
あまりの速さでイカは対応ができず、ボクは無防備なイカの体に突き刺さり···、大きな抵抗はあったけど、そのまま背中へ貫通した!!
そして振り向きざまに居合い抜きで雷属性の斬撃を飛ばした!体を貫通したせいか、イカの防御力が明らかに下がっていて斬撃が体を横に真っ二つにした!
今がチャンスだ!ボクはもう一度イカに突撃して、今度は魔力剣を3mの長さで切れ味MAXで全身を切り刻んでやった!!
防御力の落ちたイカは気持ちいいほどスパスパ切れていった。すると、体の中心あたりに光る玉があったんだ。
「リオ、これなんだろう?魔獣ってこんなのがあるの?」
『これは魔玉だぞ!!ムーオの配下で幹部クラスの魔獣にはこれがあったんだけど、こんな大きさは初めて見るぞ···』
「ってことは、これもムーオの仕業って事だね。ホンット迷惑だなぁ~。で、どうしよう?」
『叩き壊すんだ!これが残ってたら別の魔獣がボス化してしまうぞ!』
「了解!じゃあ、これで終わりだぁーー!!」
パッキーン!!
魔玉は破壊されると、黒魔力が噴き出してきた!それが周囲に散ってしまうと何の変哲もない石になってしまったよ。
ふぅ~、終~わりっ!!さて時間もないし、光り輝きながら森へ飛んで行って、それから転移でハルたちのところに戻ろう!アリバイ工作アリバイ工作!って犯罪じゃないよ!?
変身を解いてすぐに転移でハルたちのところに戻ったんだ。
「···おかえり。格好はともかく、スゴかったよ。お疲れ様」
「なんで着ぐるみなのかは気になるけど、すさまじかったわね!これで任務完了ね!今日は祝勝会をやりましょうか!パーッと飲んで食べて楽しみましょうね!」
「あの~、格好は言わないで下さいね。ああしたくてなった格好じゃないんでね。祝勝会ですか、いいですね!!ボクも今日は飲むぞ~!!」
「アキ、まだ邪法かかったままなんだから酒はやめた方がいいぞー」
「···そういえば、なんだか変身前とちょっと違う気が···。あれ?···あるぞ。やったぁーー!!戻ったぁ~~!」
「おおーー!やったなー、アキ!別の意味でお祝いだぞーー!」
「うん!やったよ!!はぁ~これで安心できるよ」
大型魔獣討伐に加えてボクは男の子に戻れた!2重の喜びで舞い上がったボクは、その日の祝勝会でまた記憶をなくすぐらい飲んじゃったんだ···。
翌朝、3人から穏やかな目で見つめられたよ···。いったい今回は何したんだろう?
第7章 完
『ああ···、ドタバタなリオの帰郷だったね。今思えば···、楽しかったように思うよ。···当時は、必死だったからね。
···そして女の子かぁ。ビックリしちゃったね。···見た目は変わらなかったけど、胸が大きくなったのは本当に勘弁してほしかった気がするなぁ。
そして、ハルとナナとの初めての出会いか···。この後、今のボクの年までお付き合いになるとはこの時は思ってなかったね。
···この旅では本当に素晴らしい出会いが多かった。ボクの一生の財産になって良かったよ···』
第7章、いかがでしたでしょうか?
バトルあり、アキくんが期間限定で女の子にされちゃったり、新キャラのメインヒロインが出てきたりと、バタバタした感じがしてましたね!
次の第8章はついにピムエム皇国に着いて、そこでもトラブルが発生します。ただ、若干ギャグは抑えめでちょっぴりマジメ系のお話になっています。
しかし!アキくんらしさは変わりませんので、ご安心下さい。
このあと夕方頃にネタバレ集、夜に設定資料集を投稿します。
そちらもお楽しみに!




