7-4.リアルストリートファイト!開催前夜
今日は日曜なので2話投稿しますよ~。
グロー歴505年1月28日 晴れ
昨日の試合の後、ボクはリオの部屋に泊めさせてもらった。
部屋と言っても壁がないので仕切りもないけどね。藁が敷き詰められているだけの空間だったよ。
リオはいいとしても、さすがにボクにはキツイので、キャンプ道具出して寝袋で寝ることにしたよ。
そしたらリオも人型になってテントの中で一緒に寝ることにしたんだ。
翌朝、朝食も生肉ドーン!だったので肉焼きセットをお借りしてウルトラ上手に焼かせてもらった。
だけど、朝から肉ってキツイよー!元いた世界では朝からステーキなんて函館の『日本一豪華な朝食』で食べたぐらいだよ?
今日も朝から隠れて胃にこっそりと回復魔法を使って労ってあげましたよ。
さて、今日はリオと一緒に集落の見学だ。もちろんリオは集落の竜達と同様に竜モードになっていた。
昨日は一直線にリオの実家へ行ったから他はあんまり見てないんだよね〜。
そしたらだよ?皆さんから試合を申し込まれまくったんだ!
どうも昨日の試合が派手過ぎて音と光でみんなただ事ではない!と感じたらしくて、通りかかる竜たちみんなから『あれは何だったんだ!?』と質問攻めにあってしまったんだ。
それが9割近かったかな?残りの1割はやっぱり嫁扱いだったよ···。
そんなにボクって嫁に見えちゃうのかな?女の子に間違われるのは仕方ないんだけど、どうしてそうなっちゃうのか···。それだけリオと仲良く見えるからだと思うんだけどね。人と文化が違うのかなぁ〜。
とりあえず、昨日の激闘で魔力がまだ完全に回復してないから!という理由をつけてその場を凌いだんだけど、みんな『じゃあ、明日ね〜!中央広場で待ってるよ〜!』と、勝手に日時と場所を指定されてしまったよ。
変な盛り上がりになってきたので、さっとその場を立ち去った。
これじゃあ逃げられないね。100人組手やるの?10分じゃ相手できないよ〜!
悪いけど、某流派の全体攻撃と全体マップ攻撃で終了にさせてもらおうっと。全員相手してたら何日かかることやら···。
集落は結構広いんだけど、それはみんな竜モードで生活しているからだった。家も全部平屋だからね。竜の大きさで2階建てはムリだよね。
お店はなかったよ。基本的には自分たちで狩りに出て食料調達し、それができなかったら他の竜から余りをわけてもらう生活なので必要がないからだ。
だからお金は集落の外に行く時だけしか使わないんだよね。集落の人が外に行くのはほとんどないそうで、ハンティング家は大量に狩っちゃうから、よく外に出るみたいだね。
ただ、その時も集落に帰る前に日用品とかいろいろ物々交換してるらしいので、めったにお金は使わないそうだよ。
リオの言う通り見どころは特になかったね。まぁ、観光地じゃないから当然だけどね。
その土地に暮らす人達の生活ぶりを見るのも旅の楽しみのひとつなんだけど···。
ここでは会う竜から試合を申し込まれてしまうんだ。某格ゲーのように街中で試合ってのがここのしきたりなのかな?全員に『昇竜〇』お見舞いしようかな?
そして夕方、リオの実家に戻ると、いつの間にか集落での試合の申し込みの話が皆さんにも伝わっていたんだ!
···いつの間に?しかもなんだか大事になっていたんだよ。
「···明日だが、中央広場でバトルロイヤルすることになった。明日は狩りを中止してみんなで参加して盛り上げるぞ」
「父さん!気が利くじゃないかー!今度こそはリオを倒すぞー!」
「久々じゃないの?バトルロイヤルなんて。何年ぶりかなぁ?」
「オレはパスしていい〜?昨日の疲れがとれないまま今日の狩りはハード過ぎたよ〜」
「もう!ティガくんったら情けないこと言うんじゃないの!私たちハンティング家は集落の代表なんだから参加は強制よ。集落のみんなに示しがつかないじゃないのよ?でもまたリオくんと試合できるのはいいわね!今度は集落のみんなも一緒だから数の暴力でねじ伏せれそうね!お母さんもやる気十分よー!こうしちゃいられないわ!明日はバトルロイヤルに集中したいから今のうちに明日の食事の仕込みをしとかないといけないじゃない!ああ忙しくなるわぁ〜。アキくんには申し訳ないけど今から明日の分の食事の仕込みと素材の剥ぎ取りをしなくちゃいけないの!ゴメンナサイね〜」
···初めて最後までイアさんの話が聞けたよ。
いつもは途中でなに話しているか分からなくなって、とても相手にできないから流していたんだけどね。
皆さんも最後まで聞いちゃいないようだね。もう慣れてるからかな?
ってイアさん?今さりげなく『数の暴力』って言いましたよね?ひょっとしてボクを集団リンチにして泣かしてやろうって作戦なのかな?ちょっとえげつない考えにドン引きしたボクだった。
ただ、バトルロイヤルって言っても実質『ボクとリオVSレジストの集落全員』って、昨日以上に酷い内容だよ!これはまともに相手できないぞ!?
しかもこっちは10分の制限時間付きだよ?明日終日バトルロイヤルやるって話だから、これは勝ち目がないわ。
···いや、あることはあるんだけど、それやっちゃうと集落の家が全滅しちゃう上に漏れなく魔獣が大量に襲いかかってくるという地獄絵図になっちゃうから使うわけにはいかないんだよね。
さて、どうしようか?
「リオ、これってボクたちが負けないと終わらせてくれなさそうな気がするんだけど?」
「むしろ、全滅させる気でいくぞー!立ちはだかる敵は殲滅するのみだー!」
「···なんだかスゴくやる気満々だね。何かあったの?」
「いやー?特になにもないぞー?ただ、ドラゴン族としては『強いヤツ』と相手するのが好きなだけだからなー」
···某野菜の人みたいな戦闘民族なんだね、ドラゴン族って。よく人の中で生活してる竜がいるね?所構わずケンカしてそうだよ。そこは弁えてるらしいけどね。
とりあえず、どうしようか?全員を相手にするのは、ハッキリ言ってムリだ。こっちの魔力がもたない。
昨日の試合で蓄魔の腕輪の魔力は使い果たしてしまったので、ストックは今日の魔力だけだ。
あまりにも少なすぎる魔力で効率よく倒すにはまとめて一気に倒すぐらいしかないんだよね。
そんな簡単におびき寄せられるとは思ってないからある程度は撃ち漏らしてしまうなぁ。
···結局いい案は浮かばなかった。そりゃそうだよ?それができれば苦労しないんだもの。
もう仕方ない!出たとこ勝負だ!やるからにはそう簡単にやられたりしないぞ!
ただでさえ勝ち目が薄いドラゴン戦が、実質1対100人以上という、ある意味某無双シリーズっぽい内容になってしまいました。
これね?皆さん悪気はないんですよ?純粋に『戦ってみたいなぁ~!』っていう欲望を純粋に出しちゃっただけなんですよ。まぁ、悪気なかったらいいんかい!って話ですけどね。
アキくんはドラゴン族すべてが戦闘狂だと思い込んでしまってますが、そんなことありません。確かにそういった人種(竜種)は多少はいますけど、温厚で怒らせたら怖い!って人がほとんどなんですよ。
それぞれのドラゴン族によって特色があるのですが、白銀竜は戦闘狂が非常に多いってだけです。
今後別の種類のドラゴン族も登場予定ですので、どういった特色があるかはお楽しみに!
さて次回予告ですが、もう半分ヤケになったアキくんは変身して一気に倒すべく無双します!
アニメやゲームの技をたくさん駆使して戦う姿をお楽しみ下さい。
次回は本日の夜に投稿します。




