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予約でしか入れないカフェ

作者: アラベル

ある日の休日、オシャレなカフェに1人でお昼を食べるべく向かった。ネットでの口コミを確認すると、そのカフェは評価がかなり高く、いつも客が絶えないほどの人気店らしい。ド田舎から引っ越してきた僕はイキリたい気持ち満々で意気揚々と車を走らせその店へと向かった。


店の駐車場に着くと、そのカフェで食事を終えて出てきたと思われるカップルがいた。そこで少しムカっとしたが、それは仕方ない。僕が彼女がいれば、そんな事でいちいち感情が揺さぶられることはなかっただろう。僕自身の器の小ささが出てしまったが、そこは一つ飲み込んで駐車場から店へと向かう。みとけよ、今度は彼女を連れて来てやるからな(生まれてこの方彼女ができた事がない)。


店内はお昼を少しすぎていたが満員の客で賑わっていた。コーヒーが好きな僕は胸を躍らせてドアを開けた。

ドアを開けるとコーヒーのいい香りが身体中に駆け巡った。なんて最高なんだ!身体中の空気という空気全てがコーヒーの香ばしい香りに入れ替わり、さながら僕はコーヒー人間である。文章のテンション感で伝わっているだろうが、僕の気持ちは最高潮まで駆け上がった。

すると店員が奥から出てきて忙しそうに、いらっしゃいませよりも先に一言、「少しお待ちください」。客がひっきりなしで来るため、席を空けるために片付けをするので待っていてください、ということかと思い、より期待が膨らんだが、次に店員から言われた一言

「予約はしておりますか?」



、、、?????僕の頭にはクエスチョンマークが大量発生した。カフェに入るのに予約が必要なのか、、、?

勿論、都心の大人気店であれば予約が必要な店もあると聞いた事がある。それがもしかしたら普通なのかもしれない。しかし都心ほどではない、何なら少し田舎寄りのお店で予約が必要なことにとんでもなく驚いてしまった。カフェってテキトーに入っても余裕で座れるものじゃなかったの?しかし、その考え方というのは僕の中での小さな世界で作られたちっぽけな常識だったのである。常識が一つ変わった、進化した瞬間だった。それでもまだまだ小さいんだけど。


僕は自宅へととんぼ返りし、コンビニの安いコーヒーと弁当を購入しお昼ご飯を済ませた。

それもそれで、普段仕事で疲れている僕には最高のお昼を過ごすことが出来た。

身の丈にあった生活も、やっぱり悪く無いよね。


彼女を作ってリベンジマッチです。

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― 新着の感想 ―
[一言]  田舎なればこそ流行りモノに群がる人が多いのでは。 何ヶ月か経てば入れますよ、きっと。
[一言] 最近なんでも予約ですよねぇ。美術館も予約無しだと入れなかったりしますが、ふらっと入りたいですよねぇ。
[一言]  お疲れ様です……行きたい店は事前に調べておかないと、ですね。(自分の場合はそもそもやってなかったが多かったです!)
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