3*「い、いけません!そんなこと・・・・・・出来るはずありませんわ・・・・・・。」
「ったぁ・・・・・・。」
ここどこよ?
「姫、ご無事ですか?」
「姫?誰が?私が?」
すると私の顔を覗き込んだ人がくるりと違う方向を向き、叫んだ。
「ドクター!ドクター!!姫様が、打ちどころが悪かったみたいですわ!」
え?どうなってんの?
ファンタジーとかであの、ピカーどぴゅー、ドサッってやつ?
えっと、だから本の世界に飛んじゃった・・・・・・みたいな?
って、ことはバッドエンド小説の主人公、テアーヌ姫に私がなっちゃったってこと!?
やーだあぁぁぁぁぁあああ!!
と、とにかく落ち着け私。
「やだ、ごめんなさいね。私なら平気ですわよ?ほら、このとうり。」
立ち上がろうとするとコルセットの重さときつさにふらつきそうになった。
「姫様!本当に大丈夫なんですの?」
「ええ、少しふらついただけですもの。」
ここはいったいいつなのだろう。
テレッケンとは出会ってないのだろうか。
手紙は送られてきてないのだろうか。
「ねぇ、最近おかしなことは起こっていないかしら?ロビアンスがゆすられていたりとかはしないわよね・・・・・・?」
「姫様、いつそれを!!」
ふーん。手紙が来た初期って訳なのね。
「やっぱりそうなのね。それで、相手はなんと?」
「く、詳しいことは聞いておりません。ただ、脅迫のような手紙が届いたと・・・・・・王様がたいそうお怒りになられたとかで・・・・・・私一同は姫様には言わないようにと口止めをされておりました。申し訳ございません、姫様。」
「いいのよ、それよりコルセットが少しいつもよりきついのではないかしら。」
「いいえ、いつもどおりでございますよ。さぁ、姫様、先生がお待ちになっておられますよ。」
そして夜10時過ぎまでみっちりレッスンをされ、終わった頃にはズタぼろだった。
おなかが気持ち悪い・・・・・・ウエストが・・・・・・自分の頭と同じくらいしかない・・・・・・。
こんなんじゃ、体の形だってかわっちゃうよ。
でも、もう一つやらなくてはいけないことが。
メイドに尋ねると扉をノックして入った。
その人は頭を抱えてうなっていた。
「・・・・・・お父様。」
「おお、テアーヌか。」
「隠さないで。私、もう知っているんです。ロビアンスが危機に瀕していることくらい。」
「それをどこから!!」
「私がメイドをわなにかけました。」
「そうか・・・・・・あれほど言うなといったのに。」
「お父様、私、戦争は反対です!いくらお父様でも戦争をなさるというのなら私は賛成いたしかねます!!」
「そういうと思ったよ。われわれももう少し考えてみるがね、いざとなれば仕方なくなるだろう。そのときにお前が動いてしまったら困るのだよ。」
そして日に日に警備が厳しくなっていった。
やばい、これは相当怒ってる。
もう爆発寸前だ。
早くテアーヌを旅立たせないと。
そして本に書いてあった通りにしたけど、本の中みたいに簡単なんかじゃなかった。
これをスリリングとか言ってるテアーヌってスゴイ。
結構肝が据わったお姫様だったのかも。
城を抜けると森へと急いだ。
よってくるこじきに心をとめてる暇なんかなかった。
一国もこの国を早く抜けなければつかまってしまう。
えーん、何で私がこんな目にー?
とか思ってながらどっかでテレッケンがどんな人か少し楽しみだった。
今まで文字でしか表現されなかった人物が目に移るんだ。
バッドエンドだけど!!
セリアンに出会うと私のイメージどうりの人で、本と同じことを言って私をかくまってくれた。
でも、変なことが起こってる。
どうしてテアーヌの顔が以前の私のまんまなんだろう。
黒くて長かった髪は金髪に変わり、肌は白くなっても顔つきは昔の私のまま。
変だなぁ・・・・・・。
ふっとなれた頃に丘の上に行くとテレッケンが居た。
あれ?
今日出会う日だったんだ・・・・・・?
ああ、一回戻ろう。
「そこのお方。」
えっと、確かせりふが・・・・・・。
「あ、あの・・・・・・おじゃまするつもりはなかったのですが・・・・・・。」
「ココの近くに住むところがおありですか?」
「え、ええ、ありますわ。」
「あなた様は平民より身分がお高いご様子で。ここらはロビアンスの領地では?」
「え・・・・・・?そんな、私はただの凡人ですわ。ええ、ここはたしかにロビアンスの領地です。ところであなた様はどちらからやってこられたのですか?」
「セントアー。」
「まぁ!セントアーですの!?」
「やはりこちらにも伝わっているのですね。セントアーがロビアンスに戦争を・・・・・・。」
「ええ。よく。」
「そうですか。」
そして大体本と同じように話は進み、なんとなくテアーヌがルイスにほれた理由が分かった。
やさしく、平和主義で、肉食でもなく草食系男子ではないってことだ。
その場の雰囲気を変えてしまう。
なんとなく、空気でシャナがすきなんだろうと伝わってくる。
って、なんでどきどきしてんの?私じゃないんだよ?
惚れたのはテアーヌであって私じゃないのに、なんで私がこんな気持ちになんなきゃいけないの・・・・・・。
見えてる最後はもう決まってる。
見えてる世界は死しかなくて。
なんで、こんな気持ちになるんだろう。
私、変だ。
絶対変だ。
ある日、私とルイスは再び丘に登った。
そして物語りどうりにはなしていると物語の台詞ではないことをルイスが口にし始めた。
「君はとても、聡明で美しいね。」
私が?顔は私であって美女のテアーヌなんかじゃないのに?
「そんなばかな!!・・・・・・と、失礼いたしました。」
「もし、私がテレッケンだといったら、シャナ、君はどうする?」
「わ、笑えませんわね。」
「君は本当に平民なのかい?」
「ええ。」
どうしてこんなこと聞くんだろう。
こんなシーンあったかな?
「私はね、シャナ、君が好きなんだ。」
え?ま、待って、いきなりすぎるよ!だって私はシャナでもなければテアーヌでもないのに・・・・・・。
許されないよ。
こんなこと。
私も、テレッケンが・・・・・・好きかもしれない・・・・・・なんて。
「一緒にセントアーにこないかい?」
「い、いけません!そんなこと・・・・・・出来るはずありませんわ・・・・・・。」
そうだよ。私は莉伊南であって、シャナでもなければテアーヌでもない、この世界の住人じゃないんだから。




