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2:別れと出会い
「君の昔のご主人様の城から君宛ての手紙が見つかったけど要る?」
「殿からの手紙?貰う」
殿……私が、いや私と桜が今目の前にいるジャックという男に拾われるまで、生涯の忠誠を誓い、仕えていた存在。
私は今でこそ21世紀の日本と呼ばれる祖国に似た国でアイドルをしているけど、元々の本業は密偵から暗殺、戦における遊撃兵の役割を担う忍びの一人だった。
その祖国が滅びたからここに居るのだけど。
理由は異世界に住む知的生命体を絶滅させ、その世界の資源を根こそぎ奪い取る賊の仕業だ。
私達二人は全滅は避けろと言う殿の命令でその情報をもたらしてくれた存在に仕える事になった。
そう、それが私達二人とジャックの出会いだった。