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俺はコノ世界の主人公

 クロマのあの赤い玉に当たってはいけない…アレに当たれば神から貰った、馬鹿みたいな力が俺から無くなり完全に勝ち目がなくなる…。


「ハハハッ『神の呪縛』を食らえ!!」


 クロマはその赤い球を容赦なく俺に向かって投げつけてくる。


「おっとあぶね!」


 俺はとにかくクロマに集中してその『神の呪縛』という魔法で作られた赤い球を避ける。


「ハハハハッ!タケロー君。僕の『神の呪縛』ばかりに集中していないかい?」


 バチチチチチチチチ!!!


 クロマの左手から黒い雷が俺に向かって放たれる。


 ズザアアアアアア!!


「うわぁああああああ!!」


 俺はその黒い雷が直撃しその場で全身が痺れ倒れ込んだ、すさまじい威力だ。


「コレで少しは、大人しくなってくれたかな」


 クロマ倒れている俺に言いながらはゆっくりと近づいて来る…


 相手は油断している…。まだ俺には少しチカラ残っている、俺はクロマが近づいてくるのを待った。


「…ここだぁああ!」


 俺は叫びながら素早く起き上がり、クロマに渾身のアッパーを決めに行く。


 ドォオオオオン!


 俺のアッパーはクロマの顎に当たりクロマはその勢いで吹っ飛び倒れ込む。


「ちっ!まだこんな力を持っているのか!本当にしぶといやつだね!!」


 クロマはそう言って少しゆっくりと立ち上がろうする。


「ここで決めてやる!うぉおおおおおお!!」


 俺はここでクロマを立ち上げさせてはいけないと思い「絶対に攻撃の手を休ませてはダメだ!」と心の中で覚悟を決めた。 物凄い早さでクロマに飛びかかり、そして俺はその勢いで、必殺の飛び回し蹴りを当てる!


 ズドオオオオオン!!


 完全に俺の飛び回し蹴りがクロマの顔面に直撃し、クロマは地面を滑るように倒れた。


「だが、まだ油断はできないよな…」


 ピッと俺は口の中で血を吐き、膝が地面つきそうだがなんとか俺はクロマに近づく。


 そのときクロマがパッと俺の方を向いた!


「凍れ!」


 油断と疲れで俺は不意をつかれた、クロマはばっと起き上がり、氷の魔法で俺の足を凍らせる。


「くそ!やばい…」


 足が完全に氷で固まってしまい、俺は身動きが取れなくなっていた。このままだったらあの『神の呪縛』が当たってしまう!やばい!


「ようやくだよ!ようやく、私の計画が完成するんだよ!コノ世界に私の力を示し!そして神として崇めて貰うんだ!君たちは本当に本当に邪魔な存在なんだよ…」


 クロマはそう言って立ち上がり、プワァアアっと赤い玉を手から出す。あれは『神の呪縛』だ。なんとかしないと!俺はクロマに向かって叫ぶ。


「そんなことをしてもお前は神になれない!お前のその力は邪神なんだよ!」


 俺はクロマに向かって無我夢中に叫んだ!

だがクロマは俺向かってこう言う。


「うるさい!キミには元の身体に戻って貰う!神に授かる前の!この世界から前の身体に!何もない力に!」


 シュウウウ…


 赤い球が俺の身体に当たり。そしてドンドンその赤い球が俺の体内の中に入っていく感覚があった。クロマはニタニタ笑いながら喋る。


「さて、どうなるのかな…」


 クロマは俺の凍らした氷をわざと溶かす。まるで実験を試す様な顔つきでクロマを俺のみてくる。


「がはっ!」


 俺は口から大量の血を吹き出し、倒れ込む。


「…やべぇ…足の感覚が…」


 俺はそして、思い出す、前の世界にいた時のことが、あの病弱で車椅子の生活をしていた暗い過去のことを。


「ハハハハ!なんて惨めな格好なんだい!なんで神はこんな奴に力を授けたんだ!」


 クロマはそう言って大声で笑い出し、俺の顔を踏んづける。


ズガッ!


「どうだい?タケロー君?気分の方は?キミも所詮はなんの力も持たない存在だったんだよ!」


 ドォオオオオン!


 クロマは俺の事を蹴り飛ばした。


「ぐはっ!」


 俺の身体は全く動こうとしない。


「さて、まずは手始めにこの島を破壊するか」


 クロマはそう言って上空を見渡すが。


 ガシッ!!!


「ん?なんだ?」


 カガミがクロマの足を掴んでいた。


「お前は…僕等、主人公が倒すラスボスなんだよ…」


 カガミはボロボロの身体でクロマにそう言った。


「なんだい…力が無く利用ができない無能の癖に!」


 ドン!ドン!ドン!!


 クロマはカガミを顔を何度も何度も踏み続ける。カガミの顔はもうぐちゃぐちゃだったがクロマ向かって言う。


「絶対に…離してたまるかぁ…」


 カガミは絶対にクロマの足を離さなかった。


「全く、本当に諦めが悪いんだね!」


 バチバチバチバチ!


 クロマはそう言って、手に黒い雷を溜めだした。


「これで、キミは終わりだよ。」


 クロマがそう言った時。


 ザッ


クロマはその音に対して俺の向いて言った。


「ん?なんだ?」


 俺は何故か立ち上がっていた。クロマ驚き隠せてなかった。


「なぜだ?なんで立ち上がっている!!キミは足が動けないはずなんだろ!!」


 クロマは驚き戸惑っている中、俺は喋る。


「…あぁ。正直自分でもビックリだ。足の感覚はほぼ無いし、体調も超絶に悪いさ」


 俺は動いてクロマに近付く!


「全く意味がわからない!キミは確かに『神の呪縛』を食らったはずだ!」


 クロマは大声でそう言ってくる。


「…『神の呪縛』も食らった…でも俺が今ここで立っている理由がわかる…」


 俺はスーッと息を整えていつもの一番のカッコいいセリフが頭に浮かび、それを叫ぶ。



『俺はコノ世界の主人公だからな!!』


 

 俺はそう言って、その勢いままクロマの方に向かって走り出す!


「なぜだ!何故動ける!こんなことありえない!!」


 クロマそう言って動こうとするが。


「タケロー!!!いけぇえええ!」


 カガミはクロマの足を離さずにいて。クロマは身動きが取れて居なくなっていた。


「くそっ!これでも食らえ!」


 クロマは手に溜めていた、黒い雷を俺に向かって放ってくる。


 ズガアアアアアア!!


「これで、さすがに…」


 クロマはそう言ったが、俺は左手でそれを防ぐ左手は丸焦げになり血飛沫が出り左手は完全に機能を停止したが、それでも俺は歩みを止めず、走ってクロマの方に近付いていく。


「なんなんだよ!キミは!!!!」


 クロマは炎の玉を作り出し、それを俺に向かって放ってくる。


 ボオオオオオオオオオオオォオオ!!!


 だが俺は次に右手でそれを防ぐ右手はその強大な力で皮膚が全て焼けそのまま燃えているが、今の俺には関係ない! クロマに近付いていた、俺は足さえ無事なら俺の技が出せる!


「うぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!これが最後の主人公、俺の必殺技だぁあああああ!」


 俺は足の感覚はほぼ無いが身体が覚えていた。クロマの目の前でジャンプしてそして顔面に回し蹴りを当てる。


「はぁああああああああ!」


俺は叫びながら蹴る


 ドバァアアアアアアアアアアアアアアア!!!


 クロマに俺の回し蹴りは当たり、物凄い勢いで吹っ飛ばされた。


「こんなこと…あり得ない…なぜだ…私は神なんだぞ…」


 クロマはそう言ってぶっ倒れるが俺もその場で倒れ込み、意識がなくなった。

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