小島の戦い
そして、俺達の作戦会議が始まった。
「俺とタケローと、マグで十分だ、他の奴の力を俺は知らないからな」
ボルクさんはそう言った。
「こっちは、俺とラドさんと、ドクっと言ったところか」
ラバルがそう言った。
「なるほどね、だから私が呼ばれたのね」
マグがそう言った。どうやらこの作戦に呼ばれたらしい。
「邪神の封印場所は、この小島にあるのか…」
俺はトバに貰った地図を見ていった。
「ここまで船で行くのか…かなりの時間がかかるな…」
ラバルが頭を悩ませていた。
「そのことなんだが、我軍の竜の背中に乗っていかないか?」
ラドがそういって提案をしてきた。
「それいいっすね!俺!竜の背中に乗ってみたいっす!」
ショウがそう言った時、全員がショウの方に振り向いた。
「おい、商人の小僧、今回は大人しく待っとくんだ。」
ボルクさんが、そう言った。
「なんでっすか!!?兄貴が行くなら俺もついて行くっすよ!俺がいて兄貴がいるのが当然っすよ」
ショウは、俺の方向を見て言ってきた。
「…今回は危ないと思うんだ…あのクロマの仲間達が全員がいるかも知れないんだ…」
俺はショウにそう言った。
「…兄貴までそんなことを…そうっすか…」
ショウは酷く落ち込みこみ、トボトボとどこかに行った。
「悪いな、さすがに今回の戦いでは、お前の相棒を連れて行くわけには行かない…」
ラバルが俺に対して言ってきた。
「いや、いいんだ。今回の戦いは危なくなる予感がするからな…」
俺は、そう言った。いつも一緒に居たが、さすがにショウを危ないところに連れて行くのはダメだと思った。
「じゃあ全員準備はできてるか?」
ボルクさんは皆にそう言った、そして俺達は準備を整えて外に出た。
「よし、では呼ぶぞ!白竜!」
ラドがそう叫ぶと空中から白竜がやってきた。
「あ!白竜か生きていたのか!」
俺は、確かにあの時に倒した感覚は無かったのを覚えている。
「白竜は、お前の事をそうとう気に入っている様だ」
ラドはにやりと笑いながら白竜の頭を撫でている。
「そっそうなのか…」
まぁ俺も久しぶりの白竜に会えるのは嬉しい、白竜とは戦いの中で絆が芽生えた気がするからな。
俺達全員は白竜の背中に乗った。やっぱ白竜ってデカいな…簡単に全員を背中に乗せていた。
「よし、全員乗ったな!飛べ白竜!」
ラドがそう言うとブワッブワッと白竜は大きく羽ばたき、飛び出した。
「うわーやっぱり白竜って凄いっすね」
え?この声はショウ?俺は振り向いた。
「お前!なんで乗ってるんだ!?」
俺はびっくりした。着いて来るなって言ったのに。
「いやー、隠れた隙をずっとうかがっていたっす」
ショウは笑顔でこう言ってきた。
「もう、こうなったら連れて行くしか無いな」
ラバルが腕を組んで言った。
「まぁこうなったら仕方ないよな…」
俺も言った。結局着いて来ることになった。
「おい、タケロー子守はお前がするんだぞ。」
ボルクさんが怖い言い方をしてきた。
「…・はい」
俺は小さく返事をした。
「誰が誰の子守をするんっすか?」
ショウがこう言ったが、俺は何も言わなかった。
しばらくして
「目的の小島に着いたぞ!白竜あの島に降りてくれ。」
ラドがそう言うと白竜がゆっくりと小島に上陸する
「よし、ここで白竜は待っててくれ。」
ラドが白竜に待たせるように言った。
「さて、ここからは作戦通りで二手に分かれて行動する。」
ラバルが仕切り出す、小島とは言っても島だ。広いところだ。
「よし、マグとタケローとショウはとりあえず俺に着いてこい、ここからはじっくりと探索していかないといけねぇからな…」
ボルクさんはがそう言い、俺とマグは着いて行った。
「では俺達も行こうか。」
ラバルとラドとドクが違う方向に向かっていった。
ボルクチーム
「本当に邪神なんているのか?」
正直、聞いた事しかないから俺はあんまり信用してなかった。
「いるわよ…私も見たことは無いけど」
マグはそう言ってきた。
「ボルクさんはみたことあるっすか?」
ショウはボルクさんに聞いていた。
「…あぁ、俺がガキの頃だがあるぜ…邪神が復活すると空の色が赤くなったのを覚えている。」
ボルクさんがそう言う、空が赤くなるって?
「そうなんですか…空が赤くなるか…」
俺がそうつぶやいたとき。
「おぉっと!クロマが相手しろって言ったのはこいつらのことか」
そう言って目の前に現れたのは、ザブだった。
「こいつか?氷の禁術を使うガキってのは」
ボルクさんは言った、俺は作戦会議でザブの事を話していた。
「禁術って、そっち女のも禁術を使うんだっけ?」
ザブはそう言ってマグを指をさした。
「え?マグも禁術を使うのか!?」
俺は驚いた。でもあの強さなら納得できる。
「…ねぇ、こいつの相手は私がしていいかしら?」
マグがザブに向かって前に出てきた。
「どうしたんだ?」
マグが何故かザブのことを敵対していた。
「…いいからアンタ達は先に行って!こいつが居るって事はこの先に邪神の封印場所があるってことでしょ!」
マグがそう言った、確かにそうかもしれない!
「じゃあここは嬢ちゃんに任せて俺達はもっと奥に行くぞ」
俺とショウとボルクさんは、奥に進もうとするが。
「そんな簡単に行かせると思っているの?」
ザブがそう言って地面を力強く踏むと氷の針が俺達にむかってきたが。
ボオオオオ!
マグがそれを炎の玉で防いでくれた。
「さぁ行って!」
マグがそう言ったので、俺達は奥に進んだ。