最初から敵だった
クロマが喋り出す。
「さてと、トバ女王、邪神の封印場所を教えて貰おうかな?」
クロマはそう言ってトバに迫っていく。そして兵士達が大きい声で
「トバ女王をお守りするぞ!!奴を囲め!」
兵士達が、クロマを囲んだ。だがクロマが
「やれやれ、こんなのタダの犠牲が増えるだけだよ?」
クロマがそう言うと、あの化け物のような左手が不気味に光り始めた。
ボアアアアアアアアア
その左手から激しい炎が出された。
「うわああああああ」
兵士達がドンドン焼かれていく。トバが喋り出す。
「これまでなのか…」
トバがそう言った。
タケロー視点
俺とラバルは、ザブと戦っていたが苦戦をしていた。
「くっそぉおおおお!」
俺がやけくそになりながらもザブに向かって殴りに行った。
「そんなの無駄だって」
カチッ!
ザブはまた、自分自身を凍らして守りに入った。
「めんどくさいから、このままの状態で戦ってあげるよ」
ザブは自分自身を氷包まれながら喋っていた。
「…どういう事だ…」
ラバルがそのザブの姿を見て驚いていた。
「何がだ?」
俺はラバルに聞いた。
「自分自身を凍り付けにするなんて、そんな魔法は俺は聞いた事が無い!」
ラバルはそう言った。
「禁術って言っていたぞ。氷がある限り勝てないってあいつはそう言ってたぞ」
俺はラバルに教えた。
「氷の禁術か…なら弱点はあるかも知れない。禁術というのは、凄い魔法を覚える代わりに何かを代償にしているはずだ。」
ラバルがそう言っていた。
「だけど、何が代償かわからないと勝てないぞ!」
俺はラバルにそう言った。
「そうだよ!結局は僕には勝てないってことなんだよ!」
巨大な氷が俺達に降り注いだ!
ドゴォオオオ!
「なんて大きさだ!」
俺はそう言って避ける、ラバルもなんとか避けていた。
「ドンドン相手が有利な場面になっていく…」
ラバルがそう言った。確かに、いつのまにか俺達が戦っていた場所は凍り付けになっていた。
「今更、そんなことに気づいたの?」
ザブの声はするが、当たりを見渡しもザブの姿が居ない。
「どこにいる?」
ザブを探すが居ない。
「探す必要なんてないよ!」
ザガァアアア!
地面から氷の針が押し寄せてくる。
「くそ、やばい!」
俺は刺されそうになったが。
「はぁあああああああ!」
ラドが目の前で立ち上がり、炎の大剣で氷を溶かしていった。
「なに?どういうつもりなの?」
ザブはラドに対して言った。
「お前達は、我ら竜の一族を利用した!竜を馬鹿にしたことを後悔するがいい!」
ラドは、何故か俺達の味方に付いてくれたようだ。
「三対一か、ちょっと本気を出すしかないかな」
ザブは突然姿を現して、青いオーラがザブの周りに漂う。
「なにか来るぞ!」
俺達三人は身構えたが。
「本気を出す必要は無いよ。」
ザブの隣には、クロマが居た。
「なんだよ。せっかく全員倒せるかも知れないのに!」
ザブはクロマに止められて不満そうだった。
「あの、竜の一族のリーダーがそっち側に回るなんてね…」
クロマは、ラドの方向を見てそう言った。
「お前達は、我々の誇りを無駄にしたのだ!」
ラドは怒り狂ってクロマに対して言った。
「はぁー、もうちょっと利用価値があると思ったんだけどな…黒竜の時も期待外れだったしね…」
え?今こいつなんて言った?黒竜だと?
「黒竜も時も期待外れとはどういうことだ!!」
ラドは怒ってクロマに聞いた。
「あぁ、つい口を滑らしちゃったよ…竜って中々動いてくれないんだよ。だから黒竜の目の前で竜の子供を殺してやったんだよ。それくらいしてやっと動いてくれたよ。それで黒竜は人間を憎むようになってくれたよ。」
クロマは愉快に、話してくる。
「全部…こいつがやっていたのか…」
ラドの声が震えている、俺は驚いた。
「貴様!許さんぞ!」
ラバルは、剣を構えてクロマに攻撃をするようにしようとしたが。
「今日はもう、疲れたよ…邪神の封印場所もわかったし、行くよ」
クロマは黒い空間を作り出し、そこからザブを連れてどこかに行った。
「くそ!逃げられたか…」
ラバルは、そう言った瞬間に倒れた。そしてラドも倒れていき。俺もその場に倒れ込んだ。
「兄貴!大丈夫っすか!!」
俺はショウの声で目が覚めた。
「ううぅ…身体がクソ痛い…」
またコノ痛みだ…だが今回ばかりはさすがに無茶をしすぎたか…
「寝過ぎだぞ」
包帯を所々に巻いてあるラバルが俺に言ってきた。
「お前も、そうとうボロボロじゃねーかよ」
俺はラバルの姿を見てそう言った。
「あれ?ラドもいるじゃん」
俺はベットで寝込んでいるラドの姿を見てそう言った。
「…人間か…起きたか…」
ラドはなにやら落ち込んで居る様子だった。その時
ガチャ
部屋のドア開いた。
「おい、お前達、トバ女王がお前達を呼んでいるぜ」
そこに現れたのはドクだった。こいつも所々ケガをしていた。
「お前も、無事だったのか」
俺はドクにそう言った。
「あぁ、もうこんなことはごめんだぜ」
ドクはそう言ってきた。俺とショウ、ラバルとラドの四人はドクに着いて行き、トバ王女が居る部屋に案内された。
「よく、来てくれた!」
トバは大声で俺達四人を迎えてくれた。
「なんか態度が違うな…」
俺はラバルに言った。
「あぁ、そうのようだな」
ラバルが俺に言ってきた。
「そりゃそうっすよ、トバ女王は考え方が変わったらしいっすよ!」
ショウは何故か自信ありげに言ってきた。
「その者の言うとおりだ。私は、人間にも良い奴もいると言うことに気づいたのだ」
トバは俺にそう言って喋り始めた。