クロい男
まだまだ続きます!
凄い熱気だ、観客達は俺達の試合をこんな感じで見ていたのか。
「お、丁度試合が終わったみたいっすね!」
「勝者!炎の大魔道士マグ!」
と大声で叫ぶ王。一番盛り上がってるんじゃないか?
「ってあの魔法使いの女の子っすよ!兄貴!」
「あぁ、そうみたいだな。」
マグは勝って当然という顔している。なんという自信だ。
「一瞬でやられたな」「あんなにすぐ終わるとは」「女の子なのに凄い」
観客達が驚いている、マグはどんだけ強かったんだ・・・試合見て見たかったな。
「兄貴、俺は飲み物を買って来るっすね!」
「おっおう」
なんかスポーツ観戦みたいな感じなんだ、この大会ってのは。そう言って俺は席に座ると
「少し隣いいかい?」
俺に話しかけてきたのは。黒いローブで顔まで隠している。いかにも怪しそうな大人の男性だった。
「・・・あぁ」
「ハハハ、ありがとね。」
ゆっくりと腰をかける男。
「アンタ、何者だ?名前は」
俺は警戒しながら質問をしてみた。
「名前はクロマ、ただの観客だよ。そんなに警戒することはないよ」
少し優しい口調に見えた。
「いやー君、タケローって名前だっけ?もの凄く強いね!」
クロマは急にテンション上げて喋ってきた。でも褒められるのは嬉しい。
「いやぁーそれほどでもー」
俺は照れた。
「そんなに凄い力があるなら。もっと早くに噂されるようなものだけど・・・最近身に付いた力なのかい?」
「えーっと」
なんて答えたらいいんだろう・・・本当の事を話をしていいのか?神に授かった力ってこと
「なんだい?言えないのかい?」
「いやー多分信じて貰えないからー」
「へー、そんなことを言われるとますます気になるねー」
めっちゃグイグイ来るな。これは完全に話す流れだな。まぁ見た目は怪しいけど俺のファンだしな・・・
「笑わないで聞いてくださいね?」
「うんうん、聞くよ」
「実は、コノ馬鹿みたいな力・・・神様に貰った力なんですよ。」
この話を真剣に聞いているクロマ。俺はなんだんか嬉しくなってきて、続けて話した。
「俺、コノ世界に転生してきた者なんですよ!でも誰も信じてくれなくて―――」
「いや、信じるよ。その話し」
え?マジかこの人!?めっちゃ嬉しい!こんな話しをしても馬鹿にされると思っていたから!
「なるほどね。君は『神の使者』っと言われると者だね。」
神の使者?
「えっとなんですかそれは?」
俺はそう聞くと、クロマはゆっくりと話し始めた。
「この世界の言い伝えがあって、神の力を授かっている者は『神の使者』って言われるんだよ」
「え?そうなんですか!」
「まぁね凄い古い言い伝えだからね、知らない人の方が多いよ。」
神の使者!なんか知らないけどかっけぇ!
「おーい兄貴!」
遠くからショウの声が聞こえてきた。
「おや、あの子は確か、君の雇い主だね?」
「あぁ!」
こっちに向かってくるショウ。
「いやぁーなんとか間に合ったっす!」
汗を流しているショウ、そんなに急がなくても。
「あっこっちの黒い服をしているのは」
と俺がショウにクロマを紹介しようとしたらが、そこにはもう誰も居なかった。
「え?誰か居たんすか?」
「あれ?さっきまで居たんだけどな・・・」
俺は当たりを見渡すが、クロマは見つからなかった。なんだったんだろうか・・・
「そんなことより!今から始まる試合は見物っすよ!」
「おっそうなのか?」
「そうっすよ!第一試合の最後ですよ!」
そうなのか、俺はかなり寝ていたんだな。もう今日の試合の最後か。勝者は明日の第二試合に出られる。
「さぁさぁ!今回の大会の大目玉だ!」
相変わらず王はテンションが高いな。でも凄い歓声だ。
「なんと親子対決!!ラバル隊長対ボルク隊長の試合だ!」
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