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十二支の年越し

作者: シグルド
掲載日:2019/12/31

ここは仙界(せんかい)、仙人と12匹(ひき)の動物(どうぶつ)が住(す)んでいます。


今日(きょう)は大晦日(おおみそか)、皆(みんな)で餅(もち)作(づく)り。


社(やしろ)では仙人と申が餅搗(もちつ)きをしている。


(ペッタン、ペッタン。)


申が、杵(きね)を持(も)ち上(あ)げ、餅(もち)を搗(つ)きます。


(ペッタン、ペッタン。)


「もう良(よ)いじゃろう。

申よご苦労(くろう)様(さま)。」


仙人は申の頭(あたま)を撫(な)でる。

申は頷(うなず)くと、搗(つ)きたての餅(もち)を持(も)って、丑と未と亥の所(ところ)へ運(はこ)ぶ。


━━━━━━━━━━


「餅(もち)を持(も)って来(き)たウキ。」


申は3匹(びき)の真(ま)ん中(なか)に置(お)き戻(もど)って行(い)った。


「さあ、頑張(がんば)るモー」


丑は餅(もち)を長(なが)く伸(の)ばすと、亥が手(て)で切(き)る。


(ニュー、チョキン、ニュー。チョキン。)


そして、未が餅(もち)を丸(まる)める。


(コロコロコロ、コロコロコロ。)


3匹(びき)で連携(れんけい)し、丸餅(まるもち)が出来(でき)ていく。


「これ、持(も)って行(い)くワン。」


3匹(びき)が頷(うなず)く。


戌が箱(はこ)を咥(くわ)え、子と卯と巳と酉の所へ運(はこ)ぶ。


「持(も)って来(き)たワン。」


4匹(ひき)は頷(うなず)くと、戌は戻(もど)って行(い)った。


(カラカラカラ、カラカラカラ。)


子がホイールの中(なか)を走(はし)り、風(かぜ)を送(おく)り軽(かる)いゴミを飛(と)ばす。


(ツンツン、ツンツン。)


酉が大豆(だいず)の中(なか)のゴミを取(と)り除(のぞ)く。


(ゴロゴロゴロ、ゴロゴロゴロ。)


巳が石臼(いしうす)を引(ひ)き、大豆(だいず)を擂(す)り潰(つぶ)す。


(パサッ、コロコロコロ、パサッ、コロコロコロ。)


卯が黄粉(きなこ)を餅(もち)に掛(か)け黄粉餅(きなこもち)が出来上(できあ)がる。


「黄粉餅(きなこもち)、持(も)って行(い)くブルル。」


午が社(やしろ)に黄粉餅(きなこもち)を運(はこ)んで行(い)った。


━━━━━━━━━━


一方(いっぽう)、戌が寅と辰の所(ところ)へ丸餅(まるもち)を運(はこ)ぶ。


「持(も)って来(き)たワン。」


寅が箱(はこ)から鉄板(てっぱん)の上(うえ)に餅(もち)を移動(いどう)させる。


(ゴーーー!)


辰が火(ひ)を吐(は)き、餅(もち)を焼(や)いていく。


(プクー、プシュー。)


焼(や)かれた餅(もち)は膨(ふく)らみ、焼餅(やきもち)が出来上(できあ)がる。


寅がまた箱(はこ)に詰(つ)めていると。


「持(も)って行(い)くブルル。」


午が箱(はこ)を社(やしろ)に運(はこ)んで行(い)った。


━━━━━━━━━━


申が先(さき)に到着(とうちゃく)した黄粉餅(きなこもち)を社(やしろ)の中(なか)へ運(はこ)ぶ。


「焼餅(やきもち)を持(も)って来(き)たブルル。」


仙人は午の頭(あたま)を撫(な)でる。


「ご苦労(くろう)様(さま)。」


申が焼餅(やきもち)を受(う)け取(と)ると、社(やしろ)の中(なか)へ運(はこ)んで行(い)った。


━━━━━━━━━━


暫(しばら)くすると、子、丑、寅、卯、辰、巳、未、酉、戌、亥が戻(もど)って来(き)た。


「お前(まえ)達(たち)ご苦労(くろう)だった。

これで新年(しんねん)を迎(むか)えられる。」


仙人は呪文(じゅもん)を唱(とな)えると、皆(みんな)の前(まえ)に『年越(としこし)蕎麦』が出(で)てきた。


「さあ、年越(としこし)蕎麦を食(た)べて。

人々(ひとびと)の今年(ことし)一年(いちねん)の災厄(さいやく)を断(た)ち切(き)るのじゃ。」


動物(どうぶつ)達(たち)が頷(うなず)く。


「来年(らいねん)は子年(とし)じゃから、子が最初(さいしょ)に食(た)べるのじゃ。」


子が、蕎麦を食(た)べる。


そして、皆(みんな)も蕎麦を食(た)べ出(だ)した。


(ズルズルズル、ズルズルズル。)


皆(みんな)は今年(ことし)の出来事(できごと)を食(た)べながら談笑(だんしょう)する。


━━━━━━━━━━


蕎麦を食(た)べた動物(どうぶつ)達(たち)は社(やしろ)に入(はい)り眠(ねむ)りにつく。


「そろそろじゃな。」


仙人は外(そと)の鐘(かね)撞(つ)き堂(どう)に行(い)く。


(ゴーン!ゴーン!ゴーン!)


仙人は鐘(かね)を撞(つ)き始(はじ)めた。


(ゴーン!ゴーン!………ゴーン!)


仙人は年(とし)が明(あ)けても鐘(かね)を撞(つ)き、108回(かい)鳴(な)らした。


━━━━━━━━━━


夜(よ)が明(あ)け、動物(どうぶつ)達(たち)が出(で)てきた。


「明(あ)けましておめでとう。」


動物(どうぶつ)達(たち)が頷(うなず)く。


「今年(ことし)は子年(とし)、良(よ)い年(とし)になると良(い)いのぅ。」


動物達(どうぶつたち)が頷(うなず)く。


「お前達(まえたち)に人々(ひとびと)から雑煮(ぞうに)のおくりものだ。」


仙人は呪文(じゅもん)を唱(とな)えると、皆(みんな)の前(まえ)に御雑煮(おぞうに)と餅(もち)が出(で)て、真(ま)ん中(なか)に御節(おせち)が出(で)てきた。


「皆(みんな)、雑煮(ぞうに)を食(た)べて、お礼(れい)に人々(ひとびと)の幸福(こうふく)を祈(いの)ろう。」


皆(みんな)は食(た)べながら今年(ことし)の希望(きぼう)を話(はな)し談笑(だんしょう)した。


§おしまい§

読んで頂きありがとうございました。


大晦日に読まれた方は来年もよろしくお願いいたしますします。


年明けに読まれた方は、明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたしますします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 読んでいるとおめでたい気分になるようなお話ですね。 お餅食べたいなぁ。
2023/04/28 22:02 退会済み
管理
[一言] 干支の動物たちが集まって、仙人と一緒に餅つきとは可愛らしいですね。 干支にルビがふられていないことを考えると、ここは前後の動物たちの行動から何の干支かと予想する、干支クイズが散りばめられて…
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