6.
妖精たちは楽しそうに私の周りをふわふわ飛んでいる。見る物全てが初めてらしく、時節あれは何これは何と聞いてくる。出会った初期と比べると2人共随分と積極的に話しかけてくれるようになった。
以前、2人はおしゃべりは嫌いではなさそうなのに、なぜ私にはなかなか話かけてくれないのか尋ねたことがあった。その際に女神様である私に話しかけるなんて恐れ多くできない。と、妖精らしくないことを言っていた。
「(2人に話しかけてもらえないのはとても寂しいわ。私は2人とおしゃべりすることは大好きだし、この世界には私の知らないことがたくさんあるから、貴方達の知っている事を教えてくれないかしら?それに何か私が間違いをしそうになった時も教えてもらえるとありがたいわ。)」
そう話すと、2人は目を丸くしたかと思えば嬉しそうに喜びのダンスを始めた。
「やったー、やったー、ユノともっともっとお話しできる〜」
「やったー、やったージュノーとたくさんお話しする〜」
その瞬間光の粉が2人の周りに降り注いだかと思えば、周辺に植えられていた花が一斉に開花した。
お散歩という名目で中庭に来ていたので思わず後ろをついて来ていたニコラを振り返ると、なぜか微笑みつつうなずいていた。その様子に若干顔を引きつらせるも、もうすぐ春だし大丈夫だよねと無理やり自分に言いきかせたのだった。
あまり人目につくようなところで派手な魔法はしないでほしいと言うと、嬉しさの余り思わず魔力が溢れ出し、それに自然が反応してしまったのだとか。
つまり魔法と言うほどのこともないらしいので、まぁ、大丈夫だろう。
余談だが、
確かに魔法ではなかったものの逆に魔法ではないからこそ、その純粋な魔力だけで自然に影響を及ぼした事実はとんでもない事なのだが本人達はその事を知るよしもない。魔法に関して全くの知識を持たないルルを始め妖精達は地脈に蓄積された粗方の知識はあるものの、生まれてからまだ半年も経っていないため、そもそも一般常識が無いのだった。
そんなこともありながら妖精達との距離は徐々に縮まっていった。