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☆JKが異世界転生☆  作者: 森マリア
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2. 兄弟


始めて見たお父さんの印象は予想と少し違っていた。


確かにかなりのイケメンではあるが、お母さんのような街を歩けば誰もが振り返るような美女とは違い目立つわけではない。しかし、対峙してみるとそこで初めて気がつくイケメンと言った感じだった。眼鏡やその優しげで穏やかな雰囲気がそうさせているのかもしれない。


お母さんと並ぶと更にその存在感は薄れてしまうのではないかと初めこそ思ったのだが、二人が並んでみると意外とお母さんの存在感がお父さんの雰囲気に呑み込まれて、ぱっと見そこまで目立たなくなっている。ぱっと見は確かに普通のカップルなのだが、真近で見ている私としては2人から溢れ出る幸せオーラのせいもあり、まるで御伽噺に出てくるような王様と王妃様の様に見える。


お父さんも見た目に違わずとても優しい人で私はとても恵まれた環境に生まれて来たようだ。


私が3歳、ルゥ(ルシウス)が6歳になる頃、私はどうやらお姉ちゃんになるらしく、お母さんのお腹はとても大きくなっていた。本当に大きくて、何か病気なのではないか、お母さんはこのまま死んでしまうのではないかと思ったほどだ。


そして予定日通りに生まれてきた子供たちはそっくりな双子だった。しかし性別は女の子と男の子でここら辺はまたしても私の理解の範疇を越えていた。女の子がナルアで男の子がナーロンだ。1度お母さんに“なぜアル(ナルア)とアロ(ナーロン)は男の子と女の子なのにこんなに似ているの?”と聞いたことがあったが、


「双子だからよ、双子はね初めは1人の人間だったの。でもその大きすぎる力に1人の体では耐えきれなくなって、2人に別れたのよ。だから2人はとっても似ているの」


という事らしい。ますます分からなくなったが、取り合えずそおいうものだと思うことにした。



新しい兄弟の誕生にルシウスの私への溺愛ぶりも収束するのかと思えば、そんな訳もなくだからと言ってアルとアロへの愛情がないわけでもなかった。

赤ちゃんの世話はまだまだ私達には難しいため必然的にお母さんや他の使用人たちがかかりっきりにならざるを得ない。私は全く気にしていなかったのだが、それを見たルゥがなにを思ったのか、


「ルル(私)には僕がついているからそんなに悲しまないで。ルルのためならなんだってしてあげるからね。」


と言って抱きしめてきたた。

ちなみにルルは私の愛称で私名前はルルーシュだ。


アルとアロは歩き始める頃にはすっかり髪も生え揃っていた。まるで銀細工のような銀色の髪に透き通るような琥珀の瞳を持つ彼らは、本当に神様がこの世に遣わした天使なのではないかと思うほどだった。それにしても容姿はまさに瓜二つであり、服装でしか見分けることは難しかった。時節、双子ならではのコミュニケーションでもあるのか、2人で手を取り合いじっと見つめあっていることがあった。



ルゥは私があまりにもアルとアロに夢中なことにヤキモチをやいていた。


「お母様を取られてヤキモチをやいていたルルを慰めてあげてたのは私なのに…

今では私に見向きもしてくれないなんて、ルルは私のことを捨てようとしているのか…」


なんて、子供には似合わない悲壮感を漂わせながら言うものだから、思わず頭を撫でて微笑んでみたら、

ルルの顔はみるみるうちに真っ赤になり目をそらされた。


あれ?と思った次の瞬間には抱きしめられていて。


「ルルは誰にも渡さない。」


なんて言われてしまった。



ルゥも相変わらずの可愛さだ。







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