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☆JKが異世界転生☆  作者: 森マリア
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1. 始まり。



目覚めのぼんやりとしたまどろみの中、徐々に目を開けると真っ白い天井が目に入った。


「(あれ?私の部屋じゃない?)」


見渡せば、今までどうやら柵のついたベッドに寝ていたようだ。一旦起き上がろうとするものの、どうにも体が思うように動かず、思わず声が出る。


その声もまるで自分のものとは思えない甘く、高い声。取り敢えず落ち着こうと再び天井を見上げ目を閉じた。


分からないことは一旦端に置き、これまでの事を思い返してみる。



「(学校に向かって歩いてて…メールを返そうとしてたら急にクラクションの音がして…トラック、が…)」



歩きスマホによる不注意で運悪くもトラックにひかれてしまった。その衝撃は凄まじく、次の瞬間には意識はなかった。

その際の刹那の記憶を思いだし冷や汗と共に体が震える。



「(私…死んだの?

…いや、確かに生きてる。目だって見えるし、現に普通にベットに寝ている。)」



だからと言って体のどこかに痛みを感じるわけでもなく、この部屋もどう見ても病院の部屋では無い。


そこで改めて己の体を見てみると、自分の手が明らかに以前より肉付きが良く、小さくなっていることに気がつく。更に体を確認しようと試みるが、いかんせん腕の長さが足りず全身を触ることができなかった。


自分の体に何かが起こっていることは分かるが、それが何にしろ今こうして生きている。それだけで十分では無いか。


とでも言うように、考えることを放棄して、先程から襲ってくる眠気に身をまかせるように再び眠りについた。






あの日から大体同じ時間に目が覚め、お世話係のお姉さん“ニコラ”もしくは母親らしき女性がやってきて食事をし、また寝る。そして起きて食べて遊んで、また寝るという生活を送っていた。


初めに自分の手を見たときにもしかして、と思わないわけでもなかったが、どうやら今の私は赤ん坊になっているようだった。


初めは理解の範疇を超える出来事にパニックになって大泣きしてしまい、その結果ニコラを初めとする使用人は大慌てで、お母さんが帰ってくるまで騒ぎは治まらず、大変なことになってしまった。その時は私もパニックになっていたのでひたすら泣いていたのだが、今になって考えると何とも恥ずかしい限りである。


それともう一つ分かったことは私には兄が1人いるようだ。3つか4つ年上だろう彼はブラウンのさらさらヘアーに綺麗な緑色の目をした正に天使のような、しかしその年にして17歳の心を持った私が惚れてしまうようななんとも言えない雰囲気をもったスーパー美少年だった。


おはようや寝る前はもちろんのこと、時々家庭教師の目を盗んでは私の部屋に顔を出し何かとキスをしてくる。最初こそその可愛さにキュンキュンしていたが、眠りを邪魔されることにだんだん煩わしさを感じていないでもない。 彼の名前はルシウス。


最初こそ環境の変化にパニックになってしまったが、今ではすっかり慣れてしまった。

…慣れたというより、感情の起伏が激しいとたちまち声をあげて泣いてしまう今の体質が恥ずかし過ぎて、滅多なことでは動じないようになったと言えばいいだろうか。



最後に私の家とお父さんについて。


私の家は予想に違わずお貴族様らしく、お父さんは宮廷で働いているようだ。まだ会ったことはないがルシウスがいつもお父さんについて話をしてくれる。


お母さんの容姿は、綺麗なブロンドに若葉のような緑眼で身内目線を抜きにしてもかなりの美女、とてもじゃないが子供が2人いるようには見えない。それにルシウスも美少年であることから考えて、お父さんもきっとイケメンなのだろう。


因みに私は黄金のようなブロンドにこの世のものとは思えない美しさのアクアマリンの瞳をしている…らしい。そう言ってルシウスが毎日褒めてくれる。


ルシウスのシスコンぶりに将来が不安になるが小さいうちはどこもこんな感じなのだろう…多分。前世では一人っ子だったので一般的な兄弟がどのような感じなのか分からないが、悪い気はしないので、まぁいいか。













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