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下妻サーキット  作者: のーでーく
58/62

ジローの新レース

57.ジローの新レース

下妻サーキットフルコース。いこいサーキットレーシングチームは、Aパドックのガソリンスタンドに近い側にテントを張って陣取った。今日のライダーはジローだけだ。

マシンは、マルヤの去年白井が使っていたマシンだ。このレースのレギュレーションに合せ、エンジンをFI仕様に変更したものだ。マシン性能的には、トップクラスだ。しかし、すぐ隣にはマルヤのチームも陣取った。マルヤのマシンは、ヤマハの新型FI125cc12インチアップハンドルネイキッドSR―125MINIにスペシャルパーツを組み込んだ新しいマシン。操るのは、白井徹也だ。「斉藤さん、今日はよろしくお願いします」そう言って声を掛けてきた。

「あなたが白井さんでしたか。オレが、初めていこいサーキットで走ったとき、CBR250Rで走っていて、声かけてくれた人ですよね」ジローは、その名前は以前から聞いていたが、会ったことが無かった。それが、偶然にも知った人だったことに驚いた。「まさか、一緒のレース?」

「もちろんですよ。バトル、楽しみにしていますから。斉藤さんのマシンが、一番速いマシンですから、いい勝負になりますよ」白井は、さわやかな笑顔でそう言った。

「桃川君、ちょっと、無理でしょ」ジローは、マシンのチェックをしている桃川に訴えた。

「斉藤さん、今日は、敵ですから」桃川が言うと

「ぶっちぎりますよ。ウチは、ライダーもマシン速いですから」社長の宮本もマシンの向こうからそう言った。

「参ったな」そうつぶやいたジロー

「勝った!」宣言する宮本。

「レースで勝つのは、うちのジローだからね!」ツバメが後ろからじれったそうに大きな声で宣言した。


予選走行が始まり10分を過ぎたころ、マルヤのマシンがピットロードに入って行った。ジローは、バックストレートでその様子に気付いた。予選がそのまま終わり、ジローはピットに戻った。どうやらマシントラブルのようだ。

「どうしたの?」ジローはカウルが外されているマシンを診ている桃川に聞いた。

「エンジントラブルです。今日は、無理ですね」そう言って、そのままマシンを引き上げる準備に入っている。

「残念です。少しでも一緒のレース、走りたかった」ジローは、テント下のイスに座っていた白井にそう声を掛けた。

「こういうことも結構ありますから、仕方ないですよ。でも、斉藤さんは、こういうことは、ポジティブにとらえてください。自分の上位フィニッシュや、優勝の可能性が上がったって考えて。ボクの分も頑張ってください。ぜひ、優勝して」白井はまたもさわやかな笑顔でそう言った。

「こうなっちゃ、マルヤも斉藤さんの応援に回りますから、頑張ってください」宮本がそう言い、「そうですよ。ステッカー大きいの貼りましょう」桃川もうなずいた。

「力の限り、がんばります」ジローのモチベーションが更に上がった。


ジローとツバメ、賀茂田がウォームアップ場でエンジンを掛け、暖機運転をしていた。そこへトシとケンちゃんとバレが現れた。

「おう、ジローちゃん」とケンちゃん。

「みんな、来てくれたんだ」ジローがそう言った。

「なんか、たまたまね。昨日、トシちゃんと偶然コンビニで会って。だから、バレに聞いたら、行けるっていうし。じゃあ、行くっきゃないでしょって」ケンちゃんがそう言った。

「ボクは、前から来るつもりだったんだ」バレがそう言った。

「俺は、レース観たらまたすぐ帰ります。」トシがそう言った。

「そうか、みんな、じゃあ、いいとこ見せちゃおうかな。ガンバっちゃうよ」ジローのモチベーションが更に上がった。


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