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下妻サーキット  作者: のーでーく
56/62

ジローとツバメのスタート

55.ジローとツバメのスタート

シーズンオフもジローとツバメはバイク三昧の日々が続く。オフロードにダートトラックでタイヤのグリップ感、マシンコントロール、バランスの習得。バイクコントロールテクニックを磨く。新たなシーズンに向けた準備が着々と進む。

そして、新婚とはいいがたい二人の生活も始まった。アパートは、とりあえずジローのボロアパートを大家さんの許可を得て、水廻りのリフォームをした。二人は、充実した楽しい日々を過ごした。


そして新たなシーズン。新設されたカテゴリー、4ストローク125cc。改造範囲が広いオープンクラス。エンジンはフューエルインジェクション限定だ。日本の4大メーカーが揃ってベースマシンになる市販車を新たに発売する。各メーカーとも、レースのためのカスタムパーツを組み込んだスペシャルマシンも用意した。それを発展が進んでいるアジア各地にもブームを造っていこうと企画されたエキジビションレースが、日本各地で開かれる。そのうちの1つ、下妻サーキットフルコースで開催されるレースに、エントリーのオファーがジローにも届いた。


そこには、昨シーズン、日本のバイクメーカーが主催し、海外選手も招待されたミニバイクグランドチャンピオンシップでチャンピオンになった北野晴夫もエントリーしていた。ジローが、初めてのレースでその走りをチラリと見ただけで、驚異的な速さを感じたライダーだ。しかもまだ年齢は14歳。

「ジロー、どうすんの」エントリーシートを眺めながらツバメが聞いた。

「やっぱり、北野はツバメより速いかな?」

「何言ってんの、そんなわけないでしょ。あたしがこんな子供より遅いわけないじゃん。それに、125で改造範囲も広がってて、吸排気のカスタムもできるじゃない。パワーが出るから、体重の影響も少ないし、全然相手になんないくらいアタシが速いに決まってるでしょ」その様子にジローはツバメのライディングに対する自信とプライドを感じた。

「じゃあ、その弟子のオレも、北野と走っても恥ずかしくなく走れるかな」

「うーん。難しいけど。要は、ジローが走りたいかどうかでしょ」

「そうだね。じゃあ、走るってことで決まったね」その返事にツバメがニッコリ笑った。

「でも、レーススケジュールがツバメの筑波ロードより2週間早いから、ツバメの準備に影響が出ないかな」

「何言ってんの、有るわけないでしょ。2週間あれば十分。ジロー、前日練習も来てくれるんでしょ」

「もちろん。こっちが終われば、全力でサポートに入るよ」

「約束だよ」


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