表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
下妻サーキット  作者: のーでーく
36/62

ジロー、翔馬に瞬発力の練習を教わる

36.ジロー、翔馬に瞬発力の練習を教わる

「ジローさん、これ」そう言ってトシの息子の翔馬が差し出したのは、コンパクトな家庭用ゲームのモグラたたきだった。

「これ、翔馬のじゃないのか」

「そうだよ。でも、父さんが改造して、高速で動くようにしたんだ」そう言ってスイッチを入れた。ガシャガシャと結構大きな音がする。「それで、タイマーとスピードを調整して」そう言ってスイッチを動かすと一層音が大きくなり、モグラが穴から出たり引っ込んだりの動きが速くなった。

「なんじゃこりゃ!」ジローがその動きに驚いていると翔馬がピコピコハンマーを構えた。

「じゃあ、見本見せてあげる」そう言ったと思ったら。パン!パン!パン!ゴツ、パン!パン!パン!パパン!とハンマーを振り下ろし、あっという間に穴からモグラが飛び出した。

「スゲエ!超ウメー!」ジローは目を丸くして驚いた。

「このハンマーもうるさいからって、柔らかいスポンジにしたから最初難しかったけど、すぐ慣れた。でも、母さんがうるさいからダメって言うから、あんまりやってないんだ。」

「こりゃ難しいな」

「ボクも最初そう思ったけど、練習してたらできるようになったよ。おじさんも練習するときっとできるようになるよ」

「そうか。出来るかな。じゃあ、練習してみるよ」翔馬の手前、少しくらいできるようにならないと。「上手くできなかったら、やり方教えてくれよな」

「よく見て叩くだけだから、すぐできるよ」翔馬は、簡単にそう言った。

「じゃあ、一回やってみるか」そう言って、さっきの翔馬を真似て、ハンマーを構えた。

「タイマーが終わるまでモグラを飛び出させないと負けだからね。最初はゆっくりのやつでやるよ」

「おう、いいぞ」その言葉を合図に、翔馬がスイッチを入れた。ギュワンギュワン、ガシャガシャと音を出しながらモグラが出たり引っ込んだりする。それをめがけてハンマーを振り下ろすジロー。しかし、モグラが引っ込んだところばかり叩いて1つも飛び出さない。それに焦って、一層力を込めて叩きまくって、やっと一つ飛び出したところで、タイマーが止まった。

「超ムズー、オレが低速で1個だけなのに、翔馬、やっぱ天才なんじゃない?」

「ジローさんだって、初めてで1個出来たじゃん。練習すればすぐできるようになるよ」

「そうか、練習か。じゃあ、がんばるよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ