人間~善と悪の間の存在~
久しぶりの投稿。
連載ではないけども、久しぶりに何か書きたくて書いてみた。
神は世界に干渉できない。
神は根元的絶対原因であるがゆえに、世界のすべてを作りたもうたが、見守るだけで干渉はできなくなった。
今世界は善と悪に分かれている。
自らを悪と名乗り、悪の限りを尽くす悪人ーー悪魔族。
自らを善と名乗り、神の代行者と称して悪魔を根絶しようとする善人ーー天使族。
そんな戦いの中で生まれたどっち付かずな存在…………それが俺だ。
俺は天使に裏切られ、悪魔に育てられた。
しかしこの身には天使の血が流れており、産みの親はまぎれもない天使だ。
にもかかわらず、育ての親は悪魔であり、悪魔でも優しさや情があることを知ってしまった。
悪魔にも優しさ…………善がある。
天使にも残酷さ…………悪がある。
ならばなぜ、互いに争わなければならないのだろう? 俺にはこの争いが無意味にしか思えない。
何かが間違っているのだ。
それは確かに間違いではない。
しかし、神は絶対であり間違いはあり得ない。
俺たち…………悪魔も天使も、神が作り出した存在なのだから、間違っているはずがない。
なら世界が間違っているのか? …………いや、世界も神が作り出したのだから、間違っているはずがない。
ならばどこが違うのだろう?
間違いの根元は何だ?
………………そうか、俺たちの認識が間違っているんだ。
俺たちという存在は神が作り出したのだから間違いはない。
しかし…………俺たち自身が考え起こしたことは、あくまで原因は俺たちにあり、そこに間違いはうまれるのだろう。
ならばその認識を壊さなければならない。
俺たちは悪魔でも天使でもない。
俺たちはもともとなんと呼ばれていたのだろうか……?
俺たちには、神から与えられた名前があるはずだ。
それは…………そうだ、人間だ。
俺たちの最初は、悪人でも善人でもない。
間の存在……人間だ。
ならば今こそ俺は世界に対して声高々に叫んでいこう。
我々は同じ存在…………人間であると。
我々は競うことはしても、争わなくても良いのだと。
すべては神の身心のままに。
我々は人間…………悪と善の間の存在なのだ。
すべては神の深心のままに。
かくして世界は正される。
すべては神の御心のままに。
あぁ…………アーメン。
かくあれかし。
世界は…………我々は、こんなにも祝福されている。
感想評価お待ちしてます。
色々と考えてたりするきっかけになれば幸いです。