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追いかけっこ



一方、その頃の鬼たちと桃太郎は・・・―――


「あァ゛?今、誰かが叫ぶ声が聞こえなかったか?青鬼?」


ここは鬼が島のなかにある鬼たちの住処の洞窟。


鬼たちは洞窟の中で思い思いにくつろいでいる。

そのなかで、鬼たちの頭領とその参謀である赤鬼と青鬼は、向かい合って酒を酌み交わしていた。


赤鬼の質問に青鬼はちょっと考えて、


「いや、赤鬼、お前・・・・・」


「な、なんだよ?」


「とうとう頭どころか耳まで筋肉になっちまいやがったのか・・・。」


青鬼は呆れたようにため息をつく。

赤鬼は棍棒に手をかけ、


「おい、てめぇ!それはどういう意味だ!!表出ろや!!」


「まあ、待て。さっきのは(三分の一)冗談だ。お前がオレよりも(無駄に)耳がいいのは知っている。(この戦闘狂いめ。)

先に誰かいないか確かめよう。オレと殺り合うのはその後でも出来るだろう?(本当はめんどくさいんだがな。)」


青鬼はニィィィと好戦的な笑みを浮かべた。


「そ、それもそうだな。後で覚えとけよ?」


赤鬼と青鬼は数人の手下を引き連れて、島の探索に乗り出した。







時は戻り、ここは桃太郎の村。


桃太郎は大好きな桃まんに囲まれ、お爺さんお婆さんと幸せな日々を過ごしていた。


猫と男の子(?)に鬼退治を代わってもらってから三日後、桃太郎はいつものようにももまんを食べながら、上機嫌に歌っていた。


「おっ腰につけたきび団子~♪お一ついっかが?ももまんと交換しっましょ~う♪そうしましょ~う♪(もぐもぐ)

お腰につけたきび団子~♪おひとついっかが?ボクの代わりに鬼退治に行ってきて~♪(パクパク)

ももまんおいしぃぃいいいいいーーー♪♪♪」


桃太郎はすごい速さで大量のももまんを消費していく。お婆さんはニコニコと笑いながら、追加のももまんを取りに厨へ。


「・・・・あら?」


「ふへ?どうしたの?」


鍋のフタを開け、困ったようにこちらを見るお婆さんに、桃太郎は不思議に思う。


「桃太郎、ごめんなさい。作っておいたと思った桃まんが・・・・・ないの。」


桃太郎はこの世の終わりとでもいうくらい、ショックを受けた。orz


「自分で歩いてどこかに行ってしまったのかしら?」


お婆さんは首を傾げてとぼけたことを云う。


「そんなわけないよ!!おばあちゃん!!(泣)」


ふと周りを見渡した桃太郎は、奇妙な鼠が戸口の所に、数匹いるのを見つけた。

墨で描いたような黒い奇妙な鼠。頭には体と同じような黒藍の頭巾を被っている。


鼠たちは数匹で一つの風呂敷を掲げ持って運んでいた。


桃太郎はその鼠たちをじぃーーーっと疑いの眼差しで見つめた。

鼠の一匹が振り返り、驚いたように跳ね上がった。その拍子に袋の中身が零れ落ちる。


「あ!!!/(((((ああ!!!!)))))」


それはお婆さんの美味しい美味しい桃まんだった。


悪事が見つかった鼠たちは大急ぎで桃まんが詰まった風呂敷を抱えて走り抜ける。


桃太郎は落ちた桃まんを拾ってほこりを払い、口に放り込み、刀を引っ掴んで、


「お婆ちゃん、ちょっと出かけてくるね!!待てーーーーーーーーーーー!!!!!鼠ぃぃいいいいーーーーーーーーーー!!!!!ボクの桃まん返せぇぇええええええええええ!!!!」


鼠を追いかけて行った。


「いってらっしゃい。気を付けていくのよ。」


お婆さんはもう、姿が見えなくなった桃太郎の背中に向けて呟いた。




続く。ww

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