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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。

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真実の愛のために婚約解消は承……、まて、そいつはダメだっ! 私よりその男がいいって言うのかっ!

作者: あかね
掲載日:2026/03/25

脳内を爆速で百合が通り過ぎていったのでそんな感じの勢いでよろしくお願いします。

 私と親友の出会いは、小学校だった。転校してきた私に微笑んで校内を案内してくれたその笑顔に打ちのめされた。明るい笑顔は私の陰気な微笑みとは全く違った。

 彼女こそ、我が理想の師匠と勝手にお友達宣言したのが始まりである。

 師匠の件はお断りされたが、お友達にはなれた。その他大勢スタートである。彼女は、クラスメイトに人気の女の子だったのだ。


 警戒されているところを少しずつ距離を詰めて気がついたことがある。彼女は、微笑みたいわけではなくそうするしかないらしい、ということに。

 誰にも嫌われぬように。

 地元の名士の娘というのも大変らしい。


 そんな彼女に悪い遊びを教えるのは大変楽しかった。買い食いとファーストフード、さぼりを教え込んだ背徳感はたまらない。


 そんな私たちは、高校の頃には成績そこそこの問題児になっていた。大学は離れたが、それでも付き合いはありその後の就職しても変わらなかった。


 しかし、話しが変わったのは、私の婚約の話をしたころだった。


「結婚なんてまだよね」


 そういう彼女に婚約したことを告げる。目を見開いて、驚きを表現されて私の方が驚いた。すぐに微笑んでなんで教えてくれなかったの?と問われた。

 家の都合でと話をしたのは間違いだったかもしれない。

 私の家も自営業をしており、技術提供の見返りに私の縁談を用意したのだ。つまり、玉の輿。親の良かれと私の主義主張が全面対決、次期社長が私ならば受け入れるということに至った。

 このような苦労をせぬようにと思ったのにという父に、なにを言うのだと私は笑った。


 という話を酔っぱらわされた挙句話してしまったのは親友と心を許したからだろう。


「ほんと、おじさまったら、ひどいのね」


 微笑んで言った彼女になぜかぞくっとした。


 泥酔した私を婚約者が迎えに来て、そこで二人は出会ったらしい、ということも私の記憶にはない。

 どんだけ飲まされたのよ、私。と翌日の二日酔いで唸る私の世話をしてくれた婚約者は、彼女の話を聞きたがった。

 問われるままに、昔から可愛くてぇと言っていたら、にやにやしていた。そういえば、こんな風に世話をしてくれたことなど一度もない。変だなとは思っていた。


 それから、なぜか家業が忙しくなり、嬉しい悲鳴と家族で翻弄された。そのころから婚約者と連絡が取れないと事が多かったが、悪いが今はそれどころではなくと放置していた。

 それが良くなかった。


 色んな荒波に揉まれて、ヘロヘロな私は結婚式まで半年ということに全く気がついていなかった。相手がたの手配で結婚式の場所、日取りなどは確定していたが招待状はどうしようかというところで、私は呼び出された。


 ファミレスという微妙な場所で神妙な顔で婚約を解消したいという婚約者。

 私も乗り気ではない縁談だ。よろこんで、と、口にでかけて、理由を先に聞こうと思った。


「愛する人ができたから、その人と結婚する」


「おめでとう! 幸せになってね!」


 さくっと祝福する私に彼は唖然としていた。


「家の都合の婚約なんだから、私は婚約解消してもいいわ。

 ご両親にはちゃんと話を通しているのよね? 技術提供の見返りの婚約及び結婚なのだから、別の見返りはいただける話はどうなるの?」


「あ、ああ、それは、今後も業務提携を続けることで」


「私はいいけど、うちの父はなんていうかしら。そこはご両親同士で詰めてもらいましょう。

 あなたは婚約を解消したい、私も同意した。

 この文章を書類として残しましょう。あとで言ってないというのはお互い望ましくない」


「……君のそう言うところが、好きじゃなかったんだよ」


「あら、私も、あなたの甘っちょろいところが好きではなかったの。

 結婚しなくて幸いね。

 それで? 一応、私、慰謝料請求できる立場なんだけど、そんなこと言って大丈夫?」


 彼は黙った。


「彼女に請求することは許さない」


「権利の行使なのだから、別に構わないわよね。

 愛人を認めろと言わないだけの良心があるからまだいいけどね。あなたの家、愛人三人いるじゃない? 大変そうよねぇと思ってたの」


「だから、僕は一人だけ愛する人と過ごしたい」


 私はそれに返答しない。わかる話だが、私の方が捨てられるほうなので。

 お互いに無言で書類を二枚作製し、印鑑を押す。当たり前のように鞄から印鑑が出てくるあたりちょっと笑えた。


「終わった?」


 そう声をかけられたのはそのあたりだった。


「杏子、待っていなさいと言ったのに」


「心配だったのだもの」


「ちょ、待て」


 親密そうな二人に私は声をかけた。


「杏ちゃん。なにそれ」


「ごめんなさい。運命なの」


「はぁ!?」


「申し訳ない。君の友達とは知っていたが、どうしても惹かれて」


「私よりも、そんな男がいいっていうのっ!?」


 思わず叫んでしまった。

 ファミレス客がほぼすべてこっちを向いた気がした。店員さんが笑顔で切れてる。


「杏ちゃんにはもっといい男がいます! 婚約中に浮気するような男は相応しくありません! いい男をナンパしにいくほうがまだましっ!」


 追い出される前に言いたいこと全部言ってやった!

 小学校からのきずなが、こんな野郎に壊されるなんて許しがたい。


「ああ、わかった。

 婚約解消しない。すぐ。婚姻届け出す。絶対やってやる。

 私が結婚すれば杏ちゃんがこんなクズと結婚しなくて済む。それがいい」


「ちょ、俺がクズ」


「婚約状態で、婚約者の友人に手をだす男はクズだ!」


 断言するとどこからともなくぱちぱちと拍手が起きた。

 いや、どうもどうも、じゃない、店員さんが表情を引きつらせて、伝票を手に取った。


「他のお客様のご迷惑になります」


「は、はい……」


 速やかに追い立てられた。

 ファミレスから追い出される大人三人。窓からも見られてるよ……。情けない。


「婚約解消の書類は返さん。俺はお前と結婚なんかしない」


「くっ、それを返せ。見誤った」


「……涼ちゃんは、私の方が大事なの?」


「もっちろん! だから、このクズから慰謝料巻き上げて旅行行こう! もちろんポイ捨てしから」


 我ながら外道な提案だ。

 彼女が本当に愛しているなら応援するほうがいいのに。そんなの許しがたい。


「涼ちゃん、わかった。

 私、涼ちゃんに慰謝料払う」


「え」


「それから、あなたとは結婚できません」


 ぽかんとする私と元婚約者。

 なにが起こったのか。

 彼女は微笑んで、私の手を取った。


「やっぱり、涼ちゃんを幸せにするのは私!

 ごめんね、真実の愛なんてないの」


 へ?

 彼が呆然としているうちに私は彼女に手を取られて店の前を去った。今にも怒鳴りそうな店員さんの顔が見えて。

 あ、元婚約者が説教されている。


「あれは、ちょっとかわいそうかも」


「そうね。かわいそうなことしたかも。

 彼にも慰謝料払わなきゃいけないかな」


 どうゆこと? と思いつつ、続きを待つ。


「私ね、涼ちゃんがとられるの嫌だったの。

 だから、そんなにいいのかなぁって誘ったらほいほいついてくるし、ああ、こいつ、涼ちゃんにふさわしくないわぁって」


 …………。

 私たちはきっと同類である。


「……私も慰謝料払うか」


 なんだか申し訳ない気がしてきた。


 その後、元婚約者は別のお見合い相手と結婚した。予定通りの日程で。私たちはご祝儀はかなり包むことにした。慰謝料がわりに受け取ってもらいたい。


 私たちはこの事態を知った両親にこっぴどく叱られたのちに、勝手にしなさいと言われ縁切りされた。そして、新天地で二人暮らしを始めた。


「二人で幸せになるぞ!」


 そんな感じである。

もしかして、こういうのもの好きかもしれないので我が家の百合っぽい話を置いていきます。


歌えない君と歌うには

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いまさら謝罪など

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ほんとうのごめんなさい

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百合に挟まる王子さま

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― 新着の感想 ―
クズ男草。 そもそもこいつが結婚するに足るいい男だったらこんな事にはなってないので男が悪いと思いまーす!!! 百合の当て馬になったことしか評価できないんで。。。
やーるぅ! 二人とも甲斐性あるな! さすが令和。 昭和だとそんなん無理でしょ〜と笑われてた上に多分結婚してたな…良かった良かった!! 不幸になる女子がいなくて何より。 お幸せに!!
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