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成人の儀

「諸君ら、第四十九代目の成人の儀に参加せし六十二名の方々よ。

ここ、レ=メゾン国の為に自らの肉体と精神と、そして誇りを持って突き進むが良い。

汝らの前に華々しい祝福と栄華がもたらされんことを!」


 首領のドーン氏が叫んでいる。

僕は彼の容貌をしっかりと見据えて夕闇の中で、四方を篝火の中で照らされる中を同期の方々と一緒に整列していた。


 天空には、ボキ女神様以外の創造神である神神が創り出したという世界がその星一つ一つで表される格好で夜空を照らしていた。

それらの星の輝きの強さが、その世界の神力を表すと謂われていた。

この地も他の世界から見た時には、それらの世界と同じように一個の夜空に輝く星の一つになるのであると古くからの伝説によって伝えられていた。


「それでは、諸君らは家族の許を離れて一晩ここに泊まる。

成人の証として夜を徹して自らの魂を磨くことを忘れないように━━」


 僕はちらりと隣に立つ幼馴染のユマを盗み見た。

彼女の上背は僕より高く、単純でかつ燃えやすい質であった。

それ所以でか、感情を素直に表すことが事が出来る芸術家の道に進みたいと両親に訴えていたのだった。


さらに常日頃から僕と結婚すると豪語しており、周囲の人は冷やかし半分と共に穏やかにその言葉を聞いていた。


「それでは貴殿らよ車座になり相談する自らが所属する班は分かったな? 

これより行うように」


 彼は僕らの前の高くなっている壇から下りると踵を返して去った。

しかし、この広場には既に成人している男女が僕らの監視要員としてこの地で泊まるらしかった。


(なんで、僕ら十三歳以外の者以外がいるんだろうな? 

パパは、お目付け役としてユマを配置したらしいけど。

彼女は同期の女たちと話し合っているであるし)


 首領が壇から下りたことにより、成人した僕らは自らが属することになった班を探して歩き始めた。


皆、班の記号が記された腕章を腕に身に着けており、それで属する班が決まることになっていた。


(僕は木漏れ日の狐か。

ユマも同じ━━パパが自分の権力を背景にして決めたのかな?)


 僕は決められた班へと向かった。

全ての班は壇を中央に置くようにして、六つあるようであった。

僕は地面に置かれた鉄の台から伸びている木製の柱の先に付いている班名の書かれた横に長い旗を見た。


(え~と、あれかな? 

よしあった)


 僕は、木漏れ日の狐のメンバーが集まる班を探し出した。

既に八名集まっていた。

僕がそこに近づく間にユマもこちらに駆けて一緒に座った。


「よし全員そろったな? 

俺はサイダーとメルの子バルだ。

得意分野はそう運動ならなんでもこなせるが、頭脳は少しばかり苦手だ」

彼は頬を染めながら照れ隠しでか苦笑いをしている。

そして順繰りに自己紹介をしていく。

そして僕らの番になった。


「僕はジラセ。

ザッカスとマナラバの一人息子。

大体そつなくこなせる心算な所から、冒険家になろうと思ってる」

「ジラセ君は、心算って言ってるけど、あたしが居ないと全然駄目なんだよ。

この未来の奥様を褒めなさい!」


 ユマが尖り気味の胸と細っこい身体を両手を腰に当てる格好での体勢をとった。

自らの心がけを自慢したいのか、霊胞(エナジー・セル)すらどことなく光り輝いているように見えた。

皆彼女の自己紹介を待っている格好だった。

そう、ユマが最後であった。


「あたしはユマ。

将来は自らの感性を武器にして生き方を築き収入を得ることになる芸術家になるのよ。

そう、十五琴があたしの得意技だわ」


 それと共に、古代の頃より語り伝わってきたレ=メゾン国の建立譚を目を閉じて語る。

彼女は僕との縁の深さも独自の語りとして作っているらしかったが、今は言わなかった。

お馬鹿なユマが時折見せる思慮深さ。それが今回の発言内容だった。

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