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夢の底 〜心の日記〜  作者: ゲノムベノム
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第一章 ー謎の空間ー

目が覚めた時、白髪の少女は不思議な空間にいた。そこは所々歪んでいて、足元には湿り気を帯びた草や、薄く滑るような苔が生い茂り、歩くたびにかすかな水音が足音に混ざる。空は暗い青緑のグラデーションに染まり、どこまでも続く深さに引き込まれそうな場所だった。

「あれ、ここどこだろう。」

 少女はこの状況に戸惑い、この周辺を捜索することにした。探索をしている途中、背後から強い視線を感じた。少女は驚き勢いよく振り返った。そこには黒色の甲冑を着た何かがこちらに向かって何かを飛ばしてくるのが見えた。物凄いスピードだ。

「ッッッ!、あっぶな!」

 少女は紙一重のところで何かを避けた。少女は何が飛んできたか確認してみた。、、、槍だ。少女はそれを認識した瞬間急いで走り出した。槍を飛ばしてきた何かはまだ少女に向かって走り続けてきている。

 身を隠せそうな場所を探しながら走っていると森を見つけた。少女は無我夢中で森の中に駆け込んで行く。

 それでも尚黒い甲冑を着た何かは追ってきていた。しかし、森の中を逃げ回っているうちに何かは姿を消していた。

「はぁ、はぁ、逃げきれたみたい...」

 少女は危機から逃れたことに安堵していた。

「逃げられたのはいいけど、ここからどうしよう...」

 そこは見渡す限り青緑色をした木々が生い茂っているだけの場所だ。しかし、ここに留まっている場合でも無いため少女は再び探索を再開することにした。

〜数時間後〜

「.....疲れた。」

 少女は森の中を入ってきた方向のまま真っ直ぐに突き進み続けていた。だが、何か珍しいものや今の状況についての手がかりが見つかることはなかった。

 それもそのはず、なんせこの数時間ずっと同じ様な木々や草の生えた場所しかなかったからだ。その上この不思議な場所に来てからまともに食事も取っていない。

「もうダメそう....。」

 少女が体力の底をつきそうになったその時、1人の人影が見えた。....それは先ほど自分の命を狙った黒い甲冑を着たものだった。しかし、まだ向こうはこちらに気付いてはいない様だ。少女は急いで目を閉じ息を殺して木陰に身を潜めた。

「.....」

 奇妙な森の中で大きな緊迫感に襲われる。訳のわからない場所で目を覚まし、意味もわからず命を狙われ、逃げ回る。少女はこの場所に来たことを振り返りながらこの場を逃れることを祈りながら隠れる。

「...あなた迷子?...」

 声をかけられて目を開けると不気味な笑みを浮かべる白い仮面をした黒いドレス?を着た人がいた。

 普通に考えればおかしいが、そんな事を気にしてる余裕はなかった。少女はこの機を逃すまいと頭を上下に振った。

「まぁ、そうだよね。この場所にいる人なんて、迷子か自殺願望がある人くらいだよ。」

 彼女は仮面の表情を変えながらそう答えた。そして、彼女はこの森の近くにある村に招待してくれるとの事だ。

 村を目指している間、自己紹介をしあった。彼女の名前はファイというのだそうだ。少女は自分の名前すらも忘れていたので覚えている限りのことを話した。母親と2人で生活していたことや、時々男の人が毎回違う子供を連れてきて遊びにきていたこと。黒い甲冑を着た何者かに命を狙われていることなど。そうしている間に彼女たちは村に着いた。

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