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Never Ending Story

玲唯の柔らかな唇に、自らの乾いた唇を重ねた瞬間、背筋を電流が走ったような衝撃が貫いた。その甘露な感触は、脳を、理性を完全に包み込み溶かしてしまう。「玲唯…!」そう言うのが精一杯だった。体の求めるままに玲唯を抱きしめる。「んぅ………っ?!」玲唯が目を覚まし、自分が置かれている状況を理解できない様子で慌てふためいていたが、不意に玲唯の目線が自分の目線と交差し、憎悪とも慈愛ともつかない、虚ろな目がこちらを見つめている。

だが、それでも手は動きをやめない。よもや玲唯の衣服にまで手を掛けようとしたとき、その本能に理性が反抗した。脳内で激しいせめぎ合いが勃発する。前線が進んだと思えば後退し、下がり切って負けたかと思えば巻き返し。もはや収拾がつかない。そうして頭のなかで勃発した大戦は、「大丈夫だよ」という玲唯の一言で決着した。「ゆ…玲唯!玲唯!」そう玲唯に届くギリギリの大きさで呟きながら、玲唯の上着に再び手をかけ、脱がせ始める。

———しばらくして玲唯の白い乳房が露わになった瞬間、激しい罪悪感に苛まれた。「玲唯…本当に、本当にいいんだな…?」そう何度も確認してもただ頷くばかり。あいまいな返答に不安を感じながらも覚悟を決め、そろそろと玲唯のスカートをめくる。下から見えてきた紺色のベラパンをゆっくりと膝まで下ろす。そのままショーツに手をかけ…引きずり下ろした。


「はぁっ…はぁっ……」

玲唯に覆い被さったまま激しく息をつき、今しがた自らが体験したことを思い起こそうとするが、あまりにも激烈な体験であったがためにオーバーフローしてうまく映像化できない。

玲唯の柔らかな乳房が自分の体重で潰れ、同じく荒い息の上下する胸の動きに合わせて胸元にぴったりと吸い付いてくる。「玲唯、大丈夫か…?」気遣いとも言えない言葉を放つ。その時ふと冷静になり、野外でこんなにも淫らなことをしているということを初めて理解し、一気に顔の表面温度が上昇する。「玲唯…?」一向に返事のない玲唯に再度呼びかけると、「…ぅ…」と返事とは言えない答えが返ってくる。うっすらと目を開け、こちらを見ている玲唯は熟す前のりんごのようだった。手をゆっくりと伸ばし玲唯の頬に手を当てる。触れている部分からじんわりと暖かさを感じる。すると玲唯もそろそろと左手を上げ、僕の右頬に当て、親指でゆっくりと撫でる。「———みなと」とか細く、ほとんど息漏れのような声で名前を呼ぶ。その様子を見ていたら、気づかぬうちに涙が溢れてきた。あぁ、これが、僕の求めていたものだ。ずっとこのまま抱きしめていたい。想いがどばどばと溢れて止まらない。(つつみ)を建てようにも勢いが強すぎてもうどうにもならない。理性も本能も凌駕して、愛情だけが、全てを支配する。意識もなにもなしに、再び二人だけの楽園が始まる。


———それから数時間後。二人はぴったりとくっつきテントの中で眠っている。玲唯も女神さまから支給されていた衣服を身にまとい、静かに目を閉じている。毛布のしたで、温もりに包まれながら、暖かな夢へと滑り込んでいく二人は、幸せそうな顔を浮かべている。その幸せに満ちたテントを絶望という液体が包み、塗り替えていこうとする。


絶望と幸せの狭間には、妬みが生まれる。


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