国を守る使命③
第46章
「マリヒューイ・リカを、リカの国の国王に承認しますか?」
6人の国の代表すべての承認を得て、リカの国は、公国に留まり、マリヒューイは、幼いながらも、国王として、歩き始めた。
「予言についてですが、今後のカオ国について、話して頂きたいと思っています」
マリヒューイは、小さい体で壇上に登り、プレゼンを始めた。
「わたくしの予言が正しいかは、これから、皆さんが判断なさればいいと考えています。では、ヒロヒロ宰相、現在のカオ国について、説明をお願いします」
ヒロヒロ宰相は、誰から見ても優秀な人間で、壁にカオ国の地図を張りだした。
「カオ国について説明する前に、お話があります。昨年、数か月ほどマリヒューイ国王は、カオ国に滞在して下さいました」
「サリーサリー王女は、マリヒューイ国王から何も聞き出せませんでしたが、しかし、現在のカオ国があります」
「では、現在のカオ国です。現在、カオ国の中心部より少し離れた場所は、燃え始めました。ここです。この場所が燃え始まる前に、燃えた所の土を集め、研究を始めています」
「どういう事?」
「燃えた後の土を利用して、エネルギーに変えて行こうとカオ国は考えています。こちらの国は、電気が普及し始めましたが、カオ国では、豊かな太陽により、電気は豊富で、雪は降りません」
「しかし、雪の降る国には、冬を越す為に、燃料などが必要だと聞きました」
「土を燃料にするのですか?」
「はい、そして、船などを動かす、エネルギーに変換できるように、研究を始めています」
「・・・・・・」
「それは、燃えた後にしか出来ないのですか?」
「そうです。燃え終わった後にしか、出来ませんでした」
「う~~~ん、土から薬も出来たのですか?」
「いいえ、薬は、ジャングルに生えている植物から採取しました」
「ジャングルに薬草があったのですか?」
「それが、変わった植物から採取しました。薬草と言う概念を無くすと、色々な発見がありました」
「今は、小規模での発火のようですが、大規模な発火になった時はどうするのですか?燃やして、ずっと、そのままでしょうか?そうなると、隣国の私の国にも影響が出るのではないでしょうか?」
「アパレル国は、穀物の栽培が盛んで、何かあった場合、サーシャ、センブルク国などにも影響が出始めます」
「・・・・・・」
「その場合は、わたくしが対処します」とマリヒューイが、話した。
「??????」
「大規模にカオ国が燃え始めた場合は、わたくしが雨を降らせます」
「ハ八ハハハハハ・・!!冗談はやめて下さい」と言った、カガク国の国王の頭が、燃え始め、カガク国王は、大慌てになって手で消そうとするが、手は火傷を負い、しばらくすると、マリヒューイ国王は、指を回し、カガク国の国王の頭上に雨を降らせた。
「このように雨を降らせます」
すべての人は、口を開けたまま、マリヒューイ国王を見て、驚いたままで、誰もカガク国王の心配をしていない。カガク国王は、頭部の髪の毛、眉、鼻毛までも焼けたが、幸い頭皮に、火傷はしていなく、付き添っているお供達が、大急ぎで、拭き始めた。
誰もが、『燃やされても仕方がない事をした』と思っているので、同情もない。
「予言についてですが、わたくしは、まだ子供なのでわかりません。しかし、現在、このような力は、十分に備わって来ました」
「・・・・・・」
「だから・・、もう、わたくしやわたくしの大事な人に危害を加える事はヤメて下さい。そうでなければ、その国を燃やしたり、晴れの日を無くし、最後はその国のすべてを消滅させます」
「わたくしは、そのような人間です。その為に、この世界に来ました」
静まり返った、その時、その会議場に、縛られているケンティと犯人が登場した。誰もが驚き、
「え???」
「え!!」
「ケンティ・・」
「え~~~~!」
サルベーセンは、驚くばかりで、言葉が出ない。立ち上がろうとした瞬間に、ヒロヒロ宰相に、気づかされ、大人しく座った。
ルイ国王陛下が、
「ケンティ、どうした?」
「また、捕まりました。ごめんなさい。助けて下さい~~」
「その3人は、どこの国の人でしょうか?」
「ええ・・・・いえ、国王陛下・・・」と、犯人たちは、自国の国王を見る。
その後、サーシャ国の国王の頭も燃え上がり、そして、雨が降った。
「ケンティ、イカルノと一緒に行って、手当を受けて来なさい」
ケンティと頭を燃やされた犯人たちが退出して、ルイ公国陛下は、たずねる。
「サーシャ国王、どういう事でしょう?」
サーシャ国王は、頭を押さえながら、
「聞けば、あの男の子が、我が国の・・不正・・・、マリヒューイ国王の・・・友達・・、やめてくれ、反省している。本当だ。今後、一切、このような事がないように誓う!!! 」
その後、水浸しのサーシャ国王を、席に座らせられた。その後、冷静にルイ公王は、
「ここで、決を採りたいと思います。リカの国は、封鎖を維持したままで、よろしいでしょうか?」
既に、反論する人は出て来なくて、焼けた臭いと、水浸しの会議室は、閉じられ、会議は終了した。
サルベーセンは、自分がサリーサリー王女だと言う事を、すっかり忘れていたが、サプライズ続きの7カ国会議で、誰も、サリーサリー王女に話しかける人もなく、放心状態で、部屋に戻り、リリアールと話を始めた。
「リリアール・・、見た?マリヒューイの凄さ・・。いつ、あのような力をつけたのかしら?」
「瞬間移動ができるのなら、もう、サルベーセンの所に逃げ込む事はなくなるね」
「えええ、それほどに、成長したのでしょう」
「ええ、子供を嫁に出した親の気持ちだわ・・、なんだか寂しいね。ーーー疲れた」
その後、カオ国のメイドが続々とやって来て、ドレスを脱がし、美容をして、お風呂でくつろいで、ぐっすりと、眠りについた。
サルベーセンが、眠りについた後に、マリヒューイは、やって来て、リリアールと話す。
「マリヒューイ、どうしたの?眠れないの?」
「先生は、なんて言ってましたか?」
「娘を嫁に出したみたいで、すごく寂しがってたわよ。もう、マリヒューイは、どこでも行けるのねって・・」
「でも、私の戻りたい場所は、お二人の所でした。魔力が不安定な時は、怖くて、本当に、この国すべてを壊しそうでした。その為、兄上は、どの位、わたくしに、気を使ったかわかりません」
「赤ん坊の時に、癇癪を起して、王宮の一部を破壊してしまいました。でも、国王陛下と兄上は、全然、怒らないで、色々な話をして下さいました」
「それは・・・本当のおばあ様の事?」
「ーーーやはり、リリアールさんは、おばあ様を知っているのですね?」
「ええ、だって、あなたそっくりよ。痩せていて、食事が苦手で、好き嫌いもたくさん! それに、お転婆で、負けず嫌いな所、何もかも・・、覚えているの・・、昔の事なのにね」
「おばあ様に会いたいですか?」
「いいえ、会うなら、是非、お爺様にして下さい。わたくしは、恋焦がれていました。本当に素敵な方で、ご立派で、誰よりも奥様を愛していて、奥様のすべてのわがままを許していたの・・。本当にすごいお方でした」
「おばあ様は、わがままな方だったのですか?」
「ええ、それは、それは、わたくしと同じ匂いのする方で、宝石店のすべての物を購入するような人、ーーサルベーセンとは真逆な人でした。でも、似ている所があるなら、きっと、慈悲深い所でしょう。彼女、今日、ケンティが現れた時、思わず立ち上がろうとしたのよ」
「本当?」
「本当よ。慌てたヒロヒロ宰相が、気づいたから良かったけど、あの時点で、サリーサリー王女の仮面は剥がれてました」
「フフフフフ・・」
「マリヒューイ、大きくなって、偉大になっても、わたくし達二人は、あなたの事が大好きよ」
その夜、いつもの様に、3人は、一緒のベットで眠った。




