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第二場 大理国

闇の中で仙人の声が響く。

(仙人)「今は昔、この地に大理国という国が栄えておった」


スポットが当たり下手から若者登場。

(若者)「早く国王に知らさねば、蒙古の軍がそこまで来ている」


若者、上手に退場。スポットが当たり下手から国王、王女、

姫が登場。城の中。遠くに山なみが見える。

(国王)「蒙古の軍はもうそこまで来ておる」


国王、いらいらとうろつく。

徐々に明るくなる。

(王女)「姫は南へとお逃げなさい。私は王と共に戦います」


(姫)「お母様!」

(王女)「あなたの事はよく分かっています。村の若者が着いたら

ふたりですぐにお逃げなさい」


(姫)「お母様!」

(王女)「ふたりの仲の事は母である私が一番よく分かっています。

王子の北の城が落ちたらすぐさま知らせに来るようにと、

あの若者に頼んでおきました」


(姫)「お母様!」


姫、王女に泣き崩れる。

下手より若者現れる。

走りつかれて倒れそうである。


(若者)「申し上げます。蒙古軍は総攻撃をかけてきました。

王子様の守りは撃破され総崩れになってこの城へ撤退中です」

(国王)「王子は?」


(若者)「王子はご無事です。攻め来る敵と戦いながら

この城へ向かっておられます」

(国王)「蒙古は皆殺しの民と聞く」


(王女)「姫!直ちにお逃げなさい!この若者とともに南の地へ!」


若者と姫、互いに見詰め合う。

(国王)「ええい!早く行け!」

(王女)「早く行きなさい。この城は王子とともに

最後の最後まで戦い抜きます。あなたの使命は生き延びて

わが一族の子孫を残すことです。早く行きなさい」


(姫)「分かりましたお母様」


若者と姫、上手に去る。

下手より戦いつかれた王子現れる。

剣は抜いたまま大きく息をしている。


(国王)「おお息子よ」

(王女)「王子・・・・・」


王女、王子の下に駆け寄る。

王子、大きく息をつきながら、

「父上、もはやこれまで。蒙古の軍は十万を越える大軍で、

わずか数千の大理国が滅びるのは時間の問題だ。姫を、

早く姫を逃がしてやってくれ」


(王女)「もう姫は逃げました。あの若者とふたりで」

(王子)「そうか、それは良かった。なんとしてでも

生き延びてくれ・・・・・」


王子はここで息絶える。

背中に大きな矢が刺さっている。

国王、王女「王子!」


ふたり駆け寄り王子の体を支え抱く。


ー暗転ー

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