いざ、異世界へ?
___9年前
小学4年生の時、学校からの帰り道、フードを被った背の高い人が迷っていた。当時10歳だった千夜は、その迷っている人が放っておけず声を掛けた。
「あのー…、大丈夫ですか?」
「ひっ…、あ、あなた、な、何者なの」
「私、藤崎千夜、あなたは?」
「アミリア・シードよ」
「外国のひと?」
「ガイコク?ガイコクじゃない、ステートワールドの王都ニースに住んでるんだよ。あと、ここどこ?初めて魔法を使って来たんだけど」
「マホウ?ここ扶桑国だよ?」
「フソウコク?分かったわ。ありがとう。あとひとけのないところある?」
「うん、着いてきて」
__成り行きでこの子に頼んでしまったけど大丈夫かしら、
とアミリアが思っているとビルの間を通り、誰も来ないであろう公園に着いた。
「ありがとう。また、何処かで会えるのを楽しみにしているよ。」
すると呪文らしき言葉を発し、
バック!
そう唱えると、白い光が彼女を包み、一瞬で消えてしまった。
「変わった人だったね」
そして帰宅の途についた。
___チュン__ン_チュ_
小鳥のさえずりが聞こえるなか目が覚めた。
「そういえば、9年前に会った人に似ているような……」
と学校へ行く準備をしながら思う千夜。
いつものように朝食を済ませ、家を出た。
「そういえば昨日言ってたこと考えておかないと」
そう、明日には結果を出し出発しなければならないのだ。
学校に着いて席に着くと、仲良しの友達である咲希、友美がやってきた。
『おっはよー』
仲良し2組は今日もハモった。昨日今日だけではない2ヶ月くらい前からずっとハモっている。
「元気だね、今日も。」
何気ない会話をし、4時間の授業の後の昼食では三人一緒に弁当を食べる。
すると、千夜はこう切り出した。
「もしさ、もしもだよ?もし、私が異世界に行くことになったらあなた達は私をどうする?」
咲希は
「いいんじゃない?たまにはこういう体験もできたらいい経験じゃない」
友美は、
「そうだよ、異世界なんてそう行けるところじゃないんだからさ。だから、止めはしないよ」
___そうだ、そうだよ。こうやって思ってくれる友達がいる。それは幸せなことなんだ。だから、もう、迷わなくていいんだ。人の為になるならなんだってしよう。
と心に決めた。
学校が終わるとすぐに家へ帰り着替えを用意し、それが終わると、早く明日にならないかとソワソワしていた。
そのあとは食事と風呂を終わらせ、すぐに眠りについた。だが、すぐには、眠りにつけなかった。
次の日は、早く授業が終わらないか、とずっと思っていた。学校が終わればすぐに、家へ帰った。
直接言葉を伝えるのは大変なため、父、母、咲希、友美、クラス全員に充てた手紙を書くと机の上に置いて、食事を取り、早目に風呂
に入り書庫へ向かった。
すると中には、エルフの女性、アミリアがいた。
「思い出したかい?9年前に会ったのがこの私だったんだ。」
「やっぱりそうだったんだ。また、こうして会えたのも運命なのかな?」
「きっと運命だよ。話し変わるけど、ステートワールドへ行く気になったんだね。ありがとう。みんなに話しなくていいかい?」
「うん、いいよ。手紙書いてるし直接話しするなんて無理だもの」
「それじゃあ、魔法を展開するよ、オープン・ザ・ゲート・ステイオン」
すると白い光が放たれ魔法陣が展開され、人一人通れる大きさになった。
「何回か異動は出来るけど、一日往復で一回しか出来ないからね」
「うん、分かったわ」
「行くよっ、オープン!」
と一際大きな声を出した。するとそこに、身長の1.5倍ほど、横幅3mほどの扉が現れた。その扉が開くと、二人は扉の光のなかに消えて行った。
10秒もかかっただろうか、目の前には部屋の中だろうか、家具らしきものある。その目の前にあるドアを開けると、そこには見たことのないセカイが広がっていた………
いかがでしたでしょうか。過去の話しから始まり、そしてその時に出会った人と似ていることに気がつき、運命だと感じた。
次回、異世界での生活が始まります。異世界人との繋がりも作っていく_____