寂しい
この高校は外の景色が美しい。
山の上に建てられた高校は一流ホテルが建ってもおかしくない場所にあり、海も山も一望できる。
青い海、青い空、白い雲、碧い山、木々、さえずる鳥たち、一年間通してあまり寒くならない気候。
どこかでよく聞くようなキャッチフレーズがよく似合い、それらが存在するここ、小笠原諸島は、世界遺産候補地となっている。
いや、もう世界遺産だろう。
特に、紅の豚描写で使われた南島なんかは。
残念ながら今私は父島にいるけれど、母島も美しいの。
本当だよ。
高校が父島にしかないせいで今の私は寮生です。
寮の食事はおいしいけど、なかなかボリューミー。
きれいで美しいのはいいの。
でも、切ない。
足りないの。
足りないよ……。
拓己―――…‥。
私と拓己の出会いは今から3年前……くらい。
当時の私は親の仕事の都合で千葉に行ったり、東京に行ったり、北海道に行ったりしていた。
その転校先で、拓己と同じクラスになり、隣の席になり、仲良くなった。
でも、その時はまだ好きじゃなかった。
仕事をやめ、ここに永住すると親が決めて、離れて……。
三年後、拓己に告白されて……私も軽いノリでOKして……。
でも、なんだか……会えないことが寂しくて。
でもいいの。
今年の夏、会う約束をしているから。
それだけが楽しみ。
ちなみに私が彼氏持ちって事はココだけの秘密なんだ。
みんな、言うことはだいたい同じだからね。
遠距離恋愛なんて……とか、すぐ別れる……とか。
でも、拓己はそんな人じゃないんだからっ!
すぐに、私を忘れちゃうような人じゃないんだから……。
でも……でもね……メールだけじゃ、寂しいよ……拓己。




