78.統一戦争③
場所:様々な場所(戦場)
「南方軍最高司令官ケッセルンク大将より伝令。"敵共和国軍主力は壊走。第6軍に追撃を願いたい"とのこと」
若い将校がそう告げる。
「ご苦労。どう見る?」
ハウサー大将がちらとこちらを見てくる
「共和国軍将兵の特性を見て、まず罠の可能性は無いかと。戦闘団を出しましょう」
「そうしよう。各戦闘団に伝令を"壊走中の敵共和国軍主力を追撃せよ"」
「了解しました」
若い将校はそう返し敬礼をした後、駆けていった。
「ウバルト大将閣下!今すぐ退避を!」
私は声を荒らげそう言う。
私の名前はツィタ・カンピオーニ。リヴォルツィオーネ共和国軍第2軍の作戦参謀で、少佐。
「うぅん…分かった。で、どこに行けば良いのかね」
大将はやっと重い腰を上げる。
この人はソッドロ・ウバルト大将。私のほぼ義理の親みたいな人。
よく言えば「とても文化的で穏やか」。悪く言えば「マイペースで危機感が無く、軍人に向かない」タイプの人で、共和国統帥に任せられたからというだけで大将をしている。
私は大将を慕っているけれど、その分能力に関してしっかり理解もしている。
「とりあえず護衛を増やして、後方に行くしかありません。手配は既にしてあります」
「いつもすまんな」
そう言って大将は私を撫でる。
…少し嬉しいかも
「静か…」
ここはノイエ帝国の対フーロイ=ゼン東部戦線。
私はノイエ帝国軍、第7師団第1大隊所属のエヴァ・リスト衛生准尉。
目の前に広がるのは広大な平原と、我が軍の陣地、部隊。
「エヴァさんエヴァさんこれ摘んだんだ。あげる」
歩いてきた若い男が白い小さな花を持ってきて、そう言う。
この人はアドゥルフ・オーレル准尉。私と同じ、戦争に伴って士官学校での育成段階で前線に放り出された人で、偶然話す機会があって仲良くなった。
第7師団自体、緊急動員された下士官兵、下級将校と左遷されていた高級将校連中を組み合わせた部隊という噂で、幸先がとても不安。
「ありがと…」
アドゥルフから小さな白い花を受け取る。
もう少しだけ、この澄んだ空気に触れていたいと思った。
次回、続き




