74.玩具と思い出
ヘマ視点
場所:前回と同じ
アマネたちが何処かへ行ったあと、エジェルさんが何処かへ行って、カナと2人きりになった。
「懐かしいよね、こういうの」
そう言って私が手に取ったおもちゃは大きな羊のぬいぐるみだった。
白い毛並みにクリクリとした目をしていて、可愛らしい。
「あ〜…小さい頃、こんな感じのぬいぐるみと一緒に沢山写真に写ってたよね」
カナが懐かしむようにそう言う。
「そうそう。昔から白い髪だからとかって虐められてたから、唯一の同じ色の友達…なんて思ってて」
「…どうして無くなったんだっけ」
「確か…あの日、お母さんの車に偶然載ってて…」
なんとなく思い出し、私はそう返す。
「…あ〜…言ってたっけ…」
カナは少し暗めの声でそう言う。
「…ねえカナ。私のお母さんってこの世界に生きてると思う?」
「私とマ…ヘマが出会えたんだし、案外会えるかもね」
カナはマノと言いかけたところをヘマと言い換え、そう言った。
「…会えたらまた優しく撫でてくれるかな」
少し期待するような声でそう言う。
「そうかもね」
そう言ってカナは私の頭を撫でる。
「…ありがと」
「どういたしまして。で、あの父親に関してはどう思う?」
「…また…………殺す…かな。あれと同じ世界に生きるのは嫌」
「………それなら…さ…今度こそ私にやらせてよ」
そう言ってカナは私の手を持つ。
今日のカナはなんだか昔っぽい感じがする。
「うーん…」
私の決断でカナに手を汚して欲しくはない。
「もしほんとにいたら、また考えよっか」
そう言って私は回答をはぐらかした。
「ただいま戻りました」
若干いつもより低い声でアマネがそう言う。
抱えているのはスミレとお揃いの灰色のぬいぐるみで、とても可愛い。
「何かあったの?」
なんとなくそう聞いてみる。
「いえ…特には」
絶対何かあったよね。まぁ打ち明けたくないのなら良いけど
「じゃあお会計行こっか」
灰色のぬいぐるみ2つはそこそこの価格だった。
どうやら魔力を送れば属性を見れるなんて機能が付いているかららしい。
羊のぬいぐるみは何の変哲もないものらしく、比較的安く買えた。
「あら、遅かったわね。もうそろそろお昼にしましょう?」
店を出るとエジェルさんがいた。
「そうしよっか」
私達は5人でレストランへ向かい始めた。
次回、5人で外食を
あ、ちなみにこのおもちゃ屋は外見より中がめちゃめちゃ広い魔法部屋仕様です。
101話以降、一旦過去編入ろうと思います。
退廃的な現代世界で生きる真乃達を書きたいので。




