68.不安定
場所:首都のヘマ邸
キスをしたカナの顔が段々赤くなって
「…へっ…ふえっ…?」
とよく分からない鳴き声を出している。
嫌だったのだろうか?戸惑っているのだろうか?
私自身も何故こんな行動をしたのか分からない。
「あ、ごめん」
そう私は謝った。
「えっ…あっぇ…?」
カナはバグったように繰り返しそう鳴く。
「大丈夫?」
「あ…ぇっと…大丈夫」
「そっか、良かった」
私はそう言ってカナに優しく微笑んだ。
「ぅっ…あぇ?」
カナがまた妙な鳴き声を発し始めた。
本当に大丈夫だろうか?
いつものパン屋にカナと足を運ぶ。
「このパン可愛いし、これが良いかな」
「ぅ…あぁ…?わかった〜」
またカナが鳴き声をあげ始めた。
「本当に…大丈夫?」
カナを抱き寄せてそっと囁く。
寝不足だったりするのだろうか?
「ほっ…ほほっ…ほんとに!大丈夫…!」
「言葉もおぼつかないじゃん…やっぱり休むべきじゃない…?風邪とか引いちゃった?」
カナのおでこに私のおでこを当てて体温を測る。
同じくらい。平熱かな。
こんなに顔真っ赤なのに平熱なのもおかしな話だけれど。
「マっ…マ…マノ…?」
「どうしたの?」
「ぁっ…えぇっ…こっこれ…夢…なの…?」
「何を言ってるの?寝不足なら帰って休も?」
「ぁっ………ぅん…そだね」
私が適当に選んだパンを買ってから家に帰る。
「おはようございます。ヘマ様」
「ちょうど良いところに。カナの様子が変なの」
「あっ…アマネっ…ちょっと二人で話そう?」
カナがそう言って、とてとてとアマネのところに行き、アマネと一緒に何処かにいく。
寝ぼけたスミレと一緒に取り残されてしまった。
「スミレ〜パンあるよ」
ソファでぽやぽやとしているスミレにそう声をかけ、パンの1つを取り出す。
「んん…食べさせて〜」
ぼんやりとスミレがそう言う。
「わかった。ゆっくり食べてね」
そう声をかけ、取り出したパンを一口大にちぎってスミレの口に入れ、食べさせてあげる。
その内、最後の一口も食べさせてあげて、スミレが完食する。
「よく食べられたね。えらいえらい」
そう言ってスミレのおでこに軽くキスをする。
…あれ?軽くキス?
「ぅん…?えへへ…優しい」
「スミレだけ特別ね」
そう返して私はスミレの頭を撫で始めた。
スミレの柔らかい髪がとても手触りが良い。
三つ編みでも編もうかな。
三つ編みを編むのに飽きて、ぴょこんと出たスミレの髪の寝癖を直していると血相を変えたアマネがカナを連れて戻ってきた。
何かあったのだろうか?
「あっ…ヘマ様…スミレが粗相を…していたりしないでしょうか?」
アマネが焦り気味にそう言う。
別にそんな暴れてなかったけれど?
「大人しくしてたよね?」
私がそう答えると
「ね〜」
とスミレが続いた。
「そうでしたか…」
ほっとするようにアマネがそう言う。
「パン買ってきたし、とりあえず食べよっか」
そう提案してみると
「よっか〜」
とスミレが続いた。可愛い。
エジェルさんが起きてきて、全員で朝ごはんを摂る。
まぁスミレは先に食べちゃったけれど。
「あっ…エジェルさん」
カナがエジェルさんを呼び、また何処かにいく。
暫くすると何か理解したような顔のカナが戻ってきて、アマネに何か言う。
アマネはそれを聞いて、また何かを理解したというような顔をした。
多分エジェルさんの話をアマネに伝えたのだろう。
私をはぶって何の話をしているのだろう?
次回、ヘマの見る夢




