67.2人でベッドに
場所:首都のヘマ邸
カナを抱えて私はカナの寝室に入る。
なんだかんだで最初に家具類を置いた時以来入っていなかったので、久しぶりに入ることになる。
扉を開けて、まず最初に目に飛び込んできたのは傷まみれの白いベッドだった。
形は私の使っているものと一緒ではあるものの、その白いシーツやマットレスに残された傷の多さが尋常ではない。
傷の形は、爪で引っ掻いているような傷跡と、食いちぎったような跡が大半。
ところどころ血のような赤黒いシミがあって自傷すら疑われる。
…相当やばい?
どうして毎日、私より早く起きているのかがわかった気がする。
とりあえず他に壊れているものが無いか見渡す。
意外なことに他に壊れているものは何も無かった。
寝ている時だけ…なのかな
前世の記憶だと、香菜が悪夢を見ているなんてイメージは無かった気がする。
どうにかして治せないのだろうか。
考えていてもどうせ何も浮かばないので、とりあえずベッドを再構築魔法で治してカナをそっと寝かせ、私自身もベッドに入る。
悪夢対策は明日から考えよう
「おやすみ。カナ」
私はそうカナに声をかけ、ゆっくり瞼を閉じた。
「ご機嫌よう。真乃」
パッと瞼を開けると、私は違う世界にいた。
おおよそ人間が言葉で表現することが不可能な感じの場所。
美しくて、悍ましくて、青くて、赤くて…
まあ要するに私が転生する時に見たあの世(仮)の光景そのままって感じの場所。
語りかけてくるのは私の片割れである碧菜…いや碧菜っぽい存在?
「あら、鋭いのね。そう。ただ碧菜の身体を借りてるだけ」
裸である碧菜の身体を神っぽい存在はそう言いながら操り、弄ぶ。
…あなたは私を転生させてくれた神様?
「さぁどうかしら?」
うーん…とりあえず…どうして私は呼ばれたのだろう
「カナの悪夢を治したいんでしょう?」
神様っぽい存在はそう聞いてくる。
もちろん治したい。
「取引をしに来たの」
…どんな?
「ヘマの精神に関する配分について、現状の真乃と碧菜の9:1という状態を7:3にして、その状態を絶対配分として確定させる代わりに、カナのPTSDを治すって取引」
…そんなので良いの?
「ヘマの精神の2割分を碧菜が得る訳だから、私にとっては充分な取引よ」
神っぽい存在は私に近づきながら、甘い声でそう言ってくる
そもそもどうして神様は碧菜にこだわるの?
「…蓮也との約束ってところかしら?」
若干棒読みに神っぽい存在はそう言う。
裏がある?
「あはははは!人間如きとの約束のために私がここまでやるわけないでしょう?」
パッと消えた神っぽい存在はそう笑いながら私に後ろから抱きついてきた。
私の首に両腕を絡めてくる。
「それで、受けるの?受けないの?」
耳元でそう囁いてくる。
受けるしかないかな。
神様にどんな思惑があるのか分からないけれど
「ふふっ…ありがとう。受けてくれて嬉しいわ」
そう私に囁くと神っぽい存在は私の首筋を舐め…噛んだ。
段々意識が遠のき、目を瞑る。
「おはようマノ!」
瞼を開けると元気そうなカナがいた。
「おはよ…カナ」
そう返すと、私はカナの頬に軽いキスをした。
…あれ?軽いキスを?
次回、不安定




