61.首都観光②
場所:首都ブルリノ
「何か要望とかありますか?」
人間はそう聞いてくる。
「はいはーい!私要望ある!」
人間は私に要望を聞いてきたのに、何故かカナがそう答えた。
嫌な予感。
「なんでしょう」
「えっとね〜…」
カナは人間の耳に口を近づけ、こしょこしょごにょごにょと言葉を話した。
人間はそれを聞いているうちにみるみる"楽しそう"というような表情になり、最後には興奮気味に
「それ、とても良いですね。早速作りましょう」
同時にカナが私に顔を向け、ニヤリと笑ったのを私は見た。
なんだか、ものすごく…嫌な予感。
相変わらず人間は素早く仕立てを終わらせた。
魔法で用意された鏡には新しい姿の私が映っている。
一言で言えば…セーラー服。他に言い表す言葉が見当たらない。
チャコールグレーの丈が短めなセーラー襟ボレロに、腕から首元までピッチリの黒いインナースーツ、手には黒い皮手袋。
スカートのサイズはミニで、サイドアシメスカートと呼ばれるタイプの、右が短めなもの。
無論セーラー服に合うようプリーツ付きで、色はチャコールグレー。
あと、黒のニーハイソックスや革靴、セーラー襟に沿った白のライン、ところどころに見られるささやかな金の刺繍、どれもこれもセーラー服感を出すのに一役買っている。
…普通に良いかもしれない。
私はそう思った。とても動きやすいし、結構可愛い。
…あれ?私前世で可愛いとかそんな気にしてたっけ。
まあいっか。
「どぉ〜?気に入った?」
カナが小悪魔っぽく笑いながらそう聞いてくる。
「普通に可愛いし、動きやすいから普段着として使っても良いかもしれない」
私から可愛いという単語が出たのを相当変に思ったのか、カナはこう言ってきた。
「マノが可愛いって言葉を使うのを聞いたの初めてかも…」
…そうかな。
「カナリア様はヘマ様をマノと呼ぶのですね。師匠への敬称のようなものなのでしょうか?」
会話を聞いていたらしい人間がそう聞いてくる。
カナはあまりの驚きで師匠設定を忘れてたらしい。
「あぁ…カナが言い始めた私のあだ名のようなものだから、気にしないで」
そう私は言って誤魔化す。
「なるほど…親しい仲なのですね。」
人間は疑う素振りを見せずそう言った。
服代を支払って店を出る。
2人とも新しい服をそのまま着ていくことにした。
ちなみに服屋の人間の名前は、エレーヌというらしい。
とても良い感じの服を作ってくれたので、また今度、残り3人の服を仕立ててもらったりしても良いかもしれない。
「お昼とか食べたい時間帯だね〜」
カナがそう言う。
そういえば今はお昼の時間帯。昼食を摂るため幾らかの人間達もお店に入っていっている。
「せっかくだし、どこか食べに行こっか」
私はそうカナに提案してみた。
「そうしよ〜」
カナは上機嫌にそう返してきた。
次回、続き




