60.首都観光①
場所:首都ブルリノ
「初めての戦闘練習も終わったことだし、今日は観光しよっか。服とか、ご馳走とか買いに行こ」
朝、食卓を囲う4人に向けて私は言う。
皆、肯定してくれた。ということで首都の中央商店街に向けて私達は歩き出した。
首都、中央商店街
「ここからそれぞれ自由に動く感じにしよっか。集合は"夜までに家で"ってことで」
私の言葉でそれぞれ自由に動き出す。
エジェルさんは一人で商店街の人の波に消えていった。
アマネとスミレは二人で手を繋いで近場の服屋の中に入っていった。
カナは私の横を離れようとしない。
「一緒に行きたいの?」
「もちろん。ね〜一緒に服見に行こうよ」
まぁどの道、新しい服とか買おうと思っていたところだし
「見に行こっか」
アマネたちが入った服屋とは違うところを探し、入る
「いらっしゃいませ。お二人様でしょうか」
最初に見えたのは広く上品な部屋と宙を舞う服達、そしてその中心に佇む一人の人間だった。
イメージしていた中世の服屋とも、前世にあった服屋とも違う。
「見ての通り、二人」
私はそう答える。
「お名前をお聞きしても?」
特に困ることもないので名乗る
「ヘマ」
「カナリア」
私が名乗ったのに合わせてカナも名前を言った。
「ヘマ様と、カナリア様ですね…失礼ですが、もしやギルド長をやられていたりしますかね?」
私の目を見て人間はそう聞いてくる。
「一応、市民派ギルド本部のギルド長ではあるけれど」
隠す必要性を感じられないので、そう名乗る。
「やはりヘマ・シヴグラード様でお間違いないようで…そちらのカナリア様はお弟子さんでしょうか?」
弟子?言われてみればそういう設定とか詰めてなかった…
「そーなの〜!昨日、私の初めてのダンジョン攻略が上手くいったから、そのお祝いに師匠が連れてきてくれたの!」
カナが年相応の口調でそう言う。
その設定良いかも?
「そうでしたか。となると探索者として相応しい衣装をお求めということでお間違いないでしょうか?」
うん?探索者として相応しい?
「はい!お願いします!」
カナは目を輝かせながら言った。
私と服屋に行った目的は、それだったのだろうか。
「何かモチーフとかの希望はありますか?」
人間は椅子に座らせたカナにそう質問した。
「私ね、使う武器が大鎌なの!だから…死神とか…そういうイメージの、かっこいいのが良い!」
そんなことをカナは言う。
身体年齢に引っ張られて厨二病でも発病してしまったのだろうか?
「なるほど。イメージカラーとかはありますか?」
「赤と黒!」
「お師匠様と同じ感じですね。わかりました」
えっ私、赤と黒のイメージなの?
確かに銀髪は赤みがかってるし、黒いコートを肩に掛けてるけれど…
人間は魔法を使ってパパっとカナの服を仕立てた。
とは言っても少しは時間がかかったが…
一言で言い表すなら黒っぽい軍服風のフード付きドレスライン。
裏地がワインレッドとなっている黒いヘビーベルベット製のマントを羽織り、深いスリット入りの黒いタイトなロングスカートを履き、靴は乗馬用のブーツ。
コルセットは黒く、赤い糸で華の装飾がされていて、首回りには黒く高い立ち襟と、その内にある赤いレースのラッフルが見える。
赤い手袋と黒い繊細なヴェールは、それぞれ小さな宝石が散りばめられており、とても特徴的。
確かに総じて格好いい。なんなら私よりSランク探索者感がある。
「どう?」
カナが自信ありげに、自分の新衣装を私に見せつけながらそう聞いてきた。
「とても良いと思う。格好いい」
そう私が言うとカナは照れたように口を両手で覆った。
「えへ…えへへ…」
カナの笑い声が漏れ聞こえてくる。
「ヘマ様の衣装も仕立てましょうか?」
私の感想を聞いていたのか、人間はこちらに寄ってきて、そう聞いてくる。
…せっかくだしSランクに相応しい衣装仕立ててもらおうかな
「せっかくだし、お願い」
「承知しました」
次回、続き。ヘマの新衣装…?




