57.練習のためのダンジョン攻略・上
場所:首都ブルリノ(とその周辺地帯)
スミレとカナに初めての戦闘を体験させてみたい。
と、いうことで
「Bランクとなりますと…こちらでしょうか」
私は今、市民派ギルド本部に来ている。
「じゃあそこで」
提示された依頼書を受け取る
「かしこまりました」
受付の人間がそう応え、深々と礼をする。
今回のダンジョンはみんなで行くことにしよう。
首都、ヘマ邸、昼。
「イメージは手に魔力を流す感じで」
そうカナに教える。
「こういう感じ〜?」
カナの手に現れたのは深紅の大鎌だった。
覚えるのが早い。私は今、Bランクダンジョンを攻略するにあたって、必要そうな魔法をカナに教えている。
「上手。カナの魂の持ち武器はそれみたい」
私がそう言うと、カナは大鎌を眺めて
「確かに…馴染む感じするかも」
と言った。
「死神みたいだね」
なんとなくそう言ってみる
「これを機に死神コスでもしてみようかな〜?」
冗談めかしたようにカナはそう言う。
赤と黒のフード付きコーデでも着るのだろうか
「王女様ってバレない為には良いかもね」
首都近郊、Bランクダンジョン、深夜。
今回攻略するダンジョンは第5層まであるもので、私が初めて攻略したダンジョンがイメージとして一番近い気がする。
「それじゃあ、行こっか」
5人で第0層へ入っていく。
第0層。
カナとスミレを先行させ、私はエジェルさんとアマネと共に後ろから見守っている。
早速カウベが5匹ほど突っ込んできた。
カナの大鎌とスミレの"処刑人の剣"、どちらもまっすぐに刺すことができない代物で、2人ともカウベの突進は避けて斬るという対処をしていた。
本能的に武器の扱い方を理解しているのだろうか
第1層。
「相変わらず暗いね」
アマネにそう言ってみる。
「そうですね」
アマネはスミレを見守りたいらしく、スミレの方向を見ながらそう素っ気なく私に返した。
狼のような雄叫びが聞こえて、デンウルファッドが突撃してくる。
斥候を出さず、まっすぐこちらに突っ込んできた。
カナとスミレは連携してデンウルファッド18匹を鮮やかに屠っていった。
見てて少し懐かしい。
第2層。
オーピデックの群れが雄叫びを上げながら突っ込んできた。
「カナさん…どれだけ狩れるか勝負してみましょうか」
スミレが少し含羞みながらそう言った。
「そうしよっか〜♪」
カナがニコリと笑ってそう応えた。
…もしかして酔ってる?
カナとスミレは無惨に、そして鮮やかにオーピデックを屠った。
人型存在の虐殺とか、人間としての道を踏み外してる気がするけれど…まぁいっか
第3層。
タブ・アクアが現れ、立ちはだかった。
これが終わったら食事休憩でもしよっか。
スミレがカナに何か耳打ちをして、一度散開する。
「行くよ」
カナが大鎌の横に突き出た刃を地に着け、振り上げる姿勢を取る。
それに合わせてスミレは全速力でカナの方に駆けた。
スミレが跳び、カナの大鎌の刃の上に両足を付け、しゃがみ、
「「せーのっ!」」
と2人で声を上げると同時に、カナは大鎌を振り上げ、スミレはその大鎌から跳んだ。
スミレは縦に回転しながらタブ・アクアに向け飛翔し、ちょうど頭部、こめかみ辺りにぶつかる軌道となった。
スミレは処刑人の剣を突き出して、無理矢理横に身体を捻り横回転を加えることで、タブ・アクアの頭部へ斜めに斬撃を叩き込んだ。
カナは集中を切らすことなく、思い切り大鎌を投擲した。
投げられた大鎌は横回転しながらタブ・アクアの胸部心臓付近に深々と突き刺さる。
どちらの攻撃がトドメだったかは分からないが、タブ・アクアは倒れ付し、絶命した。
次回、続き




