51.王女完全回復&失踪
場所:首都ブルリノ
2人でテラスに行くと、紅茶を飲む3人が見えた。
「お父様!私、治りました!目は見えようになって、身体はちゃんと動くようになりました!」
そう言って香菜は国王に抱きついた。
それを出迎えるように、国王は香菜の身体を優しく包んだ。
「な、治ったのか!あぁ…カナリア、良かった…だがしかし…どうやって?」
そう言いながら、国王は私に目を向けた。
香菜のこちら側での名前は"カナリア"らしい。
別にカナと呼んでも大丈夫そう。
「あ…えっと…私が用いる治癒魔法は少し特殊で…?」
「まぁ深くは聞かん…感謝する。我が娘を救ってくれて…感謝する」
そう言う国王は泣いていた。
なんというか…エヴェリン達と一緒にテラスから退いていた方が良いだろうか。
色々と深そうだし…私にはそこら辺よく分からないから
「私…その…治って早々だけれど…マノと暮らしたいの」
少し経って香菜は国王にそう言った。
言われた国王はピンと来ない顔をしたあとすぐ理解した顔となる。
多分、マノという名に少しだけ戸惑っていたのかな。
「そうか…まぁ…そうだな…カナリア…お前の小さな頃からの夢…だったな…わかった!旅立つが良い」
「ありがとうございます…お父様!しっかり手紙をお送りしますね!」
あ、ちなみに言ってなかったけれど、今の今までこの親娘ずっと抱き合ってるの。
香菜が肉体的に不自由だったせいだろうか。
なんというか…治ってよかったね。
「私、カナリアと申します。これからよろしくお願いしますね」
何はともあれ、カナと会えて、これから一緒に暮らすことになった。
ちなみに日本語での挨拶だったから、ちゃんとスミレにも伝わったようで
「カナリアちゃんって私より年下かな?可愛い〜お姫様みたい」
スミレがそう反応した。
ちなみにハウサー家とは宮殿を出たところで離れた。
どうしよう。目標は達したし、正直エストブルクに帰っても良い気がする
「せっかくなのでしばらく首都で暮らしませんか?」
アマネはそう提案する。
「お金はあるし、家でも買ってこっちにしばらく住もっか」
そう言ってみる。
「え〜、せっかくお父様に別れを告げたのに首都暮らしって格好付かないよ〜」
カナがそう軽く言う。前世と同じ冗談だ。
少し懐かしい気持ちになった。
エジェルさんに案内してもらって、大きな不動産屋に来た。
「お金はあるので良い感じに大きな屋敷を買いたいの。最適な物件…ある?」
カウンターを挟み、前にいる受付役の老齢な人間にそう言う。
人間に鷲のような鋭い目で私達を少し観察した後、こう言った。
「そうですな…ありますとも。郊外でよろしかったですかな?」
「ある程度近くにお店があれば何でも」
「分かりました。少々お待ちください」
人間はそう言うと、カウンターの後ろにある本棚に並べられた大量の資料のうちの一つを探し出し、私の前に提示してきた。
「こちらなんていかがでしょう。基本的な上下水道関係は完備しており近隣に商店街がある大きな屋敷です」
「そこで良いかな」
「分かりました。こちら契約書でございます」
買った家のところに着いた。
広い庭に大きな屋敷、色は全体的に白っぽく、そしてエストブルクの家よりも大きい。周りはあまり人気がなく、あまり家も建っていない。
「おっきい…こ…ここに住むの?」
この世界に来て間もないスミレは驚いている。
「そう、住むの。しばらくね」
ぽんぽんとスミレの頭に手を載せながら私はそう応えた。
次回、首都での生活




