50.王女との再会
50話ですね
場所:ブルリノ宮殿内部
「まさか…本当に答えられる者が現れるとはな」
国王はそう唸りながら私を見つめた。
「…私の娘に会ってくれないか?」
国王に連れられ私達3人は宮殿内を歩いた。
「朕にもよくわからんが、ヘマ殿と我が娘は何らかの繋がりがあるらしい。魔術的なものか、それ以上のものかは定かではないがな」
国王は謁見の時よりも軽い口調でそう言った
国王に殿…と付けられるとなんだかむず痒い気持ちになる
「もしかして…前世の知り合い?」
詳しい事情は知らないエヴェリンが私に小声でそう聞いてくる
その問いに私は頷いた。
長い廊下を進み、ひとつの扉の前で止まった。
「ここだ。朕とリヒャルトとエヴェリンは近くのテラスで茶会でもしておるからヘマ殿は2人きりで話せば良い」
「…はい」
私の返事を聞くと3人は扉から離れ、また長い廊下を進み始めた。
扉を3回ノックして、開ける。
広くて、全体的に白を基調とした寝室。
ベッドで寝ているのは金髪の少女。
まだ十数歳くらいに見えて、幼く感じる。
隣に座り、寝顔を眺めてみる。
色を考慮しなければ確かに香菜っぽい。
「ん…真乃…?」
幼い声で彼女はそう発する。
寝言だろうか?目が開いていない。
「どうしたの?…香菜」
「真乃!?真乃なの?」
目が開いてないのに起きてるらしい。彼女は驚いた声をあげて開いていない目でキョロキョロとし始めた。
「そうだよ…香菜。逢いに来たの」
そう言って彼女の頬を優しく撫でた。
「あ…ほん…と?に来てくれ…うぁ…やった…ぁ」
そう言いながら私を抱き締め、泣き始めた。
私も強く抱き締めた。
「ごめ…ごめん…ね…守…れなく…なくっ…てもっどっ…いっしょに…いられなくて…」
「この世界で再会できたから、良いじゃん。そんな謝らないで…ね?」
「でも…で…も…この身体…じゃ…ぁ…真乃を…うぅ…」
香菜はやはり、あまり身体が良くないようで…おそらく目も見えていない。
「私は前よりも少し強くなったから…今度は私が守らせてよ」
優しくそう言ってみる。
「うぅ…不甲斐なくて…ごめん…ね…これからずっと…ずっといよう?」
「うん。ずっと一緒にいるから…でもその前に」
「…?」
「私の血を飲んで」
「どう…して…?」
「私を信じて…とりあえず飲んで欲しい。良い?」
人間相手は初めてだけれど、これでアマネを救えたし…治るはず。目や身体の弱さは治癒魔法では治らない。先天的なものだろうし、根本的に魂の形を変えないとおそらくは変わらない。即ち、香菜を元気にさせられる可能性があるのは、私の血の摂取による…進化の恩恵としての肉体変化。
「真乃がそう言うなら…」
香菜がそう応えてくれた。
人差し指を自分の歯で切り、傷を付け血を出す。
血の出た人差し指を香菜の小さな口に入れ、飲ませる。
「少しだけ…おやすみなさい」
進化後多少眠る必要があるだろうから、そう言って優しく撫で、横たわらせる。
「んぅ…おやすみ…なさい…」
数時間ほど後、香菜が目を開けた。
全体的に金髪に銀と赤が付いているように見える。
目は…赤い。
「おはよ、香菜」
「おはよう…真乃…あれ…目が…?」
「治ったみたいでよかった…多分身体の方も大丈夫だよ」
「ありがとう…真乃…何から何まで…」
キョロキョロとした後そう香菜は発した。
「早速香菜のお父さんにでも見せに行く?」
「うん…真乃と一緒に行きたい」
私の手を握りしめて香菜はそう言った。
次回、王女完全回復&失踪




